隣恋Ⅲ~媚薬~ 16話


※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 脳へ直接響く音。
 下腹部から立つ音。
 両者が、わたしを犯していく。

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 ~ 媚薬 16 ~

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 顔を手で覆っていると、こちらの表情を覗かれることはない。そこは利点だけれど、同時に、相手の顔、状況がみえない弱点も出てくる。
 いつの間にそこまで顔が寄ったのか、わたしの耳のすぐ傍で、唇が触れてしまいそうな距離で、雀ちゃんは低く囁く。

「ずっと指、挿れて欲しそうだったもんね」

 それは貴女が焦らしに焦らすからだ、と言い返したかったけれど、耳の穴へ直接注ぎ込まれた低音の囁き声にぞわわと寒気に似た感覚が脳を覆って、声が出ない。
 追い打ちをかけるよう続け様に彼女は、わたしのナカへ埋め込んだ指で腹側の壁を押しながら、耳の穴へ舌を差し込んできた。

「ひ、ぁっ」

 熱いくらいの舌が穴へ入ってくると、ぐじゅと湿った音が脳へ響く。同時に、彼女の開いた口から漏れた呼気が纏わりつくように首筋を撫でては消える。

「ぅんんっ、や、ぁっ」

 自分の声なのに、コントロールが出来ない。
 いつもと何かが違う感覚が、わたしの精神をぐらぐらと揺さぶってきて、身体を走る快感に敏感に反応してしまう。

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 雀ちゃんの舌は耳の中で蠢き、ぐちぐちと湿った音をわざと立てる。鼓膜を震わせてくるその音と、熱い舌の感触に堪らず声を上げそうになって、顔を隠す為だった手で咄嗟に口を覆う。

「ふっ……く、ぅ」

 それでも漏れ出る声は止まらない。
 後押しするかのように、ナカの指がその経験から知り得たわたしの弱点を的確に押さえてくる。
 動く手に合わせて、下から水音が立ちのぼり、部屋に響く。
 そのとき、じゅぼ、とひっつくような音を残して、雀ちゃんの舌が引き抜かれた。

「ひっあ……ぅっ、んん……!」
「ねぇ、声、抑えられると、こっちは興奮するって分かってやってるの?」

 し、知る訳、ない。
 そう言い返したいのに、ナカの指が動きを大きくしてきて、それどころではなくなる。
 何かに縋りたくて、掴まりたくて、思わず、彼女の首へと腕を回した。

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「ンあ、っあぁ、待っ、て」
「待たない。こんなにナカはヒクヒクしてんだから、イきたいんでしょ?」

 見透かした言葉に核心を突かれ、自分でも分かるくらいに大きく一度、彼女の指を締め上げた。

「あぁ、ほら。身体がイきたいって言ってる」

 ニヤついた声がわたしを揶揄うように告げる。

「ナカ、すごい締まったよ?」
「ん、っ言わな、くていい……!」
「やだよ、愛羽、そう言われるの、好きでしょ? 指、放さなくなるし」

 言わなくていいって言ってるのに、この台詞。
 本当なら睨みつけて頭のひとつでも叩いてやりたいところ。でも、そんな余裕なんて皆無。

 彼女の首に回した腕でしがみ付いて、肩口に顔を埋めて、なんとか声を抑え気味にすることで精一杯。それもあまり意味を成していなくて、わたしの口からは熱い呼気と厭らしい声が溢れているけれど。

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 自分でも分かるくらい、ぎゅうぎゅうと彼女の指を締め付けている。
 だって、窮屈そうに指を折り曲げて腹側の壁を擦る雀ちゃんのそれが、気持ち良くて仕方ない。

 どうしてそこまで、わたしの気持ちいいポイントが分かるのか。
 疑問が浮かんだけれどすぐ泡のように快感の海へ消えていった。

「や、ぁっ……ひぅ、あっ、アッ」
「あぁ……可愛い……愛羽」

 雀ちゃんがどこか虚ろげにわたしの名前を呼んだ次の瞬間、わたしの身体を一際大きい快感が襲った。
 声も上げられないくらいのその気持ち良さに息を詰まらせて彼女に抱き着く。

 一体、どこまで、器用なのか。
 ナカに指を埋め込んだ状態で、空いている親指が蕾を擦り始めたのだ。

「ひ、あ、んんッ」

 大きく胸を上下させて、やっと出せるようになった喘ぎ声を零すけれど、そんなものでは身体を襲う快感を処理しきれない。
 ガクガクと無意識に震え始めた脚が、逃げるように勝手に曲がるけれど、雀ちゃんが体を使ってわたしの動きを押さえつけてくる。

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「やっ、やだやだっ、むり……っひぁ」
「駄目。ちゃんといっぱい気持ち良くなって?」
「んっ、やぁ、ぁッ、はな、して……っ」

 逃げたい。
 気持ちよすぎて、無理だ。駄目、頭、おかしくなる。

 逃れるために身体を捩るけれど、覆いかぶさる体がそれを阻む。
 そんな攻防すら不要とばかりに、雀ちゃんがナカの指をぐっと壁を押し上げるようあて、親指が蕾を押し潰した。

「~~~~っ!」

 大きすぎる快感に、声が、出ない。
 引き攣るような喉から、掠れる声すらも出ない。

「イッて、愛羽」

 その静かな空間に、彼女の低く甘美な声だけが落ちる。
 同時に、壁を押し上げていた指がさらにぐりりとソコを抉り、蕾は強く弾かれた。

 抵抗も出来ず、簡単に迎えさせられた絶頂。
 目の前は白く弾けて、雀ちゃんの指をもっと奥へ引き込むようナカがきゅうきゅうと締まり、身体が大きく痙攣した。

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 部屋に、わたしの荒い呼吸音とそれに混ざる微かな喘ぎ声だけが響く。
 酸欠にも似た状態で頭がぼぅっとして、身体が痺れている。腰の奥はジンジンと甘く痺れて、入り口はひくついているのが自分でも分かった。

「大丈夫?」

 柔らかな雀ちゃんの声に、はっとして彼女にしがみ付いていた腕の力を緩め、見上げる。
 こちらを見下ろす彼女の瞳には心配そうな色が浮かんでいて、さっきまでの攻め様はどこへやら。わたしは小さく笑うと頷いた。

「びっくりするくらい気持ちよかった」

 おどけるように言ってみせると、雀ちゃんは安心したように微笑んで、わたしの額にキスを落とした。

「汗だく」
「だって、雀ちゃんが放してくれないんだもん」
「まだ放さないけどね?」

 ………………え?

 ………………これで終わりじゃない、の……?

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