※ 隣恋Ⅲ~待ち合わせは企みの香り~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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大好きな人の声は、甘く響く。
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~ 待ち合わせは企みの香り 14 完 ~
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二本から三本に増えただけ。
いやしかし、”だけ”と言ってはならない。
そう思わせる反応を、目の前のこのひとはしているんだ。
三本の指の長さはそれぞれ違う。長い指から順番に侵入するかたちになる。
だから、挿れる時の圧迫感は徐々に増えていくはず。
三本が入り始めた、と言えるのは第一関節が入口を越えた頃だろう。
「ふ、あ……っ」
思わず、という様子の愛羽さんが可愛い声を零しながら、浮かせていた手を添えてきた。
それはきっと催促ではなく、強いて言うならば縋ったのだろう。
一本増えた”だけ”で、あまりにも異物感が大きかったから。
私は彼女の声に苦悶が無い事を確認しながら、更に指を押し進めてゆく。
第一関節を越え、侵入が第二関節へ辿り着く頃には両サイドの二本は中指に重なるよう寄り合った。
入口が狭く感じる。
きっと、私以上に、愛羽さんはそれを感じ取っていると思う。
「ンん、ん……ッ……」
やはり圧迫感からか、彼女が今までよりも、一際強い反応を見せた。
声は上擦り、先程私の手を奥へ引き込もうとした細指は、今となっては爪を立てている状態だ。
綺麗に整えられたその爪からの痛み。
短く切りそろえていようがそれは痛いはずなのに、なんだか甘く感じている私は……随分、愛羽さんに魅了されているらしい。
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「ゃっ……あ! ァアッ」
甘くて、切ない彼女の声が切羽詰まった色合いを帯びてきた。
前戯の愛撫ではほぼ感じられないこの切迫感。逃げていようが、追い込まれ、ジリジリと詰められる。
容赦もなく注ぎ込まれる快感刺激のせいで、愛羽さんの理性が、脳が、熔けて減っていくのが、手に取るように理解できた。
「ぅ、く……ァあ……ッ」
――もっと聞きたい。
自分勝手な欲に従い、私は遠慮を少し、捨てた。
締め付けは未だきつい。きっとまだ三本に慣れていないだろうに、私は指を動かし始める。
「アッ……ア……っ」
ナカの蠢きを感じ取ったのか、愛羽さんがきつく閉じていた瞼を開け、こちらを見遣ってきた。
潤み、水の膜を薄く張った瞳と視線が重なるだけで、私の胸はどうしようもないくらいに、かき乱される。
こんな状況でも、いやこんな状況だからこそ可愛いとは当然思うのだが、それ以上に、なにかの感情が込み上げ、渦巻く胸。私自身の胸であり、感情であるはずなのに、何がどう働いているのか、把握しきれていない。
まるで翻弄されるよう、熱い感情を持て余した挙句、愛羽さんにぶつける。
彼女の目が、「まだ待ってほしい」と訴えているのは察せるのに、それでも。
私は口元に笑みを乗せ、ぐちゅりと音を立てながら、彼女のナカを刺激し始めた。
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「ひぁっ!? あ、アアッ……ゃっ、あっ」
どこが弱いかなんて、とっくに把握している。
けれどそれは、いつも2本の指で快感を与えるときの経験と記憶で、だ。
今日は……珍しいことに、もう一本指が追加されていて、触れられる箇所が増えた。
ということは、つまり、与えられる快感が増えたのだ。
今、この部屋に鏡があったとしても、見たくない。
目の前で喘ぐ彼女を見つめ、攻める手は休めない。
私の表情はたぶん、とても意地悪で、恍惚としているだろうから。
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細い指が、シーツ掴んでいる。
きつくきつく握り締める手の甲には筋が浮き、その力みの必死さを物語っていた。
「んンぅ……っ、は、っぁ、すずめ、ちゃ……」
「どうしたんです?」
息も絶え絶えの様子で、与えられる快感に翻弄され続けていた愛羽さんが私を呼ぶ。
どうしたも何もないだろう。彼女が云いたいことは大体予想がつく。
もっとゆっくりとか。
少し休憩させてとか、そのあたりだろう。
だけど私はまだ、意地悪を続ける。
喋る余裕など与えてやらない。
もう、私からの快感で、狂ってしまえばいい。
そんな狂気を抱いたまま、私は三本指でナカを刺激し続けた。
彼女の白い肌が火照って、赤みを帯びている。
頬だけではない。
耳も、首も。胸元までも赤みを含む肌が魅力的で、ナカで蠢かせる指へ活力が漲る。
「やっ、やぁっ……すずめ、ちゃ……はぅっ、あぁ!」
待ってくれ、と私の手を押さえようとしてくる彼女が、可愛すぎる。
先程は爪を立てていた指だが、一旦外れ、自身の太腿をきつく握ったり、爪を立てていた。
その指はへその下ほど。つまり私の指が侵入している真上あたりを引っ掻くよう押さえていたけれど、ついに、私の手に戻ってきて、”待って”と云っているのだ。
