※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 71 ~
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「ヤッ、あっ……あんっ」
快感が強すぎたのだろう。早くも逃げ出そうとする愛羽さんの両脚に腕を回しておさえつけた。
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――まったく……気持ちいいとすぐに逃げようとするんだから。
やれやれと心の中で首を振ってから、私は愛羽さんのナカから舌を抜いた。
「んっ、ん、ぅ……は…っ…は……」
異物感が無くなった身体から、緊張感と強張りが抜けて、彼女は浅かった呼吸をゆっくりと深めてゆく。
それでも突然押し込まれた舌から与えた快感の余韻はその身体に残っているようで、呼吸の合間に微かに漏れ聞こえる甘声や、掴んだ脚が小さく震えている。
おさまるまで待ってあげたい気もするけど、彼女を”おかしくなる”という状態に突き落としたい気もする。
正直なところ、後者への思いの方が強いので、困っている。
だって、優しくしたいのも本音なのだ。
甘くて蕩けるような快感に浸らせて、幸福的にとろっとろの脳みそにしてあげたい気持ちももちろんある。
だけど私の狂暴で凶悪なる加虐心が、もっと彼女を啼かせろと腹の底からガンガンと私の心臓を突いてくるのだ。
自分は比較的理性の強いタイプの人間だと自負しているが、セックスとなると人が変わってしまう。
可愛い恋人を目の前にして、さらに可愛く喘がれでもすればすぐに理性なんて消し飛んでしまう。
この時ばかりは、「我慢は体の毒」なんて言葉を、都合良く信仰してしまうのだから、私利私欲にまみれた駄目駄目な人間である。
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腕を回して押さえつけていた脚をよっこらしょと引き、枕の方へと逃げた身体を引っ張り寄せる。
もっと太ればいいのにと改めて思うくらい、すんなりと身体を引き寄せることのできる軽さ。
「逃げちゃ、駄目でしょ?」
「…や、ぁ……っ」
震える息と共に吐き出された今の声はきっと、嫌と受け取っていいものだろう。
抵抗する為にまた私の頭を、愛羽さんの手が押しているのだから。
――そうやって力が入ってないってのを教えてくれてるのもまた、興奮してくるんだけど……そんな事も分かってないんだろうな。
と、いうか私はきっと、彼女がどんな行動をしても「かわいい」と思ってしまうし、興奮が増してしまうんだと思う。
だって、「ばか」と罵られても可愛いと思うし、「きらい」と拒否されても可愛いと思ってしまう。
――言葉の通じないサルか私は。
改めて自分の状態を考えると異常にも思える。
だけど、本気で罵らないし、拒否しない愛羽さんの言葉は、いくら投げつけられたって可愛いとしか感じないのだ。
――なにより、惚れすぎなんだよな。
結局は、それだった。
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「好きだよ」
まるで唇へキスするみたいに、蕾へと口付けた。
彼女が平静を保っているならば「どこに向かって言ってるの」と突っ込まれそうだが、まぁ、それは、仕方ない。だって、彼女の唇は今喘ぐのに忙しそうだから。
だけど耳はちゃんと私からの告白を受け取ってくれたみたいで、彼女の指がぴくんと跳ねたのを頭皮で感じる。そのあと、くしゃりと曲がって、髪を握り込む指もまた、かわいい。
「もっと……気持ちよくなって……?」
熱を帯びた蕾をちゅ、ちゅ、と音を立てて啄むと、頭上からは甘く声があがる。まだ、この蕾への愛撫は始まったばかりだというのに、”もう限界”と言わんばかりに上擦っている声に、私の心臓は妙に騒ぐ。
……たぶん、気のせいではなくて、この暗闇の中だと、愛羽さんが喘ぐ事に対して抵抗をあまり感じていないから。
――いつもより声が……腰にクる……。
気を抜けばこちらがやられてしまいそうなくらいに煽情的な声音に、どうしても耳を澄ませてしまうが、そうしてしまうと、理性が濁流に呑まれてしまう。
いっそ、愛羽さんが脚を閉じて私の両耳をその柔らかな太腿で塞いでくれると、愛撫に集中できるんだけど、なんて思いながら、私はごくりと唾を飲み込んだ。
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