隣恋Ⅲ~媚薬~ 14話


※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 酷く愛しげな声音。
 けれどその紡がれた言葉の意味を理解した時、一瞬だけだけれど、頭の中から快感のかの字も無くなった。

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 ~ 媚薬 14 ~

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 ピタリと動きが止まったわたしの身体。
 それまではあまりの快感に膝がガクガクしていたのに、それすらぴたっと止まった。

 けれどそれも一瞬。束の間で、凶悪な顔の雀ちゃんの指がわたしの真っ赤に充血しきった蕾を撫であげると、腰が跳ねた。

「指、入れてあげない」
「な、んで……っ」

 追い打ちをかけるように雀ちゃんがもう一度、わたしの要求を拒んだ。
 もちろんわたしは不満を視線に込めてぶつけるけど、それすらも余裕の顔をして彼女はクスリと笑った。その間にも、雀ちゃんの指はわたしの蕾を捏ね回して、これでもかという程に愛液を擦り込んでいく。
 まるで肉料理の下ごしらえだ。くにゅ、くにゅ、と3本指であらゆる方向から押し潰され、揉み解され、より充血していく。

 でも、違う。そこが欲しいんじゃなくて。

「……い、れ……て」

 貴女の指。

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 何度となく身体を重ね、何度もわたしのナカへ入ったことのあるその指。
 今は蕾だけを構うけれど、その先へ進めてほしい。
 びくびくと快感に震える身体を堪えながら告げるも、雀ちゃんはニィと笑うばかり。
 ナカへ侵入する気配すらない彼女の指を捕まえて、自分で挿し込んでしまいたいくらい欲しいのに。
 普段なら、もう無理、と言っても抜いてくれないくせに。
 こんなに、貴女が欲しいのに。

 彼女が指を入れてくれない不平不満が頭をぐるぐると回り、それは視線と表情に伝染する。
 わたしを見た雀ちゃんが、ふは、と吹き出した。

「そんなに睨まないでよ」
「……っ、だっ……て……ん、ク……ぁ」

 笑う間も蕾をいじる指の動きが衰えない所は流石というかなんというか。
 それ程器用なら、蕾を弄りながら入れてくれてもいいのに。

 文句の途絶えない頭で考えていると、また雀ちゃんが笑う。そして笑いを引っ込めると、唇の端を意地悪く吊り上げながら蕾をきゅうぅと摘まむ。

「ひんっ……や、ぁっ」
「……あー……可愛い。そういうカオされるともっと苛めたくなるのが分かんない?」

 知らない。
 分かる訳ない。

 蕾に与えられた強い刺激と生じた快感に、いやいやするよう首を振ると、雀ちゃんが独りごちるよう呟いた。

「……エロい顔しずぎ……」

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 微かに耳に届いた独り言。
 そう思うならいっそ意地悪するような冷静さと理性を失ってめちゃくちゃにしてくれたらいいのに。
 そんな考えが浮かべば、口から零れ出る。

「だったら……っんぁ、ふ……入れてっ……」

 ふ、と笑った雀ちゃんの指が蕾から離れた。
 愛撫が止んだおかげで呼吸を整える間ができて、大きく胸を上下させる。そうしながら愛撫を止めた彼女を窺えば、なにか含んだような笑みを浮かべている。

「どこに、入れて欲しいの?」
「ば、ばかじゃないの……っ!」

 言わせたいのは解ってる。けれど、こちらの言えない気持ちも解ってほしい。

「言えない?」
「い、言える訳ないでしょ……っ、そ、そういうのはAVとかそういう世界だけよ……!」

 い、言わせて喜ぶ的な、それは現実世界ではないものだと勝手に思っているし、今まで付き合った人に同じように「言ってみろよ」と迫られたことはあるが、流石に、頑として言わなかった。

 蕾への愛撫が無ければ自身の嬌声に遮られる事もなく会話する事は容易だった。

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 わたしの反論にクツクツと愉しそうに笑うと、雀ちゃんは体を起こしてわたしの上に覆いかぶさるよう移動し、左手をわたしの肩上あたりに着いた。

