※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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意地悪なその瞳が弧を描くと、わたしの口からは吐息と共に嬌声が零れた。
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~ 媚薬 13 ~
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わたしを見上げる瞳はまさに意地悪と言わんばかりの光をキラと放つ。
そしてその瞳の主は、わたしの下腹部へ伸ばした指先で、蕾をくるくると撫で回してくる。
それも、強すぎず、弱すぎずの愛撫。
快感が弱ければわたしの表情は変わらないし、逆に強ければこうして会話でわたしを揶揄うことは出来なくなる。
「い、虐めたくなるって……」
た、確かに自分がマゾな気質はあるかもとさっき思ったけど……。て、そうじゃない。
そうじゃなくて、わたしが欲しいのは……待ち侘びるようにさっきからヒクヒクと蠢いているナカ。
そこに……与えて欲しいのに。
「あれ、そんなふうに言うと意地悪、期待しちゃう?」
雀ちゃんは、わたしの愛液を掬い上げた指で蕾を濡らして、ぬりゅ、と指を滑らせる。
「ふ……ぁ、……ちっ、違……期待なんか」
揶揄う彼女の顔がさらに笑みを濃くする。手の平で転がされてまんまと雀ちゃんが喜ぶような反応を返してしまうのはもうこの際仕方がない。
顔が赤いと笑われても、仕方がない。
それよりもとりあえず……。
「ちょ……手、止めて……」
そろそろ、声を我慢できなくなる。
わたしは制止の言葉をなんとか告げながら、会話している間も休む事なく蠢いている彼女の手を上から抑えた。
も……そこはいいから、指……ナカに。
「なんで? もっと舐めて欲しいってさっき言ってたし。喋ってる間は舐めてあげられないから、ね?」
だからこうしているのだ、と言う代わりに、雀ちゃんの指が蕾を下から上へゆっくりと数回撫で上げた。その動きはまるで舌のようで、先程の行為を彷彿とさせる。
で、でも違うのだ。もう、わたしが欲しいものは次の段階へ移行していて、じゅくじゅくと膣を潤している愛液もそれを物語る。
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「はぁ……ぅ」
ゆっくりとイヤラシイ動きで蕾を舐めあげるよう撫でる指。
蕾への愛撫はもういいからナカに指を入れてと思うけれど、ソコを刺激されてしまえばそれはそれで気持ち良くて翻弄されるように口からは意図せず声が漏れていく。
「ねぇ、愛羽。気持ちいい?」
自分がどんなに蕩けた表情をしているのか、分かっているつもりだ。
だって……さっきから、気持ち良すぎる。
こくこくと頷く。わたしにしては素直なその行為には、「だからもう指を入れてほしい」とメッセージを込めたつもりだった。
でも。
「じゃあ、このままずっと弄っててあげる」
意地の悪いカオをする彼女はそう告げた。
……言葉の無いメッセージでは何も伝わらないようだ。
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「え、ちょ、待っ」
彼女の言葉に驚く。
このままずっと……って。むり、というかヤダ。これがずっと続くとか、それは先に進まないということで、先に進めて欲しいわたしとしては地獄も同然。
「だって、気持ちいーんでしょ?」
にんまり。笑う彼女は蕾をくりくりと指を回して押すようにして弄ってくる。
ああもう、この顔、この言い方、この目。
指を欲しがっている事は百も承知で、彼女が蕾への愛撫を続けていると改めて覚る。
「すずめ、ちゃ……っんンッ」
充血しきった蕾を濡れた指がぬるぬる這いまわる。舌に似た……でも異なるその感触に腰の奥がゾクゾクと悲鳴を上げる。
息が詰まって、苦しくて、呼吸しない訳にもいかなくて、吐き出す呼気が震える。
「んん、や……っぅん」
「いい声。もっと聞きたい」
蕩けきった声を聞き悦に入る雀ちゃんは容赦がない。緩急をつけて、強弱をつけて、どこで覚えてきたのかと思うくらい器用にわたしの身体に快感を蓄積させて、かと言って、蕾だけでイかせてくれる訳でもない。
見なくても分かるくらいに自分の入り口がひくついてくる。
蜜壺からシーツに垂れてしまいそうなくらい愛液が溢れているのも、肌を伝う感覚で分かる。
……もう……や……欲しくて……頭おかしくなる……っ。
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こっちは声を聞かせてあげたいのではなくて、ナカに入れて欲しいのだ。
潤んだ視界で彼女を捉えて、訴えるように見つめても、返ってくるのは意地悪に催促を混ぜた視線だけ。
「……はっ、ぁ、んんっ。も、むり……っ」
頭を振って限界だと告げてみても、雀ちゃんは舌なめずりしながら、指で蕾を挟んでこちらを見るだけ。
「おね、が……ぃ」
はっきり言えと、雀ちゃんの顔に書いてある。
もう、分かりきっている癖に。
蕾に与えられる快感だけで、膝ががくがくと震えて、腰の奥が悲痛なくらい欲しがっている。
こんなにも濡れて、こんなにも待ち侘びて、訴えているのに。
言わせないと、気が済まないらしい。
こうなると雀ちゃんはわたしが言う事を聞くまで譲ってくれない。普段はわたしの言うことに従う癖にこういう所だけ、何故だか頑固。
……仕方がない。
「ん、……は……雀ちゃ、んの指……入れ……て」
懇願、と表現するのが一番しっくりくる声。自分でも驚くくらいの弱くて縋る声音だった。
欲しくて、欲しくて、身体は限界だったし、頭の中もこの後に侵入してくるあの指からの快感の事しか考えられなくなっていた。
わたしの視界で、にぃと凶悪な笑みを顔に浮かべた大好きなひとは、縋るわたしに、こう言った。
「駄目」
と。
酷く愛しげな声音で、そう言った。
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