※ 隣恋Ⅲ~湯冷めた頃に~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ 湯冷めた頃に 17 ~
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「さっきたっぷり舐めてくれたお礼をしないとね」
柔らかい手付きで茂みを撫でている雀ちゃんが、熱い吐息と共に、わたしにそう宣言した。
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「愛羽さんがたくさん舐めてくれたから、濡れて指の皮がしわしわだよ」
それは貴女が舐めろって言ったからでしょ、と言い返すのは絶対に自分の命を縮める行為だということは理解している。
だけど、口には出さないけど、思ってしまうのは条件反射みたいなものだ、仕方ない。……それが、顔に出てしまうことも。
その結果。
「なんでそんなカオ、してんの?」
と雀ちゃんに見咎められたとしても、仕方ない。
仕事のときはどんなに嫌な商談相手にでも笑顔を浮かべられるのに、わたしはどうして雀ちゃん相手だとこうも正直というか思ったことを隠せないのだろうか。
多分、それだけこの人と一緒にいることがわたしの中では自然なことになってきているからだろうと思う。肩肘張らずに、あるがままで。
それはそれで、とても良い傾向なんだろうけど、その結果自分の首を絞める現状はなんとも言い難い。
「そんな反抗的なカオしてる愛羽さん、捻じ伏せたくなるんだけど、いいの?」
ほら。こんなことを、言われてしまうし。
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茂みに柔らかなタッチで触れていた手がゆっくりと、肌に触れようと押し付けられてくる。わたしの視界に見えていた雀ちゃんの右手の人差し指と中指の先が、徐々に、茂みの奥へと進んで行く。
こういう場面で、雀ちゃんは絶対に、こちらがじれったくなるくらいゆっくり動く。わたしが彼女の動きを見つめているのを察知してなのか、緩慢で緩慢で、むしろこちらから近づいてしまおうかと妙な考えすら浮かんできそうなくらい、わたしを焦らす。
その工程が、快感を倍以上にしている。その理論は理解していても、待たされているこちらとしては、「はやく」と声をあげるか、身体を寄せるか、してしまいたくなるのだ。
普段、犬っぽく尻尾を振るのは雀ちゃんな筈なのに、今はわたしがエサを前に待てを言い渡されて堪らないようにしている犬のみたいだった。
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「はッ、ぁぁ…っ」
吐息が、声と共に零れた。
待ち侘びていた雀ちゃんの指先が、わたしの膨れ上がった蕾に触れたのだ。ピリッと電気のようなものが下腹部から腰にかけて走り、そのあと背骨を通って脳を痺れさせる。
「ちょっと触っただけなのに、そんなに気持ちよかった?」
揶揄うみたいに言う雀ちゃんが、蕾に触れさせていた指を軽く持ち上げ、トン、トン、トンとノックした。
「あ、あ、あっ」
軽いタッチだったのにも関わらず、わたしの口からは堪え切れない声が吐き出されていく。
電気の走る身体に、思わず、上体が前に傾く。倒れ込む訳にはいかないと、雀ちゃんの肩に手を置かせてもらって、なんとか身体を支える。
浅い呼吸を繰り返していると、わたしの呼気が雀ちゃんの前髪を揺らした。
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「たったこれだけでそんな風になってちゃ、これからどうするの?」
そんな事言われたってわたしだってどうしたらいいか分からない。
身体の性感帯とその感じ具合をコントロールできればいいけどそんなの無理だし、わたしをコントロールできるのは、雀ちゃんだけだ。
前屈みになったせいで、雀ちゃんとの距離が近付いて、彼女がこちらに顔を向けた。相変わらず涼しい表情だけど、目だけは爛々としていて熱い。
その瞳に目を奪われていると、彼女が目尻を軽く下げて笑った。
「可愛い顔されるとキスしたくなるから」
かわいくない、といつも通り言い返す前に、「キスして」と求められる。言葉を発するために開きかけていた唇をそのまま雀ちゃんに寄せると、さっきよりも少しだけ温度のあがった唇が重なった。
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よかった。雀ちゃんがさっきよりもお湯に浸かっているから、唇まで温かくなってる。
「ん」
伸ばされてきた舌に、舌を絡めながら内心軽く安堵の息を吐く。だって、お風呂えっちしてて風邪ひきましたなんて、シャレにならない。
「ンンッ…!」
くぐもった声をあげたのは、いつの間にそこまで移動していたのか、雀ちゃんの指がわたしの割れ目をスルリと撫でたから。そして、その指の滑りが良すぎて、驚く。
そんなにも濡れているのか、と。
二度目に割れ目をなぞられると、もう耐えきれずに雀ちゃんとのキスを強制的に解いて、上体を軽く起こした。だらしなく唇から唾液が糸を引いたけれど、構っていられない。だって、もう、腰を引いてしまいたくなるくらいには、雀ちゃんの指が気持ちいい。
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「だからまだ、これだけしか触ってないのに」
感じやす過ぎるわたしに、意地悪を混ぜた笑みを向けながら雀ちゃんは滑る割れ目を上へ下へと撫で回す。
「あっ、ぁ、ン……だめ、ぇ…ッ」
「駄目じゃなくて、いいって言われたいなぁ」
うそつき。
駄目とかのほうが燃えるって言ってたくせに。
心の中で言い返しながらも、口から零れる嬌声を止められない。その中にはやっぱり「駄目」が含まれてしまって、雀ちゃんを煽りたいから言っている訳ではなくて、本当にちょっと待って駄目、という意味で使っているのだと分かって欲しい。
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「それにしても」
上から下へと割れ目をなぞった雀ちゃんが、言葉を区切る。
「ぬるぬる」
下から上へ、そこにある蜜を掬い取るように指を動かした雀ちゃんは、手を引き、それをわたしの見える位置まで持ち上げた。
気持ち良さで潤んだ視界に映るその指には、浴槽のお湯とは違った粘液質の液体がまとわりついて、その側面をゆっくりと垂れ下がっていく。
「ほら」
人差し指と中指を擦り合わせ、開いて、糸を引く様子を見せつけてくる雀ちゃん。
手を引いた時点でそういう事をやるだろうなと思っていたけれど、いざ目の当たりにすると、こんなにもイヤラシイしハズカシイ光景はない。
「や、だ……」
目を背けようと視線を動かしかけた時、雀ちゃんの甘くて蕩けそうに優しい声音が、わたしを引き留めた。
「見てて?」
その手が、彼女の口元へと移動し始めたとき、わたしはうなじがざわつくのを感じた。
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