隣恋Ⅲ~ブラジャーの日 後日談~ 13話


※ 隣恋Ⅲ~ブラジャーの日 後日談~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 頭でなく、心で。身体を。

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~ ブラジャーの日・後日談(2019年加筆修正版) 13 ~

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「ッん、ぁ……っ」

 カリ、と歯を立てた鎖骨。その反応は良い。
 雀ちゃんがわたしの肩に掛けた手は力の入らない様子で、それでも快感を遠ざけようと押し返してくる。

 力の入らない腕なんて、なんの障害にもならず、わたしは続けて浮き出る骨へ舌をねっとりと這わせてみた。

「く、ぁっ、待っ……て……!」

 彼女の口から漏れ出すその声はわたしに制止を掛けるどころか、煽っているのかと勘違いしそうな色気。
 ゾクンと腰の奥が痺れるような、重たい衝撃のような何かを感じたわたしは、鎖骨を一旦解放して、眩暈のしそうな視界に、瞬きを施した。

 唾液で濡れた肌へ息を吹きかけると、わたしの肩を掴む雀ちゃんの手がきゅっと服を握り込む。
 彼女と違って、上下のパジャマを身に着けているわたしは、恋人のいつにない可愛さに胸を鷲掴みされ、内心、身悶えた。

 ほんと、可愛い過ぎる。

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 どうしよう、ほんと、もう、なんか……めちゃくちゃにしちゃいたい。
 どこからともなく、凶悪な欲望が頭を擡げて、わたしの中に渦巻く。

 そして、突き動かされるよう、わたしは自分の体を退げながら背を丸め、彼女の胸に口付けた。

「あっ、ちょ……!」

 待ってって言ったのに。
 そんな声すら聞こえてきそうな雰囲気で雀ちゃんは、抵抗する。けど、その力は弱すぎて、やっぱり障害にならない。

「かわい。雀ちゃん」

 言葉と共に、彼女の胸の頂きを口に含んだ。

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「んんっ……!」

 ぱくりと咥えた先端は、既にすこしだけ固い。

 舌先を使って口の中で転がすと、肩に彼女の爪が食い込むけれど、気にならない。
 や、痛いのは痛いんだけど、なんていうか、雀ちゃんのくれる痛みすら気持ちいいというか……。

 たぶん、この状況にわたしも随分興奮していて、思考回路も痛覚もおかしくなっているんだと思う。

 空いている方の胸の頂きは、手を使って相手をしてあげる。
 指の腹でくにくにと撫でるように触っていると、こちらの先端もだんだんと固くなっていく。

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 ――あっという間ね。

 咥えている方は、もうすでに口の中でコリコリになっていて、可愛いくて仕方ない。

 与えられる快感に耐えきれず、嫌々をするように首を振る彼女。
 上目遣いで様子を窺えば、はた、と視線が絡んだ。

 涙ぐんで、切なげな表情。
 半開きの口からは甘くかわいい嬌声が漏れる。

 息を乱し、酸素を求めるその口が、わたしの名前を呼んだ。
 蚊の鳴くような、か細い声。

 けれどこれだけ密着していれば聞こえない訳もなく、わたしの背中をゾクリとしたものが這い上がる。

 腹の底からせりあがってくる感情に思わず歯を立ててしまった胸の先端。
 硬く、強い刺激を突然与えられた雀ちゃんの身体は、ビクンと全体が跳ねた。
 当然声も、甘いだけではない声音。

 ごめん、と言葉を告げる代わりに、犬が子供を毛繕いしてやるように、そこをひと撫でしておいた。

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 固さを増す彼女の胸の頂きを可愛がりながら、先程自身を襲ったあの寒気のような感覚を思い返す。

 彼女の表情。声。
 普段の雀ちゃんからはかけ離れたその姿。

 これを見ているのは自分だけ。
 そして、こんな姿にしたのはわたしなのだと自覚が頭を過ぎったその瞬間に、心臓はきゅうと掴まれて、つられたように下腹部までもが締まって、熱くなる。

 それでいて背骨に寄り添ってくるのは、高熱に苦しんでいる時の悪寒にも似たもの。

 ああもう堪らない。

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 先程の感覚をつぶさに思い返せば思い返すほど、身体は熱くなり、頭の芯は溶けて思考がうまく動かなくなっていく。
 ……て、いうか、ね。

 もう、ここまで来たのなら、何も考えなくていいんじゃないかしら。

 閃くように思いついたその事実。

 そう。

 もう、頭で考えなくても、心が求めるままに、彼女の身体を欲してしまえばいい、と。

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