※ 隣恋Ⅲ~媚薬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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這う舌が熱いのか、自分の身体が熱いのか。
ぐちゃぐちゃで、どろどろで。
分からなくなる。
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~ 媚薬 12 ~
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蕾は敏感な性感帯。
それは誰もが知る事で、わたしと身体を重ねた経験の多い雀ちゃんならば、なおさらの知っていることだ。
だからなのだろうか。
雀ちゃんが、そこを舐めてくれない。
ゆっくりと舌が這うのはひだの辺り。皮膚なのか粘膜なのかの境目辺りを下から上へと何度も何度も。
熱い舌がじりじりと這い上がっていくのは気持ちいいのだけれど、もうすぐで蕾、というときにすっと離れてしまうのはかなり、じれったい。
「んぅ」
甘えた子犬のような声をあげて、もどかしさを表現するも無駄。
もうすぐ蕾という位置に舌が来た時に自分で腰を揺らして蕾に触れてもらおうとしても、避けられた。
ああもう……じれったい。
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「す、ずめちゃん……」
「なに?」
笑みを含んだその問い返しに、胸中で文句を返す。分かってるくせに、と。
スカートの中にいてくぐもった声を聞かせてくる雀ちゃんから目が離せないでいる自分も悔しいけど、今一番の問題はこのじれったさ。
縋るように彼女の手に手を重ねると、握り返してくれながら、この台詞。
「どうして欲しいのか、ちゃんと言わなきゃ分からない」
そう言った後も、わたしにじれったさを蓄積する愛撫を怠らない雀ちゃんを、やはりわたしは睨みつけた。
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それでもやはり、主導権を握っているのは雀ちゃんで、いいようにされてしまう訳で。
積み上げられてゆくじれったさに耐えかね、
「んぁ……もっと、ちゃんと……舐め、て……」
と、言わされてしまった。
せめてもの救いは、彼女がこちらの顔を見上げてくることはなかった点くらいなものだ。
どうしてこんな恥ずかしい事をお願いしなければいけないのかと彼女を恨みそうになるけど、言ったあとのご褒美があると、良い様にほだされてしまうのが悔しい。
「いい子」
言葉少なくわたしを褒めた雀ちゃんの舌がついに蕾に伸ばされてゆく。
待ちわびていた蕾は赤く腫れるように充血して敏感で、熱い舌がぴとりと当てられただけでわたしの腰は跳ねた。
「ん……!」
その反応に気を良くしたのか、舌を押し当てたままぐりぐりと先端を蠢かせる雀ちゃんにより、あっけなくあられもない声を上げ、腰をくねらせる。
その快感の強さに頭のどこかで、彼女に強請ってよかったと思ってしまう自分が居て、洗脳とはこうして成されるものかと体感する。
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上半身を少し斜めにして、雀ちゃんの様子を眺めたままどれくらい経っただろう。
わたしの敏感な場所を何度、彼女の舌が撫でただろう。
「ひぁ…んっ」
わたしはどれだけ、甘えた声をあげただろう。
いつまで経っても、どれだけしても。飽きるとか、快感が絶えるとか、全く無いのではないかと錯覚しそうになるくらい、頭がクラクラした。
呼吸はもう正常ではなく、詰まったり、強く吐いたり、引きつるよう喉奥へ引き込んだり、忙しい。
目尻には涙がいくつ流れたか分からないし、もう、何もかもわからない。
ただ、理解できるのは気持ちいいということだけ。
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じゅん、とまた溢れた。
熱いものが自分の中から零れ出る時の感覚は、なんともいえないものがある。
寒気が走るような、むずがゆいような感じを堪えようとすると、入り口がきゅうと締まるらしい。
「あぁ、また締まった」
指も入れていないくせに、なんで分かるの。
スカートの中のくぐもった声に胸中で恥ずかしさの篭った文句を言う。
「舐められて気持ち良い癖に、もっと欲しいの?」
ヤラシイね、と続けて言う雀ちゃんの言葉に、言い返したいけど、すぐさまに彼女の舌が蕾へと伸ばされて、小刻みに震わされた。
「ヤッ……んんっ」
蕾を弾かれると、腰を捩りたくなるような快感。それでも、いつの間に回されたのかも分からない彼女の腕がガッシリとわたしの身体をホールドしていて、動くことを許してくれない。
燻るような快感が腰の奥へとまた蓄積され、目尻から涙がこぼれた。
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ま……ずい……もう、頭オカシクなりそ……。
どこかに薄っすらと残っていた正常な思考が、今にも崩れそうだと告げてくる。
それはなぜか。
雀ちゃんが欲しいものをくれないからだ。
欲しくて欲しくて、気が狂いそう。
「ね、ぇ……!」
「なに?」
ああもう、その、待ってました感が凄い返事やだ……!
分かっててやってる……!
今日はやけに意地悪な、スカートの向こうにいる雀ちゃんを、睨む。
その鋭い視線を感じたのか、彼女はのそりと顔を覗かせた。
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「何」
短い言葉。でも、笑みは十二分に含んでいて、憎らしい。
こちらを見遣って話をしようという体勢でも、指先で蕾を摘まんだり弾いたり、捻り潰したり、撫でたり。わたしを休ませる気なんてさらさら無いらしい。
「い、っん、く……意地悪、しない、でっ……!」
喋ろうとしても、喘ぎ声が混じってしまう。
それが滑稽なのは理解している。雀ちゃんの笑みを濃くする原因なのも、理解している。
でも、彼女の愛撫に身体は跳ねるし、声は甘くなる。
「意地悪って?」
にやと笑って問い返す彼女の顔がまさに意地悪だ。
とも言えず、睨みつける。
するとやはり、意地悪としか形容し難い表情で彼女は言うのだ。
「そういうカオされると、余計、苛めたくなるんだよね」
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