※ 隣恋Ⅲ~過去 現在 未来。嫉妬~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 過去現在未来。嫉妬 48 ~
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いつものわたしなら必ずからかう。
でも今日は。
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あれ? おかしいな……?
そんな表情で、雀ちゃんがこちらを僅かに振り向く。
それでも、恐る恐るといったように、視界の端にちょこっとわたしが映るくらいの振り向き方。
――ほんと、行動ひとつひとつが可愛いんだから。
微笑ましくて、柔らかく目を細める。それは雀ちゃんの目には意外なものに映ったようで、軽く眉をあげて、さらにもう少し、こちらを振り向いた。
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「好きよ」
彼女に好きだと告げるだけで、自然に口角が上がる。
首を竦めて逃げてしまった彼女に顔を寄せて、その頬にまたキスを贈る。
やっぱり意外そうに目を丸くされて、普段の自分の行いを改めたほうがいいのかしら、と内心焦る。
――わたしって、そんなに意地悪しているかしら?
頬から顎のラインに唇をすべらせて、軽く吸う。ここにキスマークを付けようと思えば付けられるが、そんなことはしない。見える所にはつけないから、とさっき告げたのだから。
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そのまま再び、耳へ近付いて、吐息に乗せて囁く。
「好き」
見るからに柔らかそうな耳たぶを、はむ、と唇で挟む。
その感触はやっぱり柔らかくて、唇に挟んだそれを軽く吸って引っ張ってみたくなる。
「あいは、さん……?」
「ん?」
耳たぶを引っ張る前に名を呼ばれ、そこから口を離す。
「なぁに?」
「ぃ、や……えっと……なんか、今日はいつもと違うみたいで……」
一体どうしたんですか? と言いたげな雀ちゃんは言葉を選びつつもその疑問を投げかけてくる。
――ほんとにわたしって、普段、そんなに意地悪だったかしら……?
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「いつもと違う? んー、そりゃあ、まぁ手、縛ってるもんね」
バンサイさせている腕を服の上からするりと撫でる。シャツのボタンを外して、はだけさせてはいるけれど、両腕を縛るストッキングが邪魔でシャツを完全に脱がせることは出来ない。
「縛るのも、そうなんですけど……」
そうじゃなくて意地悪な事言わないから……と小さな声で述べる雀ちゃんの首筋にプツプツと鳥肌が立っている。
腕を服の上から撫でただけで鳥肌が立つだなんて、敏感になっているんだろうか。
「意地悪、して欲しい?」
芸人さんで言う”フリ”のような台詞に、わたしは小さく笑みを零して尋ねる。
もちろん彼女は、いやいや滅相もない、というように小刻みに首を振った。
わたしは雀ちゃんの反応にまた笑いながらも、縛った腕を肘から肩へゆっくり撫であげて、そのまま首へと指先を当てる。
「こうして縛ってるだけで十分、意地悪はして満足してるから、心配しないで?」
雀ちゃんからしてみれば、心配しているのは自分の身であってわたしの不完全燃焼の気持ちではないんだろうけれど。
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首に浮き出る筋や血管を人差し指で撫で、辿る。肌ケアに熱心な方ではない雀ちゃんだけど、若いからか肌に張りがあってうらやましい。
「意地悪するよりは、いっぱい可愛がってあげたいの、今日は」
首から鎖骨へと下り、その浮き出た骨を皮膚越しに撫でていく。引き締まった体は鎖骨の浮き出る具合もくっきりしていて、ボーイッシュなのにセクシーさを漂わせている。
「だから、もうちょっと、縛られてて?」
わたしの言葉にコクリと喉を鳴らした雀ちゃんが、わたしから目を離さないまま小さく、頷いた。
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