隣恋Ⅲ~ひねもす~ 41話


※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ ひねもす 41 ~

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「弱いとか自己申告したら、してって言ってるようなものだよ?」

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 我ながら、酷い台詞だ。
 そもそも自己申告なんかじゃない。言うなれば誘導尋問。
 愛羽さんははっきりと、「弱いから息をそこにかけないで」と言ったのに、この仕打ち。

 セックスでなければただの暴力みたいなものだ。

「ち、ちが……っ」
「でも、気持ちよさそうな声も出てるし、ね?」

 ね? じゃないだろう。愛羽さんは違うと否定しているのに。

 冷静なもう一人の私がつっこむけれど、全部無視して、私は彼女の首筋に、唇から覗かせた舌を押し当てた。

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 軽く顎を引き、首の窪みの辺りにぴとりと押し当てた舌。筋肉の塊である舌を脱力させて柔らかさを保ったまま、顎を上げるようにして、愛羽さんの首を下から耳の付け根まで舐め上げた。

 べっとりと舐め上げて、まるで自分の唾液を肌になすり付け、貴女は私のものだと身体に滲み込ませるような行為に、愛羽さんはなす術もなく、今日、この時間までに聞いた中で一番大きな嬌声をあげて、快感を主張した。

 いや、彼女にとっては嬌声は快感を処理するための一つの手段。
 声をあげることで、身体の中に溜まってしまう快感を外へと流し出しているのだ。

 シーツを握ったりしてどこかに力を入れるのも、同じような事。

「……可愛い過ぎる。愛羽」

 耳と、彼女の嬌声の発生源である口との距離が近かったのもあるが、私の脳みそは彼女の色気と可愛さの全てを詰めたような声によって、溶けてしまいそうだった。

 普段、こんなにも可愛いかったっけと考えるけれど、ジンジンと痺れる脳みそではその答えが出ない。

 普段と違う場所、シチュエーション、気を遣う必要のない環境、溜まりに溜まっていた性欲。それら全てが相まって、今の愛羽さんを作り上げているのだが、そんな難しい考えも出来ずに、私はただただ、大好きな彼女に溺れた。

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「可愛い。好きだよ」

 耳の付け根まで舐め上げて、まるで初めて、そこに声を受信するための器があると気が付いたみたいに、彼女への”好き”を囁く。
 首も弱ければ、耳も弱い彼女にしてみれば、拷問に近いものがあるだろうけれど、そんなことも考えられないくらいに、脳が溶けていた私は、悶える彼女を組み敷いたまま、その耳にも舌を這わせた。

「あっ…~~~~っンやぁぁっ……!」

 舌が触れれば逃げるように顔を背けた彼女を追いかけて、耳全体をべろと舐めあげた。
 声にならない声も、嬌声も、あますことなく色気を発揮させる彼女によって、私は骨抜きになっているのだが、私以上にそうなっていることを、理性が飛んだ私は気付けていない。

 普段ならばここまで連続で、強い刺激を与えたりはしないのだが、今はもう、手順だとか、加減だとかに、考えが及ばない。

 大好きなひとに触れたい。彼女が声を上げるのならばもっとその声が聴きたい。彼女に、快感を与えたい。

 そんな欲求を満たすことばかりにしか目が行かない私は、激しく胸を上下させて呼吸を整えようとする彼女の様子も窺わず、今し方舐めて感度のよかったその耳の孔へと、尖らせた舌をぐじゅりと挿し込んだ。

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