隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ 22話


※ 隣恋Ⅲ~急ぐ鼠は雨にあう~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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  ~ 急ぐ鼠は雨にあう 22 ~

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 下唇を噛んで、瞳を潤ませて、こちらを睨む愛羽さんが、可愛くて可愛くて、仕方ない。

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 そりゃあ私だって今すぐにこの指を挿れて、満足いくまでナカを蹂躙して、彼女が絶頂を迎える姿を見たい。

 だけど、ここまで来たら愛羽さんの口から「なにをどうして欲しいのか」を聞くまで、この指は入れたくない。

「どうして欲しいんですか?」

 陥落一歩手前の彼女の事だ。すぐに言ってくれるだろう。
 そう高を括っていたのだが、愛羽さんはなかなか手強かった。

「ばか」

 彼女が口にしたのは、なにをどうして欲しいとかそんなものじゃなくて、ただの悪口。
 一瞬、何故罵倒されたのか分からなかった。というより、正直、何を言われたか理解できていなかった。

「いじわる」

 呆気にとられていると続け様に「いじめっこ」「鬼」とか言われる。
 目を丸くしたまま、愛羽さんを見下ろしていると、彼女はさらにキッと眼光を鋭くして睨んでくる。

 さすがに、苛め過ぎたのかもしれない。反省が胸に沸いて、何か言わなければと口を開きかけた私の首に、彼女の腕が回された。

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 さっきまで私の右手を捕らえていた手が後頭部をかき抱く。もう片方の手は首にしっかりと巻き付けられて、愛羽さんに手加減なく抱き着かれた。
 そうされると、当然、私の上半身は彼女に引き寄せられる。
 片手をベッドに着いて自分の体重を支えていた私はもう少しで、ムードも壊れる「ぐぇっ」と苦しむ声を上げそうだった。

 喉まで出かかったそれを堪えて、支えの腕をゆっくりと傾け、文字通り、身体を重ねる。
 右手は辛うじて、彼女の秘所に触れているけれど、かなりキツイ体勢だ。このままの体勢で上手く出来るかはちょっと不明だ。

 でも、愛羽さんの体温が伝わってきて、気持ちいい。

「ばかすずめ」

 恥ずかしさのあまり拗ねてしまったのか?
 いやでも、本格的に拗ねたのならこうして抱き着いてくるわけがない。手を払いのけて、くるりと背を向けてしまうだろう。

 愛羽さんの意図が読めなくて、彼女の顔の横で、枕に顔面を埋めたまま眉を寄せた。

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「一回しか言わないからね」
「へ?」

 何を、と問おうとした私の耳に届いたのは、愛羽さんが息を吸う音。
 抱き締められて身体を密着させて、頬と頬が触れ合いそうなくらいの距離だ。息を吸う音すら聞こえれば、コクリと喉を鳴らす音も聞こえた。

「雀ちゃんに気持ち良くして欲しいの」

 怪訝に歪んでいた私の眉は、彼女の言葉でその形を元に戻し始めた。

「わたしの……な、かに……指、いれて……」

 ください……。
 と尻すぼみに告げた愛羽さん。
 どうして急に、私に抱き着いて身体を密着させたのか、理由がやっと分かった。

 これを言う時に、私に顔を見られたくなかったのだろう。
 正しくは、見られていると、言えない。といったところか。

 強引に抱き着いてきた理由を察すると同時に、私の中に込み上げてくる熱いもの。

 好きだ、と思う気持ちに、性欲や支配欲や加虐性欲をぶち込んで丸めたものが熱を孕んで、腹の底から胸までせり上がってきたみたいだ。

 思わず、枕につけた額をさらに、枕へめり込ませて、気を沈ませようと息を吐く。

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 落ち着け。落ち着け。興奮しすぎちゃだめだ。
 なんて自分に言い聞かせるけれど、好きなひとにあんなことを言われて(言わせたのは自分だけども)理性を保っていられるほど、私は仏ではない。
 欲にまみれた人間なのだ。

「もっと……」

 聞きたい。
 もっと、彼女の口から言わせたい。
 私を求めさせたい。

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「こ、これ以上言うことなんて」
「だめ。もっと言ってくれなきゃ、挿れない。気持ち良くしてあげない」

 狼狽えた愛羽さんの言葉を遮り、身勝手な台詞を吐き出して、彼女の入り口にあてがっていた指で、蕾を弾く。
 突然の刺激は強いくらいだったのだろう。
 びく、と腰を引いた愛羽さんの口から零れた嬌声に、脳が痺れる。

「指、挿れるだけでいいの?」

 これじゃあまるで脅迫だ。
 理性の欠片が頭の中で警鐘を鳴らすけれど、止まらない。

 嫌われるぞ、と咎める理性を押しのけて、加虐性欲が私を突き動かす。

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「挿れるだけで、満足?」
「う…く……っ、い、じ、わる……ッ」

 愛羽さんが言うように、今日の私は随分と意地悪だ。いや、もう、意地悪という言葉がもったいないくらいで、意地糞が悪く性根が腐っているレベルで、今夜は彼女を苛め倒している。

「満足? 愛羽さん?」

 答えを性急に催促する私の恋人は、流石だ。

「いっ、挿れてみなきゃ分かんない……っ」

 難攻不落とは言わないけれど、一筋縄ではいかない相手。
 ナカに挿れてぐちゅぐちゅにかきまわして気持ち良くして、とでも言えばそれで済むのに、恥ずかしさと意地っ張りと負けず嫌いが頑張り過ぎて、挑戦的な台詞を告げる愛羽さん。

 まったくもって、飽きないし、予想外の行動をしてくれるひとだと、私は場違いにも関心した。

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