※ 隣恋Ⅲ~ブラジャーの日 後日談~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
媚薬→
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最後まで、面倒みるから。
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~ ブラジャーの日・後日談(2019年加筆修正版) 19 完 ~
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動きを止めたわたしの手にもどかしさを感じている身体は、ゆらゆらと腰を動かし、さらなる快感を欲していた。
けれどその望みを叶えられるわたしの手は中々動かずに、雀ちゃんに下から睨まれている訳だが……。
まったく怖くない、その顔。
紅潮した頬、目元。泣きそうにまで潤んだ瞳。切なそうに寄せられた眉が中途半端に怒っている。
そんな表情で睨まれても、余計、そそるだけなのに。
ほんと、もう、可愛いったらない。
「ねぇ、どうして欲しいのか、言って?」
お願いする口調だけど、決してお願いではない。
脅迫にも似たそれは、恋人だから許される行為。
辱めの極みではないだろうか。
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「言ってくれたら……」
蕾に指を添えて、くるりと一回し、膨れたそれを撫でる。
たった一撫でだけで彼女の腰はビクリと跳ねて、その口からは待ち侘びていた快感を悦ぶ甘い嬌声。
「こうやって気持ちいいの、してあげるから。ね?」
ね? ではない。と雀ちゃんは心の中で思っているのだろうか。
うん、たぶん、思っている。この恨めしそうな視線。
だけど。
それでも雀ちゃんは何かを言おうと唇を舌で湿らせているところが、純情で可愛い。
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しばらく黙ったまま可愛い子を見下ろし、迷うよう開閉する彼女の唇の動きにあわせて、蕾を撫でる。
唇を閉じれば撫で、開けば愛撫を止める。
そんなことを繰り返しているうちに、やっと決心が固まったのか。
「……し、てください」
と雀ちゃんは、小さな声にたっぷりの羞恥を込めて、告げた。
でも。
――それだけで許されるだなんて思っているのかしら?
「どうして、何を、してほしいの?」
――ここまで言わなきゃ、駄目に決まっているでしょう?
口をへの字にして睨んでくる雀ちゃんを、にっこりと満面の、悪魔の笑みで見下ろした。
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雀ちゃんの口が、薄く開いては閉じ、開き、を繰り返す。
何か言おうとしているのは分かるから、ご褒美とばかりに、動きを止めて蕾にあてがっていた指を擦りつけるように緩く、動かし始める。
「……ぅ……っ」
「どうして、何を、してほしいの?」
僅かな愛撫にも顔を歪ませるほどの敏感な身体に仕上がっている彼女へ、もう一度同じ問いかけをした。
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は……ハ……っ、と声混じりの呼吸を繰り返す雀ちゃんは、かわいい。
いっそこの蕾を口で可愛がりながら、ナカの三本指を動かしてイカせてしまいたい。
そんな欲望をぐっと堪え、快感欲と羞恥の狭間で葛藤している雀ちゃんを、煽る。
否、快感欲の沼へと、引き摺り込むべく、足を掴む。
「ほら」
甘く甘く、優しい声音で誘う。
どうして、何を、してほしいのか。それを言葉にするだけで、今受けている蕾への愛撫以上に、気持ちいいことをしてあげる。
後は貴女のがんばり次第で、欲しい快感が得られるのだ。と知らしめる如く、じわりじわりと、蕾を撫で回す。
「ぁっ……ぅぁ……」
彼女の上擦る声はもう、”気持ちいい”と訴えていた。
そして、さらに快感が欲しい、とも。
「もっと気持ちぃこと、したいでしょう?」
「は……っ、ん、ん……」
蕾をいじる左手の親指を一旦離し、己の口元へ運ぶ。
とろんとした雀ちゃんの瞳が指の動きを追いかけて、わたしの口元を見上げた。
見せつけるように、ねろりと指の腹を舐め、彼女の秘所へと左手を戻す。
「雀ちゃんが言ってくれたら……」
ぷっくりとした蕾へ、唾液で濡れた指の腹をあてがい、上下に軽く擦る。
途端、与えられた快感を悦び、上擦った嬌声が零れるけれど、わたしは5秒ほどで、指の動きを停止。
「あ……ぁぁ……ぁぃ……」
突然取り上げられた快感刺激に、カクカクと脚を震わせる雀ちゃんは、わたしの名すら上手く紡げない様子だが、構わず、問い掛けた。
「もっと気持ちぃこと、してあげる。だから、聞かせて?」
どうして、何を、してほしいのか。
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ここまでいじめられ、焦らされた雀ちゃんはもう、快感の虜だった。
甘声混じりの呼吸を繰り返し、息が整った頃、潤んだ瞳でわたしに縋りながら、口を開く。
「気持ち、い……から……もっと愛羽さんの指で……気持ちいいこと……してくださぃ……っ」
さっきよりも、真っ赤な顔で羞恥を圧して――いや、快感欲に憑りつかれて、ねだる雀ちゃんの姿。
その光景に、正直わたしは、我を忘れた。
「満点の答えね」
そう応じた自分が自分をコントロール出来ていなかった事だけは、後になっても、しっかり憶えていた。
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まず、雀ちゃんの中に埋め込んだままになっていた指の抽送を再開させる。
奥と、上の壁を刺激してあげるのは先程と変わらないけれど、すこし強めにして与える快感を増やす。
