隣恋Ⅲ~ひねもす~ 14話


※ 隣恋Ⅲ~ひねもす~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ ひねもす 14 ~

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「うぅぅ……予想とちがう……」
「それはそれは。残念でしたね」

 悔しそうに言って、は……、は……、と浅い呼吸を繰り返す彼女を見つめた。
 ただ息を整えている人を眺めているだけで、昂ってくるのは、何故だろうか。

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 ベッドに額を押し付けて、掴まれていた両腕を解放された愛羽さんは何度も呼吸を繰り返す。
 先程私が手櫛で梳いて背中へ流したはずの髪の一房が首筋に落ちている様は色気がにおい立つ。

 ――アぁ……やばい。このまま見てたらまた襲う自信しかないぞ。

 いけないと思いつつも、目が離せなくて、そのまま見つめてしまう。
 まだ服も脱がせていないし、それこそ、その唇にキスだってしてない。

 そんな彼女が、耳に口付けられただけで、敏感な耳の傍で話をされただけで、どうしてああも、息を乱して肌を赤く染めているのか。

 弱い部分だ、というだけではない。
 たぶん……彼女も欲していたのだと思う。

 数日前、仕事に引き裂かれたあの日から……きっと彼女の身体の奥底にも火種はあって、くすぶり続けていたのだ。

 でなければあんなふうに、身体から力が抜けたときのように、くたりとする理由が、見当たらない。

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 掛布団の上に、私達ふたりは寝転がっているのだが、その布団カバーを、小さくきゅっと握っている手が可愛い。
 縋るみたいに握っている所をみると、必死だったのだろう。
 可愛い可愛い彼女の観察をしていると、やっと息が整ったのか、愛羽さんが身動ぐ。

「雀ちゃん……みすぎ」

 チラ、と流し目気味に視線を寄越されて、どきりとする。
 その気怠い感じで、その仕草は、エロすぎ。やばい。襲いたい。

「すみません」

 紳士の道紳士の道紳士の道紳士の道紳士の道。と心の中で呪文を繰り返して、襲いたい衝動をなんとか堪える。
 見過ぎ、と注意を受けたので、私は起き上がって、彼女の向こう側に置き去りにされていたメニューを手にとった。

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 さっきはとりあえず、鶏唐揚げが見えたから好物のそれをチョイスしたんだけど、何か他に食べたいものがあるかチェックしておかないと。
 愛羽さんはこの無料のラブホを存分に楽しまないと逆に失礼だとも言っていたし、その言葉を信じて思い切り楽しんで帰ろうと思う。

 私や愛羽さんの予想ではここの経営者さんは外国人さんではないかというもの。
 それが本当だとしたら、私の知人であるティムスは、遠慮というものを嫌う傾向にあるから、きちんと楽しまないと失礼という彼女の言葉も頷けるのだ。

 海外の方々は、良くも悪くも素直に生きているから、嬉しいことは嬉しい、嫌なことは嫌とハッキリしている。
 だから日本のように嫌だけども建前があるから喜ぶ、なんてことはあまりしない。

 めいっぱい楽しんで、ありがとう楽しかった、と述べるのが、好まれる行動なのだ。

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 ぱらりと先頭のページをめくると、目に飛び込んできたのは、美味しそうな料理の写真……ではなくてずらずらと書かれた文章だった。

 当ホテルをご利用いただきありがとうございますから始まり、禁止事項等々書かれている。
 読むのが面倒なので飛ばして次のページに行くと、料金システムの説明。延長が10分ごとに400円とは高過ぎやしないか。

 ここは確か温泉宿401号室。料金は……やっぱり2万円。たかい。
 2万円を2泊だから4万円。

 ひえぇこんな部屋学生のうちは二度と来られないぞ。と背中に汗をかく。

 見ていられなくて次のページをめくると、レンタルできるものが書いてある。
 テレビゲームにトランプ、爪切り、コスチューム……コスチューム!?

 二度見する勢いでさらっと流した部分に目を戻すと、コスチューム(詳しくは次頁)と書かれているのでページをめくる。

 と、そこには美人のおねーさんたちが、婦警さんだったり、看護師さんだったり、CAさんだったり、チャイナだったり、学生だったりと様々な種類の布少な目の服を纏って、写真に写っていた。

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