隣恋Ⅲ~媚薬~ 6話


※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 どえす。

 …………ばか。

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 ~ 媚薬 6 ~

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「ぇ、ちょ……待っ」
「どうして待たなきゃいけないの?」

 にこ、と笑顔を見せられたけど、その炎が燃える瞳は一切、笑ってない。

「気持ちいい事、して欲しいんでしょ?」

 た、確かにそれはそうなんだけど……っ。

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 その表情で迫ってこられても怖いから待って、と口にしたかったけれど、出来なかった。
 雀ちゃんは右手で自分の体重を支える為にわたしの肩上あたりに手を突いて、反対の手でわたしの右胸へと伸ばした。服やブラジャーの有無関係なくその指はわたしの胸の頂きを的確に探し当てて、布の上から押すようにして存在を確かめてくる。

「ぁっ」

 つい、短く口から出た声。
 それまで舌にしか与えられなかった愛撫が、そこ以外に与えられた。しかも、性感帯の中でも敏感なところへ。

 媚薬の効果か、元々感じやすい為か。
 一瞬にして身体のスイッチが入る。

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 短い喘ぎに乱れた息をどうにかして整えようと試みるも、胸をカリカリとひっかくその刺激がそれを阻む。

「……はっ、ぁ……」

 舌を舐られていた時よりも自由を許された喘ぐ声。零れるように口から出たそれが自分の耳にも届いて、羞恥心をざわつかせる。
 雀ちゃんが嬉しそうで楽しそうな表情に変化していくのを見ていられないのと恥ずかしさで、わたしは下唇を噛んで横を向いた。

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 そんなわたしの反応に気をよくしたのか、彼女が笑む気配が上から降ってくる。それと同時に、胸全体を鷲掴みされて、きゅっと眉が寄る。

 痛みが走った訳ではない。
 それほどに強く掴まれてはいない。でもその乱暴にも感じる仕草に……。

「感じた?」

 図星を指されて、上気していた頬が更に熱くなる。
 言葉に詰まっているわたしを嗤うかのように、低く喉を鳴らす彼女。

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 横を向いたまま、唇を引き結んだわたしの耳元に、雀ちゃんが寄る気配がして吐息が触れる。
 熱いその息が耳と首を通り、ぞくと身体が反応する。

 い、いつもならこのくらいやり過ごせるのに……っ。

「ヤラシイ」

 わたしの考えなどお見通しなのか。言い当てるように雀ちゃんは低く囁く。

「意地悪されたり……激しくされたり……息かけられて……」

 耳の穴に真っ直ぐ落とし込んでくるその低い声。意地悪な色がついたその音声は、簡単に脳をくらくらさせる。

「悦んでるんだ?」

 言葉と共に、耳朶を噛まれた。
 服の上からされた胸と違って直接の刺激で、ピリと痛みが走る。やはり小さく声が漏れて、息を詰めた。

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 耳朶から歯が離れ、噛んだ痕を舌が撫でる。
 痛みと柔らかな感触のギャップに混乱するように快感が生じて、わたしは耐えるようにシーツをぎゅっと握る。

「耐えられない?」

 ねっとりと耳を舌で撫でた雀ちゃんが、その通りだということを知っていながら問い掛けてくる。
 声と共に吹き込まれた熱気を帯びた吐息。
 濡れた肌は敏感で、さっきから背筋がゾクゾクする。

 雀ちゃんが言う通り、……ホントに、耐えられない。

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「……もっ、……ゃっ」
「嫌? 止めてもいいけど、いいの?」

 口から零れた言葉をとりあげて、意地悪な言葉を返された。
 もしここで止めてと言ったら、本当に止めてくれるのだろうか。なんて疑問がさっと浮かぶけれど、止められてはこちらの身体のおさまりが利かない。

 だって、もう、見なくても、自分が濡れているのは分かるのだから。

 横を向けていた顔を戻し、加虐的な色を隠しもしない彼女の瞳を見上げた。

「……っおねがい、止め、ないで……」

 声が掠れたけど、多分、雀ちゃんには伝わった。

 だって。

 わたしにそのセリフを言わせられてご満悦なのか、唇の端を吊り上げるように笑みを浮かべた彼女の表情が、酷く愉しそうで、蕩けたものに変わったから。

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