悶える様子が堪らなく可愛いし、より、加虐心をそそる。
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「待ってほしいですか?」
「……はっ、あ! んんっ」
喋る事もままならない愛羽さんが小刻みに、首を上下に振る。
その必死な様を目にすることでも私の充足感は増し、胸の熱がより強く疼くのだ。
――可愛い。
もっと……欲しくなる。
だからこそ。
「待たない」
意地悪極まりない言葉を浴びせると同時に、私は身を屈め、ぷっくりと膨らみ自身を主張する蕾へ舌を伸ばした。
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一際、高い嬌声が、部屋に響く。
その震えている声も、大好きで。
もっと聞きたくて。
もっと、快感に支配されてほしくて。
舌の先を尖らせて蕾を上下に弾いてみたり。
今度は脱力して、腑抜けた弾力しかない舌で左右にさすってみたり。
たっぷりと唾液を塗りつけた蕾を中心に周囲を何十回も撫で回してみたり。
頭上から聞こえてくる嬌声から正気が失われてゆく様が愉しい。
もっと、もっと。
私の愛撫で、狂うほどに感じて、気持ち良くなって欲しい。
きっとこれを愛羽さんが聞けば「もうなってるから!」と真っ赤な顔で言ってくれるかもしれないが……現実そういった言葉はもらっていないから、と胸中に言い訳を置いて、吸い付いていた蕾から唇を離した。
頭の両横では、愛羽さんの太腿がカクカクと震えている。
まぁ、震えているのは脚だけでなく、手も指も声もなんだけど。
それでももっともっと気持ち良くなって欲しくて、彼女の愛液を親指で掬い取り、蕾に擦り付ける。
「んんっ……!」
敏感な蕾だ。
潤滑油をたっぷり纏った指の刺激だけでも、彼女の腰は跳ね、堪え切れなかった嬌声が耳に届く。
「愛羽さん……可愛い……」
たまらず独り言のように呟いて、私はてらりと光る蕾に舌をあてた。
彼女の愛液がそこにあるだけで、先程よりいっそう、舌遣いに熱が入る。
――ぁぁぁ……ぬるぬる。
自身の舌が唾液で濡れていても、対象がどのような状態なのか、それがキャッチできる舌の感覚器官能力は素晴らしい。
私は塗り延ばすように愛液をゆっくり、ゆっくり舌の先で扱った。
「や……あ……ぁあ……っ」
トーンがぐんとあがった声音。それはもしかすると、絶頂の足音が聞こえてきたからなのかもしれない。
そんな予感は過ったものの、私は愛撫を止めることも、抑えることも出来ず、彼女の蕾を可愛がった。
なにせ、舌が触れれば触れるほどに指を締め付けてくれる愛羽さんが、可愛くて仕方がなかったからだ。
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指の締め付けには否応なく、また自覚もなく、口角があがった。
きっとこの顔を愛羽さんに目撃されていたならば、「鬼」か「悪魔」と人外を指す言葉を浴びせられていただろう。
そんな事を考えながらも私は指の先で最奥をじっくりと押し撫でつつ、尖らせた舌で蕾の周りをくるくると舐めた。
蕾自体が敏感なのは当然。だが、周りも、やはり性感帯に近いだけのことはあるのだ。
「やっ、あぁあ……っ」
いやいやをするよう彼女が頭を振り、私に縋って頭に手を回した。
無意識に髪を握ったり、掻き回している彼女の仕草が、限界が近いと知らせてくれたけれど、私はお構いなしに、その膨張した赤い蕾をチロチロと撫で回す。
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――こういうの、好きだよな。
胸中で呟くその動きは、舌の先を震わせるようにしながら細かく刺激する舌遣いのこと。
流石に電動のおもちゃほどの速さは無いけれど私の舌が細かく動けば、愛羽さんの声がより、切羽詰まったものに変化した。
「んっ、んンン……っ! だめ……!」
彼女の言葉は本当らしい。
「それっ……ゃっ……だめ……ぇ、……っ」
――駄目って言われるともっとしてあげたくなるのに。
ナカはぎゅうぎゅう私の指をこれまでにないくらい締め付けてくるし、その指から伝って手の甲を流れる愛液の量は増した。
きっと、ナカが収縮しているぶん、押し出される愛液は増すのだろう。
それでも構わず――否、そんな愛羽さんに興奮が増したからこそ、私はより一層、彼女の感じるポイントに指を押し当てた。
そしてそのままクックと指の関節を曲げて内壁を刺激すれば、呼応するように愛羽さんの声は上擦る。
「やっ、ぁっ! ……だめ、だめだめっ、気持ちよすぎるからっ……」
――気持ち良すぎるなら、もっとしてあげないと。
切羽詰まった嬌声。
締まるナカ。
本当に、もう、彼女が達する瞬間は近い。
「だめっ、んんっダメ! ……ぁっァッ、……イク……ッ!!」
大きな痙攣で私の舌は蕾から強制的に剥がされた。
その一度の痙攣で終わることはなく、続けざまに身体が跳ね、ナカが収縮する。
私の指が吸い込まれるように締め付けられて、充足感と好きの気持ちで私の胸がぎゅうっとなった。
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愛羽さんは息も出来ないくらいに、達した時の快感が大きかったのだろう。