「入れて欲しい?」
「さっきからそう言ってるで」

 しょ、と続けられなかったのは、雀ちゃんの指が蜜壺の入り口へあてがわれたから。
 口を噤んだわたしの瞳が、期待に揺れた。

「入れて、欲しい?」

 再度ゆっくりと問い掛けた雀ちゃんはやっぱり意地悪な顔をしているけれど、あてがわれた指がくぷくぷと入り口を軽く押さえるその感触に、期待が膨らんで思考が上手く働かなくなる。

 噤んだ口はフルフルとむずつき、快感の触りだけを中途半端に与えられただけでも、雀ちゃん曰く”いい声”を零してしまう。

「んっ……は、…ぁ、……ぃ、れて……」
「可愛い、愛羽」

 目を細める彼女が身を屈めて、顔を傾け近付けてくる。
 唇を重ねて、伸ばされた彼女の舌に自分のそれを絡めていると、雀ちゃんの右手が動いた。

「ん、ぅ」

 つぷ、と入り口を押して彼女の指が侵入する。本当は悲鳴をあげたいくらい身体が震えたけれど、口を塞がれた状態ではくぐもった声しか出せなかった。
 待ち侘びていた身体に与えられた指。そこから生まれた快感がビリビリと伝わり、耐えかねて雀ちゃんの服に縋る。
 皺になるとかも考えられない。力いっぱい掴むわたしの手はたぶん、白くなる程だろう。

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 雀ちゃんの舌がわたしの舌をぬるりと舐め上げて去っていく。
 唇同士が離れればそれを繋ぐ唾液の糸。ぷつりと切れてわたしの唇へ落ちた頃、雀ちゃんが浅めに挿し込んでいる指を揺らした。

「ねぇ、まだ、指、先っぽしか入ってないよ?」
「……ひ、ぁ……っぁ」

 解ってる。彼女の指が浅い所にあるというのは感覚的に覚っていた。でも、それだけでも、身体が震えるくらい気持ちいい。
 揶揄うように間近で微笑む雀ちゃんがわざと、浅い所で止めた指を揺らす。焦らしに焦らされ、溢れた愛液をかき混ぜるようなその行為に粘着質な水音がたつ。

「くちゅくちゅ言ってる、愛羽のここ」

 言わなくていいのに、そうやってわざと……!
 いつの間にか閉じてしまっていた瞼を押し上げ、睨むよう彼女を見上げた。

 その視線に応じるよう雀ちゃんの指がまた、動く。

「んンッ……や、ぁ……っ」
「これだけでそんな気持ちいいの? なら、奥まで、いらないね?」

 決めつけるように言うのは、わざとだ。
 さっきから、わざと、ばかり。
 今日はとことん、わたしを虐め抜きたいのだろうか。

 でも、奥までいらないとか、冗談じゃない。ここまで我慢してやっと入れてもらえた指。もっと深く、欲しい。こんなので止められたらたまらない。

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「や、だ……入れて……ぅんっ」
「でも、このままでも気持ちよさそうな声出てるよ?」

 腰も跳ねてるし、と雀ちゃん。
 そりゃあ欲しかった所に、浅いとはいえ指が入っているのだ、気持ち良くない訳がない。腰も跳ねる。でも。

 でも。

「やぁ……っ、もっと奥……っ」

 彼女の服を縋るように掴んでいた手で、さらにくぃと服を引っ張りながら強請る。

「奥? もっと深く、入れて欲しいの?」

 ゆらゆらと浅く揺れる指。
 わたしはコクコクと頷いて、また彼女の服を引いた。

 も……はやく……。

「いれ、て……っ」
「入れてあげてもいいけど、1つだけ後で言う事聞いてくれる?」
「きく……っ、から、入れ……てっ……んぁっ……」

 必死だった。
 それが罠とも知らず、わたしは彼女の条件を飲んだ。

「約束、だからね」

 ニィ、と笑う雀ちゃんの指が、壁をかき分けてズブリと最奥まで挿し込まれた。

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