※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 謎の小瓶 1 ~
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う、ん……?
重たい瞼をなんとか押し上げると、差し込んでくる朝日が眩しい。
どうやら、カーテンの隙間からの光が、私の顔を直撃しているらしい。
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なんで……直撃……?
ベッドに寝てて朝日が直撃するような配置じゃないはず……。と寝ぼけた頭で考えて、はっとする。
そうか、ここは、愛羽さんの部屋だ。
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そうだ。そういえば昨日、愛羽さんに背中を掴まれて、自分の部屋に帰れずに同じベッドで寝たんだった。
状況をやっと把握したわたしは、手で光を遮りつつ、薄目しか開けられなかった目をやっと、平常通りに開けた。
広がる視界に映り込むのは、紛れもなく、愛羽さんの部屋の天井だった。
いやまぁ、同じマンションに住んでいるのだから、壁紙とかは一緒なんだけど。家具とかベッドの配置が違うので、見えてくる風景は全然違ってみえる。
――うーん、にしても眩しい。
枕から首だけ起こして、ベランダのカーテンの具合を見遣れば、薄く隙間が開いている。
昨日最後にあそこから出入りしたのは私だから、犯人は私だろう。
あの時は急いでいたから、カーテンも適当に閉めちゃったんだな。
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今何時か分からないけれど、あのカーテンをこのままにしておけば、いずれ、私の隣で眠っている愛羽さんの顔にも朝日がぶち当たる。
それは申し訳なさすぎていけない。
彼女を起こさないようゆっくりと、ベッドを揺らさないように抜け出して、そろりそろりとカーテンへと近付く。
小さな車輪がカーテンレールを走る音を立てないように、少しずつ少しずつ引っ張ってカーテンを閉め終えて、ほぅと息を吐く。
昨日あれだけ疲れていた彼女を、アラーム以外の音で起こすのは忍びなかった。
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さて、今は一体何時だ?
ベッドの傍へと戻って、自分のケータイを取り上げる。
5:59。もうじき六時か。
愛羽さんが平日起きる時間は、6時30分。
たまに眠いときは40分まで寝てることはあるけれど、その時間になると、ノロノロとベッドから抜け出して、ぼんやりしながらでも朝ごはんの準備を始める。
だから彼女は、あと40分は眠れるのだ。
最低でも30分。
朝の30分はとても貴重だ。
私はもうすっかり目が覚めてしまったから、今からベッドへ戻ってもケータイゲームをするくらいしかない。
指先だけでも、眠っている愛羽さんの横で動き回るのは、起こしてしまう可能性を高めるだけ。
だったらいっそ、部屋に戻って何かしよう。
あ、そういえば、昨日はバイトから帰ってすぐに愛羽さんを迎えに行ったので、大学の鞄がそのままだ。
今日受ける講義の準備、してない。
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出掛ける寸前に気付くとかじゃなくて良かった。
胸を撫で下ろしつつ、出来るだけ音を立てないように部屋を抜けだす。
本当なら、よく眠っている愛羽さんにキスのひとつでもしたかったけれど、それで起こしては申し訳ないので、止めておいた。
そういうのは、彼女が目覚めてからでも、出来るのだから。
部屋に戻った私は、普段以上に物音には気を付けて、学校へ行く準備を始めた。
まず着替えを済ませて、そのあと鞄の準備。
ああそうだ、昨日充電してないケータイの充電もしておこう。
いざとなったら持ち歩いているモバイルバッテリーを使えばいいんだけど、出来る時に充電はしておこう。
自分のベッドの傍によって、充電器を差し込む。と、視界の端にチラと映った小瓶。
「あ」
それが今日初めて出した声だった。
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