呼吸を詰まらせながら、身体を幾度も跳ねさせ、完全に落ち着くまでには3分くらいかかったのではないかと思う。
まぁ、体感時間だから、本当はどうだったのか分からないけど。
愛羽さんの様子をずっと眺めながら、私はうっとりと甘美な余韻を味わい過ごした。
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ようやく落ち着いた頃、ちら、と愛羽さんがこちらを見て、目が合った。
「……」
途端、口を引き結んで、くしゃくしゃになったシーツを横から引っ張ってきて、顔まで隠す愛羽さん。
――か、可愛い。
なんだその反応。可愛いぞ。
照れてるけど……。
まぁ、黙っているのもなんなので、最中からずっと溜め込んでいた想いを伝えてみる。
「大好きですよ、愛羽さん」
「わたしも大好きだけど……!」
隠された顔が見たい。
片手だけ伸ばして、彼女が引き上げたシーツを外してやろうと試みる。が、どうも全力で抵抗している愛羽さんからシーツを奪うのは不可能みたいだ。
なにせ、私の片手はまだ、彼女のナカに入ったままだし。
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「顔、見せてくれないんですか?」
彼女の可愛さに目元……いや顔全部を緩くしながら尋ねるも、愛羽さんは叫ぶ。
「それより指抜いてよ……っ」
「ええ……?」
まだナカに居たいのに。
「ええ……じゃないわよ残念そうにしないで……っ」
バサリとシーツを跳ね除け、彼女は抜いてと騒ぐ。
まったく。回復したのはいいことだけど、もう少し大人しく、甘い雰囲気を味わえないものか。
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色んな意味で私がまだ残念そうな顔をしていると、愛羽さんが羞恥心たっぷりで自棄気味に叫んだ。
「いつまでも入れてるとまた感じちゃうから……っ」
――ああそういうことか。
「敏感なんだってば今はひぁぁっ!?」
わざと、彼女が喋っている最中、ナカの指をちょこっと動かせば、この有様。
はあもう本当、可愛すぎる。
「抜けって言ったの愛羽さんですよ?」
「ん……っこの子は……っ」
にやつく私を必死に睨みながら、愛羽さんはじわりじわりと指が抜けていく感覚と戦っている。
その戦いには、快感が伴うものと理解しているから余計、私は今楽しい。
「一気に抜いちゃって、痛かったらいけないですもんね?」
「ッ……は、やく……んぅっ、敏感だってっ……言った……んぁっ、は……ゃ」
気遣いの皮を被った意地悪で彼女の吐息混じりの恍惚の言葉を引き出し、私は満足気に口元に笑みを浮かべた。
ウン。ほんと、私の彼女って可愛い。
だけどもう第一関節も過ぎる。
あーあ。もう終わりか。
「……ん、ぁぁ……っ」
ずるり、と最後まで抜けきった三本の指は、てらてらと天井の照明で輝くほどに愛液が絡みついている。
快感との戦いで詰まった息を吐き、呼吸を整えている彼女を尻目に、指についた愛液を舐めてみたくて口元へ運ぶ。
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「ちょっと!」
光の速さで手首を掴まれた。
驚いて愛羽さんを見れば、真っ赤な顔で、私を信じられないものでも見るみたいに、睨んでいた。
「今何しようとしたの」
「舐めようかとおも」
「言わなくていいからっ!」
……聞いたのは愛羽さんのくせに。
私の言葉を遮った愛羽さんは、もう片手で枕元のティッシュボックスから数枚それを抜き取り、掴んでいた私の手にかぶせ、拭った。
「あー……」
「あーじゃない残念そうにしないの馬鹿……っ!」
さっきまで普通に舐めてたんだけど……愛液。
何が違うんだろう?
内心首を傾げていると、ゴミ箱へティッシュを投げ捨てた愛羽さんにまた、睨まれた。
赤い顔で恥ずかしがりながら睨んでくる愛羽さんの顔は、いくらでも見ていたいくらい可愛いからいいんだけど。
「雀ちゃんが何考えてるかは大体予想つくけど、言わなくていいからそんなこと」
馬鹿。
と、もう一度、言われた。
うん、やっぱり可愛い。愛羽さん。
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それから二人でシャワーを浴びて、散らかった部屋もそのままに、ベッドへ入った。
さすがに、あんな激しいえっちは、お互いに体力消費が激しかったみたいだ。
すぐに忍び寄ってきた睡魔にうとうとしていると、そっと囁き声が、耳に届いた。
「雀ちゃん、大好きよ?」
ふわりと、胸が温かくなる。
大好きな人の言葉。
「私も、愛羽さんが大好きです」
貴女の胸も、温かくなっただろうか?
「ありがと」
嬉しそうに響いた声が可愛くて、たまらなくて。
私はそっと、愛羽さんを抱き締めた。
ほんとに、だいすきです、愛羽さん。
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隣恋Ⅲ~待ち合わせは企みの香り~ 完
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