※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 110 ~
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それから、先に雀ちゃんが髪を乾かして、次にわたし。
暑くて倒れて後回しになっていた顔のお手入れもちゃんと終わらせて、歯磨きもしてベッドに横になったのは、深夜も深夜といった時間だった。
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結局、わたしがただ強い人間ではないのだという事は伝えられないままだけど、改めて考えれば、そんな主張しても特に意味はないだろうし、雀ちゃんの士気が高まっているのなら、虚像を見せておくのもひとつの手かもしれないと、思い直して、わたしはそのまま口を噤んだ。
その代わりということではないのだろうけれど、雀ちゃんはまだ眠りたくない様子で、あれこれわたしに尋ねた。
それこそ、我慢することを止めたのだろう。
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「蓉子さんと店長と、何話してたんですか? あのとき」
「あのとき?」
「健介さんと私が奥に引っ込んだときです」
健介さんと私が……? と、眠気でぼんやり霞がかかった思考で、彼女の言葉を繰り返しながら、ふわりと思い出せた3人での会話を口にする。
「あぁ……確か、雀ちゃんは絶対にあの男の子に譲るわよねって話してたのよ」
「譲る?」
「間違えて1時間早く来てしまったのは、あの子のミスなんだからスタッフルームで自分の始業時間まで1時間待つのが普通って考え方。だけど、雀ちゃんは良い子だしそこまでお金に執着してなさそうだから、絶対1時間早くあがって、あの男の子と交代しそうねってこと」
まぁその予想通り、雀ちゃんは1時間早上がりをしてきた。
この際だから、ちょっと言っておこうかしら。眠いけど。
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お酒を飲んで、慣れない攻める側のえっちの上、のぼせるというハードスケジュールをこなした体は随分と睡魔に侵食されつつあるけれど、この話題になっているのだから、今のうちに言っておきたい。
「雀ちゃんは優し過ぎる所があるから、もっと遠慮しない事も覚えるのよ?」
「え?」
「だから、例えば相手のミスまでかぶることはないの。店長さんもああいう人だから、今日雀ちゃんが1時間早くあがらなくたって怒ったりしないと思うわよ?」
雀ちゃんの所の店長さんも、シビアな人種だと思う。
どちらかと言えばわたしもシビア派。蓉子さんもシビア。思い当たる甘やかし派は、雀ちゃんとまーくらいかな。
雀ちゃんはただただ甘やかす派で、まーはその上位版で、甘やかしつつ自分の功績を重ねる材料にしていく感じ。だから、あの年であの地位までのし上がっているんだと思うけど。
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「うーん。まぁでも健介さんいい人だし」
あ、ほら。こうやって甘やかして相手のいいところを挙げて許してしまう。
これが甘いって言ってるのに、ちっともわかっていない。
「あまいんだから」
ストロー忘れちゃうくらいのミスするような子なんだから、もうちょっと厳しくいってもいいのに。
「でも健介さんのオゴリで1杯飲みましたから」
「あれ? 蓉子さんにツケたんじゃなくて?」
「交代条件でなんか奢ってくれるって言ってたから、今度バイト行ったとき、健介さんから引いときます」
どこか自慢げに言うその様は、子供がテストの高得点を見せて褒めてもらうときのよう。
私だって親切なばかりじゃないんですよ、と顔に書いてある。可愛らしくて思わず手を伸ばして撫でてあげると、雀ちゃんはくすぐったそうに笑った。
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