※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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卑怯な方法でとりつけられた約束に従うわたしはやっぱり、ドがつくMなのかもしれない。
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~ 媚薬18 ~
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バクバクバクと心臓の音が速い。
速いだけでなくて、その音も大きくて、耳元に心臓があるみたいだった。
「あ、の……さ」
雀ちゃんの胡坐の上に、向かい合わせで座る状態では、どこを見ていいのか分からない。その上、脚を開いて彼女の体を挟むような体勢が不安定で、心許無い。
そんなわたしを愉しそうに目の前の悪魔が見てくるし。
「すっごい……恥ずかしいんだけど、この状態……」
「可愛いよ?」
可愛いとか可愛くないとか、そういう問題じゃなくて。
わたしは彷徨う視線を雀ちゃんのニヤついた顔にあてて睨む。
「うん。むしろ、可愛い」
……その愉しそうな顔、殴ってやりたい。
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わたしが脱がされたのはショーツだけで他の服は着ているから、開いた脚にはスカートが覆いかぶさっている。でも……スースーする。
恥ずかしさに口がヘの字になりながら、縋るように雀ちゃんの肩に手を掛ける。
彼女は服を一枚も脱いでいなくて、そのシャツをきゅうと掴むと、彼女の目元が柔らかくなった。
「おいで」
「……ん」
わたしの体を支えるように腰に添えてあった手が、背中へまわり引き寄せられる。
こういう時、恥ずかし気もなく微笑みながら「おいで」と甘い台詞を言う人はなかなかいない。
だからこそ、そういう事されるとほだされるんだけど。
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雀ちゃんの首に腕を回して、ぎゅっと抱き着く。
多分、心臓の速い音が彼女に届いてしまうだろうけれど、密着した温かな体温の前では「まぁ……いいか」なんて思ってしまう。
「あったかい。愛羽の体」
くっつくと雀ちゃんの体温が心地良いなんて思っていた所に、彼女がそんな事を言う。
ドキリと心臓が跳ねたと同時に、胸がくすぐったくなる。
同じ考えを同じタイミングで持ったことを照れ、それを覚られないように、わたしは少し体を離すと彼女の唇に自分のそれを押し当てた。
「ん」
と声を上げたのは雀ちゃんで、なんだか可愛いかった。
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わたしが押し当てた唇を啄む彼女の唇は柔らかい。いつまでも触れていたくなるようなその感触を味わっていると、うっすらとそれが開かれる気配。倣うようにこちらも開いた唇から舌を伸ばせば、ぬる、と触れ合う。
「……は……」
思わず漏れた吐息と声。それと同時に震えた背。
だって、手が。
雀ちゃんの手が、わたしの上衣の中へといつの間にか侵入して、羽で撫でるような手つきで背中を撫でているのだ。
寝転がっている状態では背中は守られていたけど、体を起こしてこんなにも早くに触れられるとは思わなかった。
先程の行為で汗ばんだままの肌。
背中の中心をつつぅ……と爪の先でなぞる手に意識をとられそうになる。けれどそれを遮り逸れそうになる意識を引き戻すように、彼女の声。
「愛羽、もっと舌、だして」
キスの合間に囁かれた要求。
呑む理由なんてないのに、舌を伸ばしてしまうのは何故か。
その訳も考え当てられないまま、わたしの舌を自分の口内へ招き入れる雀ちゃんの愛撫に、腰の奥がジンと震えた。
翻弄される、とは正にこのことなのかもしれない。
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一度達した身体は、スイッチが入りやすい。
先程の快感を呼び起こすようなぞわりとした感覚に、キスの隙間を縫うようにして喘ぐ声が漏れてゆく。
「ふ、ぁ……ん」
まるで背骨をなぞるような指は、触れるか触れないか程のタッチで甘くわたしを愛撫する。
基本的に骨の上の皮膚は他よりも薄く、敏感だ。彼女はそれを解っていて、そういう箇所を重点的に攻めてくる。
びく、と背中を反らせるような小さな痙攣でキスが離れれば、雀ちゃんが責めるような目つきをする。
