隣恋Ⅲ~のたりかな~ 73話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 73 ~

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 しなきゃ駄目な訳じゃない。

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 私は別に、その行為を強要している訳ではない。
 言った言葉は「続き、していいよ」だし、彼女が自ら動かなければ快感が生じない。ただそれだけだ。

 強要した覚えはない。

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 なんて、勝手極まりない考えを展開しているが、状況的に見れば、私が脅迫しているのは明白だ。
 だってここまで愛羽さんの身体を昂らせておいて「あとは勝手にどうぞ」だなんて、そんなの腰を動かして当たり前だ。そうせざるを得ない状況に私が追い込んだのだから。

 少し冷静になって考えれば分かりそうなものだけど、上手く思考回路が整わない愛羽さんは、自らが腰を動かし、私の舌へ蕾を擦り付け快感を得ようとするハシタナイ女だと思い込んでいることだろう。

 そして、羞恥を抱えながら彼女は、自分の中でどんどん膨らむ快感欲求に戸惑っているのだろう。
 今ごろは、雀ちゃんは動いてくれる気配もないし、自分で動くしか……なんて思い始めているんじゃないかな?

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 手にとるように彼女の心理変化が分かる。その大きな手がかりは、私の髪を掴んでいる手だ。

 指の力の入れ方、曲げ方、髪の掴み方、引き方。その一つ一つに意識を集中すると、焦れている様子や、戸惑っている様子、意を決した様子がよく解る。

 ――もう、動くな。

 予感した次の瞬間、両腕で抱えている脚に、ゆっくりと力が込められた。

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 膝を曲げて立てた足の裏をベッドに押し付けて、腹筋と背筋と、腰回りの筋肉を緊張させた愛羽さんが、ついに、腰を動かした。

「ん……ん……っ」

 隙間なくぴたりとくっつけてある私の舌で、蕾が擦れる動きを感じる。
 どうやら彼女はほんの僅かしか腰を揺らしてはいないようで、自分の快感許容範囲内の快感を得て、穏やかに、甘く、声を漏らした。

「……は……、あ…っ……」

 まぁ、最初はそんなものだろう。なんてどこか偉そうな呟きを脳内で溢して、私はゆっくりと息を吐いた。

 彼女は穏やかに気持ち良さそうにしているが、こちらとしてはバクバクと鳴る心臓を落ち着けようと必死なのである。
 だって、恋人が自分の脚へ下着越しに秘所を擦り付けている状況でもかなりドキドキしたのに、それよりもバージョンアップして、私の舌に蕾を直接擦りつけている状況。
 これが興奮せずにいられるものだろうか。いや無理だ。ていうかもうむしろ擦りつけられる蕾にしゃぶりつきたい。

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 ――いや、我慢。我慢だ。

 落ち着け落ち着けと唱えながら、私は舌の根元から溢れる唾液が舌先へ流れてゆく感覚をじっとりと感じていた。
 口を開き、舌を伸ばしっ放しなので重力へ従い、滲み出た唾液のほとんどが彼女の蕾方面へと流れていっている。

 身体の構造的に、蕾自体からは愛液が溢れないので、これが潤滑油になって滑りやすくなってしまう。それが吉と出るか凶と出るかは、愛羽さん次第なので予想がつけられない。

 ゆるゆると擦られる蕾はその刺激でさらに存在を主張するように膨らんで、舌を押し返している。
 聞こえてくる甘い声も、少しずつ、息を詰め、震えるものに変わってきている。もちろん、腰の動きだって、上下運動だけだったものが、円を描くようなグラインドも加わってきてエロさが増してきた。

 それに伴い無論、私の興奮も高まってくるけれど、我慢の念仏を唱えてなんとか、堪える。
 まだ。まだだ。愛羽さんにはもっと、自分で乱れてもらいたかった。

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