※ 隣恋Ⅲ~あなたを独占したいんです~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
===============
「あんまり……見ないで」
安っぽいエロ漫画に定番のように登場する言葉。
だけど目の前で、自らの衣服をはだけながら言われるそのセリフの破壊力と言ったら……。
===============
~ あなたを独占したいんです 7 ~
===============
困ったような表情を乗せた真っ赤な顔で言う彼女。
正直、鼻血が出るかと思った。いや、もう、それこそ本当に漫画のように。
一瞬で彼女の色気にあてられた。今鼻からつぅと血が滴ってもおかしくないと思うくらい、頭にカッと血がのぼる。
そのおかげで私の指の動きは止まり、送り込む快感刺激が減り、はだけ始めた衣服を取り去る彼女の手が速くなる。とは言っても、愛羽さんにはまだやはり羞恥があるらしい。
躊躇いを含む指がブラウスのボタンをぷちり、ぷちりと一つずつ外している。
そこでふと、今日の服が前開きの物だったと気が付き、前のボタンさえ外してもらえば、完全に脱がさずとも出来るのではないか? と閃いた。
ああ、そうか。
うん。閃いてしまったのだ、私は。
===============
程よい間隔をあけて、挿し込んだ指で腹側の壁をノックしつつ、私は改めて考えてみた。
服を着たままのセックスだなんて、愛羽さんとはあまり経験がない。
それに、普段と違う事をしてみたり、違ったシチュエーションで事に及んだりするだけでも、興奮度合いは変わってくるのだからきっと、かなり興奮するだろう。
加えてヒトの心理は、「見えそうで見えない」という状態が妄想をかきたて、脳が活発化するらしいし……。
これは、チャンスだ。
内心にやけつつ、私は彼女の腰へ添えていた手をするりと下方向へおろしてゆく。もちろんゆっくり、そしてじっくりと服越しに肌を撫でながら、だ。
スカートの中へ潜り込み、下着の脇から指を挿入している右手は、曲げている肘関節辺りまでを下衣で覆われている。
なんか、テーブルクロスみたいだなぁと呑気に無関係な物を思い浮かべ、脚の付け根、太腿、そして膝を撫でてきた手を、右手同様、スカートの中へ。
「ちょ……」
”何でそっちの手まで……!”と言いたげに焦る彼女を牽制する為、ナカの壁をぐぅと圧し込んでやると、愛羽さんは簡単に大人しくなった。
まぁ、大人しいと言っても、声は膨らんだし、ナカはきゅうと指を掴まえるよう締まったので、厳密には大人しくないかもしれないが。
ブラウスの一番下のボタンを外そうとしていた愛羽さんの指は、咄嗟に腹部を掻き抱くようブラウスやスカートを握っているのだが……そういう仕草も私をそそるのだと、このひとは理解をしてやっているのだろうか?
きっと、理解してない。
していたら煽る仕草は避けるはずだし……うん、きっと分からずにやってる。だとしたら……余計可愛過ぎないか……?
――もし理解して煽る為にやってるんだとしたらそれは……ウン、素直にガッツリ煽られてあげるけどさ。
「ぅ、ん……っ、す、ず……っ」
喘ぎ声混じり、息も絶え絶えに可愛く名前を呼んでくる愛羽さんのナカが、すこしだけ緩んだ。
一際強い刺激をなんとかやり過ごし、呼吸を整え意図的に身体から力を抜いているのだと分かるが……そんなふうに自分をコントロールできる余裕が残っていることに、私は不満を抱く。
愛羽さんには、もっと、いっぱいいっぱいになっていて欲しい。
スカートの中へ潜り込ませた左手で脚を辿り、到着したのは下着の縁。
鼠径部を軽く締め付けるようなラインを撫でながら向かう先は、蕾だ。破っているとは言えストッキングを履いて、下着も着けているから、それら越しにはなるけれど、愛羽さんに快感を送り込むなら十分だ。
指を挿れる為に横へ避けた下着の襞。その上から少々強めに圧を掛けつつ、真ん中の筋を撫で探り、ビクンと腰が震えた場所を改めて小刻みに引っ掻く。
「ぅ、っ……やぁ……ぁ、あ……っ」
彼女自身の制御力によって戻りかけていた理性が、また、一瞬で溶けて消えた。
それは既に一度絶頂を迎えた愛羽さんも、私もそうで、蕩けた瞳を交わらせた私達の周りの空気が、何か甘ったるいものを多量に含んだ感覚に陥る。
きっとその原因の多くは、快感を訴える愛羽さんの声。
与えられる刺激に腰を引き前屈みになるおかげで、私の耳に近い。彼女から発せられる、途切れながらにも熱い声はどうしようもなく、私の心にも、周りの空気にも、全てにとろみをまぶしていく。
「ここ、気持ちいいですか?」
私は小刻みに動かしていた左の指で、僅かに膨らんできた蕾の周りを囲うように幾度も撫でる。
浅い呼吸の愛羽さんが、蕾の刺激にめっぽう弱いことを知っていて、これを尋ねる私はやはり、仕方のない人間だ。
===============