「だ、だって……」
雀ちゃんが気持ち良いことするから……と言い訳のように告げて、こちらから口づけを再開する。
彼女の舌自体がまるで意思をもった生き物のようにうねり、わたしの舌に絡み、溶かそうとしているようだった。
ぬるぬるとした感触が甘く、いつの間にかわたしの腰は無意識に揺れ始めていた。
この後の行為を、期待するかのように。
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「はぁっ、……ふ、ぅ……あっ」
どれくらいキスをしていたのだろう。唇がふやける事象が起こり得るなら、もうとっくにそうなっているだろう。
どことなく充血しているようなぽってりとした唇を雀ちゃんが解放した頃には、わたしの蜜壺は新たな愛液を湛えて今にもポタリと垂らしてしまいそうだった。
そんな身体は脳に、彼女を欲しいと訴えて止まない。
霞がかかったような頭で、わたしは想いのまま呟く。
「……あつ、ぃ……雀ちゃん……」
「ぅん? あぁ、体、熱い?」
主語の無い呟きだけで察してくれた彼女へコクと小さく頷く。
そして縋った。
「おねがい……もう……指、欲しい」
彼女の胡坐の上に居ると、いつもの身長差とは逆で彼女を見下ろす形になる。
まっすぐに彼女の瞳を見つめたまま強請ると、その瞳は嬉しそうに弧を描いた。
「……やば……可愛い。愛羽」
チロ、と唾液のついた唇を舐めるその表情が、たまらなくセクシーで見ていられなくて、わたしは視線を泳がせた。
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目を逸らしたわたしに、
「今更、照れなくても」
なんて雀ちゃんが言うけれど、違う。照れているとかじゃなくて。
雀ちゃんは自分の色気に気付いていない節があって困る。
どれだけ自分がセクシーな行動や仕草をするのか、自覚するべきだ。
でないと翻弄されるこちらが大変じゃないか。
心の中だけで文句を言うけれど、いざ、彼女の手がスカートの中へと滑り込むと、快感への期待に思考が停止した。
わたしの顔を見た雀ちゃんは、笑みを含んだ声で言う。
「期待してる顔、可愛いよ」
「……っるさ」
い、と続けられなかったのは、彼女の指がそこへあてがわれたから。
濡れそぼった蜜壺の入り口へその指をあてながら、雀ちゃんはしたり顔。
「愛羽、濡れ過ぎ。ぬるぬるすぎて、指置いただけで入っちゃいそう」
言葉の意味を分からせる為か、入り口の愛液を指に擦り付けるように滑らせる。その動きだけで、子宮が締まるような感覚がナカで起きて、堪えるよう下唇を噛んだ。
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「気持ちいいんだ? これだけで」
見透かしている、その言葉。
「じゃあ、入れたらもっと、気持ちいいね?」
今日はやけに饒舌な舌を黙らせてやりたいけど、できない。
だって彼女の言う通りで、その指がわたしを貫けば絶対に気持ちいいことは分かりきっているし、一秒でも早くそうして欲しいのだ。
抵抗なんか、もう、出来る余裕が、ない。
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恥を忍んで、だ。
「おねがい」
ぬる、ぬる、と溢れた愛液に塗れながら入り口を撫であげる指。
摩擦の無いその動きに、どれほど自身の愛液が溢れているのかが分かる。
その、指。
「いれて……」
欲しいの。
焦らされる苦痛が今までで一番強い。
いつもより性急に求めてしまう自分が、自分ではないみたいだった。
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「愛羽……可愛いよ」
わたしが焦れた顔をするのが、そんなに可愛いのだろうか。
その疑問を口にしてしまいそうな程、今日は雀ちゃんがわたしを可愛いと言う。
謎だ。
「待たせてごめんね。いっぱい、気持ち良くしてあげる」
微笑むその顔と言葉は優しげ。だけど、その二つの瞳に燃え上がる炎が熱い。
「だから、もっと、脚開いて?」
「っ……」
声音は柔らかい。けれど、その紡がれた内容が炎に比例している。
「愛羽?」
「……ぅ……」
おずおずと、閉じるよう内側へ傾けていた脚から、力を抜く。
彼女の炎にあてられたかのように、顔が熱い。
でも、自身を包む羞恥心よりも、快感欲求の方が勝ってしまった。
わたしはゆっくりと自ら、脚を開いた。
「も……待てない……入れて」
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