隣恋Ⅲ~ブラジャーの日 後日談~ 9話


※ 隣恋Ⅲ~ブラジャーの日 後日談~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 同じように、貴女はわたしにしているのよ……?

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~ ブラジャーの日・後日談(2019年加筆修正版) 9 ~

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『愛羽さんが気持ちいいと、私も気持ちいいんです』

 いつだったか。雀ちゃんがくれた言葉。

 それを理解して、体感して、わたしの中で何かがパンと小さく音を立てて弾けた。

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 息なのか、快感の声なのかを短く吐く雀ちゃんの耳朶から、いつの間にか口が離れていた。
 それに気が付けないほどに、その事実は衝撃的で刺激的だった。

 僅かに乾いてしまった口を一旦閉じて、唾液で湿らせて。
 今度はなんだか少し、緊張しながら彼女のそれに舌を伸ばす。

 荒い呼吸を繰り返していた雀ちゃんはまた触れてきた舌にビクリと反応し、遠ざけるように頭を引く。けれど、それを許さないのがわたしの左手。
 彼女の頭を抱えて僅かに開いた距離を引き戻す。

「だめ」

 自分でも驚くくらいに、色気に溢れて甘くてねっとりした声。

「動いたからお仕置き」

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 耳の穴に、尖らせた舌を差し込む。
 こうされると、どんな感覚が、耳を、脳を、襲うのかは承知済み。だって、何度も雀ちゃんにやられたことがあるから。

 ぐじゅぐじゅとまるで脳をかき回すみたいに、狭い穴の中で舌を蠢かせ音を立てる。

「ぅ、あ……っ」

 また頭の上のほうで、パリッと音がして、彼女がシーツを引っかいたのだと知る。
 それが、わたしの快感。

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「……ッ、待って……」

 息も絶え絶えに上擦った声で雀ちゃんが言うけれど、そんな言葉を聞いたらむしろ、待ってあげられなくなるって、自分の行動を思い返せば分かりそうなものだけれど。
 わたしは彼女の穴からぬると舌を引き抜くと、外耳を噛む。

 そのまま、ぷるぷるの耳たぶにも舌を這わせ、耳の付け根へ。
 シャープな顎のラインと、耳の付け根を結ぶ道を一度往復してから、鼓膜の傍で囁く。

「待ちたくないから、待たない」

 意地悪くもわたしはそう彼女へと告げてやった。
 雀ちゃんは、はっとしたようにこちらを向きかけたけれど、左手でまた、彼女の頭を押さえつけ、阻止。

「だって、気持ちいいんでしょう? 雀ちゃん」

 そんな質問を投げかけるのは、彼女の行動を投影しているから。
 この類の質問が、羞恥心に押しつぶされ燻っている性欲を焚きつけることを、わたしは体感しているから。

 あぁほら。
 髪の隙間から見える耳は、さらに赤くなった。

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 良い反応にほくそ笑みながら、わたしは彼女の耳に唇をくっつけた。
 既に、唾液でてらりと光るそこは触れた唇がつるんと滑る。
 剥きたての果物みたいな感触。きもちいい。

 でも。

 今は、自分が気持ちよくなるよりも雀ちゃんを気持ち良くしてあげたい。
 例えば……そう。
 この舌、とかで。

 ねぇ。雀ちゃん。

「もっと舐められたいんでしょ……?」

 小さく囁けば、食いしばっている歯の間から、息が漏れる音。
 何をそんなに堪えているの? その必要は全くないのに。

 彼女に対して「もっと舐められたいんでしょ?」と問い掛けたものの、半ば当てずっぽうだ。
 むしろ、わたしがもっと舐めたい。気持ちよくしてあげたい。と思っているから言ってみただけなのに。

 そんな反応をされると、雀ちゃん自身も舐めて欲しいと思っていた。と、勘繰ってしまいそうだ。
 いや……むしろ。多分。

 それが真実なのだろうけれど。

 ――あぁ……どうしよ……。

 可愛い。素直すぎて、可愛い過ぎる。

 体の真ん中からあふれてくる好意と加虐心とがせめぎ合って、眩暈がしそうだった。

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 赤い耳はどれほどに熱くなっているのだろう。
 そんな疑問を胸に、再び、くっつけていた唇の隙間から彼女へと舌を伸ばす。
 すぐに触れたそこは、わたしの舌の温度よりも高くて、熱く感じる。……という事は、かなり、体温は上昇している。

 確かに、抱き締めている彼女の体は先程から汗を帯びていて、服を越えて湿気が伝わってきている。
 普段ならばどうとも思わないそれだけど、今は嬉しさしかない。

 わたしの行為に興奮して汗ばむ程なのか、と。

 そこまでくると、いつも逆の立場である彼女が、わたしを組み敷いて攻めながら、嬉しそうに楽しそうにしている時があるけれど、こういう事だったのかと納得がいく。

 こちらがした行為で、声を零し、反応を返してくれるその姿が、たまらなく可愛いのだ。

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「……好きよ……雀ちゃん」

 耳朶に吸い付き、舐め、穴へと舌を差し込む。それでは飽き足らずに、わたしは雀ちゃんの首筋へと口付けた。
 ちろ、とそこを舐めると、気付いた事がひとつ。

 これ以上の自由な動きができない。
 なんせ、わたしは彼女の下になっているのだから。

 彼女の首を届く限りの舌先で舐めながら、悩む。

 どうしようか。わたしは、彼女みたいにムードを保ちながら体勢を変えるというスキルがない。こまった。
 荒い息を繰り返す彼女に、お願いしてもいいんだろうか? こういう場合は。

 悩みながら、わたしは彼女の後頭部から手を退けた。

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