前屈みになり、私の肩へ両手で縋るような体勢で俯き、カクカクと顎を引く彼女の声で、答えを聞きたい。
我儘極まりない願望を叶えるべく、私は愛羽さんの頬へキスを一つ与えて、わざと低くした声音を使う。
「気持ち良くないですか?」
「……きもち、ぃ……」
――あぁ、かわいい。
素直に言った。
ここ、やっぱり弱いんだ、愛羽さんは。
か細く震える声だが、きちんと言葉にできた彼女から発せられる次の言葉は、大体決まってる。
「……ん、は……ぅ、すずめ、ちゃ……もっと……」
きゅうと私の肩を握りながらねだる愛羽さんに、ゾクと走る悪寒にも似た快感。
ああもう可愛い過ぎる。その上、色気が在り過ぎるせいで私まで気持ち良くなってくる。
もしかすると、ナカよりも蕾の方が好きなのかもしれない。なんて思うくらいに、ここへの刺激を欲する愛羽さんを知っている。
ならば、服を自分で脱がせるためには、最初からこの蕾を刺激していう事を聞かせればよかったのに、と思われるかもしれないけれど……。
初めから従わせるよりも、なんというか……嫌よ嫌よも好きの内、という微妙な心境の変化が好きなのだ。
その羞恥と僅かな嫌悪すら越えて、快感を欲するように、仕向けたかったのだ。
===============
「もっと? もっと、どうして欲しいんですか?」
無自覚だろうけれど、愛羽さんが快感を求めて腰を揺らし始めた。
普段、あんな颯爽と仕事をしている愛羽さんが、ベッドの上だとこんなにも乱れ、淫らになるのだ。
湧き上がる満足と、まだそれ以上を欲する心。
この戦いはいつも、後者が、勝つ。
===============
ナカの刺激さえも無くして。
蕾を引っ掻く指も、力を弱めて。
彼女の快感欲求を焦れさせて数十秒後、切なげに響く、
「……ん、ぁ、もっと、そこ……して」
甘い甘い要求。
減らされた快感刺激を求めて揺れる腰つきは淫らで、それを見せつけられるこちらの我慢もそう長くは持たない。
私がたまらず、下着の上から強めに蕾を押しつぶせば、唐突に与えられた強烈な快感で彼女は嬌声をあげて腰を引いてしまう。
「逃げちゃ駄目でしょう?」
快感で跳ねてしまう動きならば容認するけれど、そうではなく、明らかに逃げる為彼女は腰を引いた。
それは駄目だ。許さない。
ナカに挿れている指でぐいと引き寄せるよう腹側の壁を圧し、可愛く鳴きながら腰の位置を戻した愛羽さんの蕾を、私は左の指で丁寧に撫でてやる。
「ぁ、ぁっだめ……っ」
いやいやをするように首を振るけれども、止めてあげない。
「ぁっ、あ、やぁっ」
続く快感で徐々に大きく上がってゆく嬌声。
再び彼女が腰を引こうとするけれど、ナカの指がそれを阻止する。
腰を引きかければ強烈な刺激と共に引き戻され、蕾には絶え間なく注がれる快感。
否応なく与えられる愛撫に、私の指をきゅうきゅうと締めるナカはかわいい。けれども、同じくらいか、それよりももっと可愛いのが愛羽さんの、下唇を噛んで快感を堪える表情。
口呼吸で度々開かねばならないのに、懲りもせず、嬌声を抑える為に唇を巻き込み噛みながら、それでも漏らす甘声。
「可愛い。愛羽さん、ナカすごい締めつけて……こっちが気持ち良くて仕方ないんですよね」
体勢的に下から見上げる形なので、いつもと違って彼女の表情がほぼ全て見える。この体勢の最大の長所かもしれない。
私の言葉を認めたくないのか、愛羽さんはちがうちがうと言いたげに首を横振りしているが、構わず下着を更に横へずらし、彼女のナカから溢れた愛液を左の親指で掬い上げて、直接蕾へ擦りつけた。
「ぁ待っ……!」
ヌルリとした感触で分かったのだろう。愛羽さんがハッとしたように声を上げたけれど、特に待つこともしてやらずに蕾を小刻みに撫でる。
私の肩をきつく握り、声にならない声を上げる愛羽さん。やはり快感から逃れようと腰を引くが、逃がさない。ナカへ挿れた指を腹側に押し当てて引き、私の方へ近付かせる。
「~~~っ……っん、んぁ……っヤぁっ……待って、おね、が……ひ、ぁ……っ!」
「駄目」
「待っ……て!」
肩を縋るように掴んでいた手が、私を押し返すような形へ変わり抵抗する。
それでもヌルついた蕾を小刻みに擦り続けると、愛羽さんの嬌声がよりいっそう蕩けて濃くなった。
もうすぐだ、と思った次の瞬間だった。
可愛い過ぎる恋人の身体が、びくっ、びくん、と大きく脈打つ。
私の予想よりも早く絶頂が来てしまったらしいが、まぁ、いい。
それにしても、ほぼ蕾で達したというのに、ナカはきゅううっと指を締めつけて、絞るように波打っている。
「……愛羽さん、可愛い……」
いつの間にか息があがっていた私の呟きは、快感に打ち震える彼女の耳に届いたかどうかは定かではなかった。
===============
※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※
コメント