隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ 103話


※ 隣恋Ⅲ~湯にのぼせて~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 この時がもっと続けばいいのに。

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 ~ 湯にのぼせて 103 ~

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 愛羽さんの切羽詰まった声を聞きながら、そろそろ絶頂を迎えるのだろうと察知する。
 喘ぐ声には理性が少ないし、余裕はない。ナカへ挿れた指も、先程から三本はきつすぎたかなと思うほどにきゅうきゅう締め付けてくる。

「アぁッ、だめッ」

 切なさを帯びた必死な声で、そんな事を言わないでほしい。痛いくらいに速い心臓の鼓動がさらに速くなろうとしてしまう。

 心臓、壊れそう。

 胸の中だけで呟いて、熱いくらいの愛羽さんのナカを私はかき回した。

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「雀、ちゃ…んっ、やぁッ、いっちゃいそ……ッ」

 もうすぐだと愛羽さんが切なげな、快感に蕩けた表情で言う。その事実を裏付けるように、しがみつく力が無意識に強くなってきている。

「もっとこうして愛羽さんの可愛い姿見ていたいからイッちゃ駄目って言いたいんですけど……そんなこと言ったら可哀想だから止めておきますね」

 苛めたい。もっと、彼女を喘がせたい。狂わせたい。
 そのわずかに残っている理性も吹き飛ぶくらいに、じらして、かきまわして、彼女を芯まで蕩けさせたい。

 でも、私の下にいる愛羽さんは、自分がどれ程の力で爪を立てているのか分かっていないくらい、快感に翻弄されている。
 そんなひとに、”イッちゃ駄目”だなんて、言いたくても言えない。

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「イッて、愛羽さん」

 自分でも驚くくらいに、低く掠れたそれは、愛羽さんの嬌声にかき消されずにちゃんと彼女の耳に届いただろうか。

「ぅ、ンンッ、あっ…ヤ……イク、イッちゃう…ァアアッ」

 多分、届いていたのだろう。我慢の限界を超えたように、愛羽さんの身体がビクンと大きく痙攣した。
 砂糖よりも蜂蜜よりも甘い愛羽さんの最後の嬌声に、心臓が握り潰されて、脳がビリビリと痺れた。

 ナカの壁がうねりながら指に絡みつき、大きく波打つように収縮する。まるで奥へ引き込むようなその動きに誘われたように私の背中を悪寒にも似た衝動が走り抜けて、体中の肌が粟立った。

 快感の波が収まらないのか、愛羽さんは何度も身体をびくつかせて、息を詰めていたけれど、呼吸を止めておくのも限界だったのか、強く吐息を零した。
 その呼吸は震えているし、両脚も同じようにふるふると震えている。

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 どのくらい経っただろうか。

「大丈夫、ですか?」

 声をかけると、快感のせいでぼんやりとしていた愛羽さんの瞳に光が戻ってきた。

「だ、いじょ……ぶ」

 息切れした返答に、私は苦笑して、彼女の額に張り付く前髪を指先で横へ流した。

「あんまり大丈夫ではなさそうですけど」

 もうしばらくこのままでいましょう。と呼吸を整えている彼女に微笑んだ。

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 それからしばらくして。

「指、抜きますよ?」
「ん」

 呼吸を整えた愛羽さんの短い返事に頷いて、私はそろりと温かなそこから指を引き抜いた。
 できるだけ優しく、ゆっくりと引き抜いたつもりだったけれど、愛羽さんは何かを耐えるように下唇を噛んで、眉を寄せた。

「……ッン、ぅ」

 愛羽さんに色気が尽きる事はないのだろう。一瞬にして彼女から溢れ出た色香に若干赤面しながら、完全に抜いた三本指を擦り合わせると、やはり予想通りにぬるりと滑る。

「あんまりヤラシイ声だされると、ドキドキしちゃいます」

 赤面の照れ隠しに、そんなことを言いながら、私は彼女の上から退いて、ティッシュボックスに手を伸ばした。

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