※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ ひねもす 3 ~
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そんなこんなで、朝である。
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寝起きでまだぼんやりしている頭で、今何時だ……と枕元のケータイを手探りで掴む。
「おぉ……55分」
8時55分。もう大方9時である。
ベッドから上半身を起こしてから、上へ両手をぐぐぐと上げて伸びをする。硬いベッドではないはずなのだが、背骨がポキポキと音を立てた。
比較的朝に強い人間の私がどうして9時近くまで目を覚まさなかったのか。
遠足が楽しみで昨日、なかなか寝付けなかったからである。
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いや、行くのは公園でもお城でもない、ラブホであって、私と愛羽さんのデートなんだけども。
バイト中に、「楽しみすぎて、眠れるか心配だな」と冗談でも考えてしまったのがいけなかったのかもしれない。
まさか、この二十歳にもなろうという大学生が、翌日のデートが楽しみ過ぎて眠れなくなるだなんて。
バイトが24時まであったから、体は疲れていたはずなのに、最後に時間を確認したのは、夜中の3時だった。
まぁ、今9時だから6時間は寝ているし、一応睡眠はとれているから平気だろう。
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それよりも。
睡眠と言えば。
「愛羽さんは昨日ちゃんと寝たかなぁ……」
寝起きで掠れる声で、ぼそ……と呟く。
前々日、徹夜しているから心配なのだ。普段から仕事で疲れを体に溜め込んでいる人だしなぁ。
多分、私が2日徹夜するのと、愛羽さんが1日徹夜するのは、同等くらいじゃないかなと勝手に考えているので、なんとも心配でならないのだ。
この時間だともう会社に到着して仕事にとりかかっているかもしれない。
頑張ってくださいねと心の中で応援して、私はベッドから抜け出した。
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2日間ラブホで過ごすんだろうけれど、荷物って何もっていけばいいんだ?
服は大学から帰って着替えた綺麗な服ならいいだろうし。下着の替えくらい?
ラブホにはケータイの充電器から大人の玩具までなんでも揃っていると聞いたことがある。
普通のビジネスホテルよりも設備が整っているそうなので、素泊まりも出来るらしいじゃないか。
とりあえず、下着の替えとかなり大きめのパジャマに使えるTシャツを1枚。ラブホには寝間着もあると聞いたことがあるけれど、なんか、ダサイらしいので。
「あと媚薬か……」
勉強机の上にノートに紛れさせて隠してあったその小瓶を持ち上げる。ラベルの剥がされたそれは、どう見ても栄養ドリンクなのだけれど、中の液体を喉に流し込めばあら不思議。以前仕込まれたあの媚薬のように体が熱く火照ってムラムラが止まらなくなるのだろう。
荷造りはこんなものか。
思っていた以上に少ない荷物だが、まぁ大丈夫だろう。
それよりもそろそろ、大学へ行く準備をしなくては。
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朝食をとって身支度をして大学へ向かうべく、玄関を出て鍵を閉める。
次、この動作をするときは、ラブホに向かう直前なのだ。と考えるだけで、頬が緩んでくる。
廊下をスキップしたいくらいだけど、そこは流石に自重する。
楽しみ過ぎて、大学の講義、まともに受けられないかもしれないぞ。
うきうきでそんな考えをなんとはなしに浮かべて、はっとする。
――昨日こんなふうに寝られないかも……とか考えて本当に寝付けなかったのにやってしまった……!
先生に指されない事だけを祈って、私はエレベータに乗り込んだ。
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