それと同時に、反対の手では蕾を弾くように小刻みに指を動かして赤く、張り詰めたその小さな蕾にも快感を与える。
焦らされて、待ちわびていた快感だ。
それも複数の快感を同時に、強めに与えられて、雀ちゃんの身体は弓なりに反る。
「やっ、あ……ッ」
喘ぐ声も、声にならず、ぎゅっと目を瞑って快感を逃そうと首を振り、シーツを掴む手に力を込める彼女。
「どうしよ……すごい可愛い、雀ちゃん」
「んんんっ、も……っ、むり……ぃ、ァッ」
お互いに、会話をしようとしている言葉ではなく、それぞれに思ったことを告げているだけだったと思う。
わたしはその可愛さにたまらず、ぐいとスイートスポットへ指を押し付けて、蕾も押しつぶすかのように強めに指を押し付けた。
まだまだ、彼女を苛めて可愛がりたかったのに、刺激が、たぶん……強すぎた。
「あ、ぁぁあッ、や、イクっ……ッ!」
びく、ビク、ビクッ、と跳ねた雀ちゃんの身体。
今までで一番大きな痙攣と彼女の言葉に、絶頂を迎えたのだと理解して、やんわりと手の動きを止める。
呼吸もとまるほどのその痙攣がおさまり、荒く短く忙しない息を繰り返し始めた雀ちゃんを見下ろしながら、こちらの息も整える。
いつもわたしをイかせ終えた雀ちゃんを見ていて不思議だった。
どうして喘いでいない彼女が息を乱しているのか、と。
その答えはこういう事だったのかと理解しながら、乱れた自分の息を整えて、さらりと彼女の脚を撫でる。
感情の興奮だけで、ひとは息が乱れるし、抱く側も結構な運動量になるのだと、改めて知った。
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しばらくして、彼女の様子が落ち着いた頃に、名を呼ぶ。
「大丈夫?」
「……、なんとか」
大袈裟に言っているのだろうか。いや、結構本気っぽい。
そんな事を考えながら、ゆっくりとナカから指を引き抜く。
予想していた通り、彼女の口からは僅かな喘ぎ声。
その可愛さに目を細めて笑みをこぼす。
「そんなに良かった?」
わたしのテクニック、なんてふざけて言いながら枕元のティッシュへと手を伸ばす。
三本指だけでなくて、手の甲までも愛液で濡れているし、ナカに入れていた指に至ってはふやけてしわしわだ。
ティッシュで指を拭うわたしを見上げる雀ちゃんの顔は恥ずかしそうで、口をへの字に曲げている。
「……愛羽さん、意地悪です」
うん。確かに、今日は自分でも意地悪だなって思った。
でもそれは、雀ちゃんが可愛過ぎてそうなっちゃったんだもの。
「でも意地悪なわたしにおねだりしてたのはだぁれ?」
「ぅ」
チラと視線を流して、丸めたティッシュをゴミ箱へ放る。
そして新たなティッシュを取って、口籠った彼女の身体に上から覆いかぶさるように抱き着くと、すぐさまそれを取り上げられた。
「拭いてあげるのに」
「……自分でできます」
雀ちゃんだって、わたしを抱いたあとは「拭いてあげます」とか言ってくるくせに。逆の立場になると、そんな態度するぅ。
ま。気持ちは分かるから今は大人しくするけど。
処理をすませた雀ちゃんが、わたしの体に腕を回して抱き着いてきてくれた。
さっきあんなにいじめた人物に、こうやってほいほいくっついてくるのは、なんだか愛を感じる。
甘えた仕草に口元が緩んで、彼女の裸の胸に頬をくっつけるようにして密着した。
トックトックと聞こえてくる心音に目を閉じて、事の発端を思い返したわたしは、ぽそりと話し掛ける。
「今日はお互い、意地悪しちゃう日だったってコトよね」
下着の件と。
えっちの件。
それぞれ相手にいじわるした日。
いじわるの理由は、興奮と好意。
「……すみませんでした」
「んーん。わたしも、ごめんね?」
自然と絡めた視線を近付けて、キスをして。
幾度か啄んだ後に、すこしだけ離れて、囁く。
「なかなおり。ね?」
わたしの言葉に軽く目を見開いていた雀ちゃんは、へにゃりと目元を緩めて、「はい」と嬉しそうに頷いた。
こんな時くらい、「うん」とか言えばいいのに。なんて思うけれど、まぁ……「はい」と答える雀ちゃんは、彼女らしい。
額同士をぐりと擦り合わせて、またキスをして。
あまいなぁ。
なんて感想がどこからともなく湧くようなキスを繰り返して。
何度かそうして、後戯を楽しんだ。
唇を離して、ふと彼女の顔を覗き込むと、何か感慨深そうな顔をして視線を送ってくる。
「?」
首を傾げてみせると、ふるふると首を振った雀ちゃん。
仲直りもしたし、どうやらもう、わたしを泣かせた罪悪感はだいぶ、吹っ切れているみたいだった。
それでいい。
泣かせることも、悲しませることも、悪い事も含めて、わたしと同じ時間を過ごしてくれたらそれで、満足。
「大好きよ、雀ちゃん」
「私も、愛羽さんが大好きです」
ゆっくりと、どちらからともなく重ねた唇。
わたしの唇で挟むように、上下それぞれに啄んで、離れる。
ぷるりと潤った雀ちゃんの唇を指先で撫でて、微笑んだ。
――あ~~……好き。
ずっと一緒にいたいと思う。
そして。
密かな決意を心の中だけで、呟く。
――ちゃんと最後まで、面倒みるから、安心してね、雀ちゃん。
まだその内容を知る事は出来ないけれど、何かのトラウマを抱えて、臆病で、優しくて、かわいい恋人に、わたしはそう決意した。
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~ おまけ 『忘れ去られていた存在』 ~
「あ」
「どうかしました?」
「んー……。雀ちゃん」
「え? ぁ、はい」
「服、着よっか」
「はい。……?」
「で。」
「??」
「イカ。捌こっか」
「あーーー………………ハイ」
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隣恋Ⅲ~ブラジャーの日・後日談~ 完
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