※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 湯冷めた頃に 18 ~
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赤い舌が覗いて、ゆっくりと伸ばされる。
その行先は、彼女自身の右手の指。
「待って……っ」
わたしの言葉は、聞き入れられなかった。
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指の側面を垂れ下がってゆく滴を受け止めたのは、その赤く柔らかそうな舌だった。いや、柔らかそう、ではなく実際は柔らかい。あの舌に舌を絡められたり、身体を舐められたら、それは形を自在に変えてこちらにぴったりと密着するくらい、柔らかい。
それを身をもって体験したし柔らかさは記憶に身体に、刻まれている。だからわたしがその記憶を呼び起こして身体を熱くしてもおかしくないんだけど、そんなふうに記憶に向き合っている暇はなくて、今現在目の前で起きている事件に向き合う方が先決で重要なのである。
だって、雀ちゃんがわたしのアソコから掬った愛液を、見せつけるようにして舐めているんだもの。
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今まで何度も身体を重ねてきたし、口で気持ち良くしてもらったことは多々あった。
その際、愛液は自然と舌に触れるものだと、その点は容認というか当然のことだという認識はあった。
だけどこうしてわざわざ指にとり、見せつけるように舐めるだなんて。しかも、こんな明るい場所で。
血が沸騰したのかと思うくらい身体は熱くなるし、その熱は顔や耳、首まで真っ赤に染め上げた。毛穴が全て開いたかと思うくらい、みょうな汗をじっとりかく。
彼女の行為を止めなければ、と思い立ったのは、舌が滴を掬い取り、その垂れた軌跡を舐め上げた頃。
「雀ちゃん……!」
咎めるというよりは、慌てた声音だった。我ながら、目の前の光景に随分焦っているみたいだ。
彼女の肩に触れさせていた手で、雀ちゃんの右手を奪い取ろうとしても、ひょいと避けられ、あろうことか、ぱくんと口に含まれてしまった。
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「なっ、なんでそんなこと……っ」
恥ずかしくて、頭から湯気が出そうだ。
ちゅぷ、とご丁寧に音まで立てて指を口から引き抜いて、雀ちゃんは涼しい顔をする。
「だっておいしいよ?」
「美味しくないっ!」
「まぁ半分はおいしいからって理由で、もう半分は愛羽さんを恥ずかしがらせたいからって理由だから、目的は十分すぎるくらいに果たせたかな」
淀みなくこちらの質問に答えた雀ちゃんは、意地悪な瞳でにこりとして、舐め終えた指を性懲りもなくわたしのソコへと伸ばす。
流石に恥ずかしさの限界で膝を閉じようとすると、笑んでいた瞳が鋭く姿を変えた。
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「誰に許してもらって、閉じようとしてんの?」
低くて凄みのある声に動きを止めた。反射的にそうしてる間に、するりと手が滑り込んできて、また茂みを撫でる。
恥ずかしさが極限であっても、身体はやはり反応してしまうもので、ひく、と腰をわずかに引いた。
「だっ、て……」
「だってじゃないよ。動いちゃ駄目。罰としてちゃんと見てて」
拒否することを許されない声音で、言い置かれ、ソコに吐息を感じた瞬間には、雀ちゃんの身体が脚の間に滑り込んでいた。
鼻先で茂みをかき分けて、伸ばされた赤い舌が蕾を捉える。
「アッ」
急すぎる。
そう思っている間にも、短く声をあげたわたしの腰には、雀ちゃんの左腕が回されて、逃げられないよう押さえられた。
そして右手は花弁を開いて、舌を受け入れやすい状態にされる。
迷いのないその素早い手に翻弄されながらも、わたしはなんとか、彼女の頭に手をやった。
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どうも、さっきから、今日のわたしの身体のコンディションは感じ過ぎなのではないか、と思う。
茂みに触れられただけで腰を引いてしまいたくなっていたし、先程も、蕾に触れられただけで身体に電気が走った。
そんな状態の身体を、こうも性急に攻められると、絶対にすぐ達してしまう自信がある。
――だから…っ、ちょっとだけでも、休憩を……っ
なんていうわたしの思いも空しく、蕾を捉えた舌が蠢き始めた。
「ン、ぁっ……ぁあっ」
木霊するわたしの声が、自らの耳にも飛び込んできて、わたしはぎゅっと目を閉じた。
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雀ちゃんの舌が今どこに触れているのかは、見ていなくてもその舌の熱で形まで再現できそうなほど、クリアに解る。
その舌が、わたしの蕾からスッと引いて、熱が消えた。
短く浅い呼吸を整える一方で、薄く目を開いて、どうかしたのかと雀ちゃんを窺えば、目が合った。
「お仕置きって言ったでしょ? ちゃんと見てて」
わざわざ、舌と手の動きを止めてまで言いたかった事が、それらしい。
今日の雀ちゃんはどうも、意地悪度がいつもよりも高い。お酒を飲むと人が変わる人種でもないと今までの付き合いで思っていたけれど、それは違った認識だったのだろうか。
「そう。そのまま、舐められてる所、見てて」
また、その、甘くて脳が蕩けそうな声。そんな声で誘われると、従ってしまいたくなる自分のMさ加減に溜め息を吐きたくなる。
雀ちゃんは満足そうに頷くと、再び、わたしのソコへと顔を埋めた。
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