隣恋Ⅲ~のたりかな~ 70話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 70 ~

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「雀ちゃんに、……舐めて、ほしい……」

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 全身の毛穴という毛穴が開いたかと思うくらいにどっと汗が吹き出した。

 一気に上昇した体温に、思わず息が乱れて、彼女の脚を撫でる手が無駄に力んでしまう。

「可愛い、愛羽」

 熱っぽく告げて、私は彼女の膝裏を持ち上げるようにして、脚を広げさせた。
 膝を曲げずに開かせる体勢は意外と辛いものらしく、舐め始める時はこうして、いわゆるM字開脚をさせるのだ。

 まぁでも結局は、脚に力が入らなくなってくると、だらりと伸ばしきる形になるのだが。

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 恥ずかしいのだろうか、彼女からいつもの台詞が飛んでこない。
 さすがにこのタイミングで否定しない性格に変わった、とは考え難い。きっと、自分が言わされた台詞の恥ずかしさに、真っ赤になりながら耐えているところなのだろう。
 全く本当に、あれで年上というのだから、可愛いくて仕方ない。

 確かに考えてみれば、愛羽さんの性格で年下、という人が居たとしても、年上でこの性格の愛羽さんが断然、好きだ。

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 そんな事をつらつらと考えながら、愛羽さんの脚の間に身体を割り入れて、太腿にキスを散らしながら、顔を秘所へと近付ける。
 と、いきなり、頭が掴まれて、デジャヴを感じた。

「や、やっぱりだめ……さっきよりすごいことになってる気がするもの」

 一息にそう告げた愛羽さんはなんだか焦っているようで、腕に力が入らない割には結構頑張って私の頭を押しのけようとしている。
 髪を引っ掴んだりしない所が彼女の良心的な部分を現している。

「今更駄目とか無効だよ」
「だ、って」
「だーめ」
「でも」
「でもじゃなくて、だーめ。ほら、寝てないと、ガクッてなっちゃうよ?」

 ここを舐め始めても、触り始めても、愛羽さんは一気に身体から力が抜けてしまうはず。
 頭に手が届くくらいに身体を起こしているとなると、私が急に舐めれば、彼女の上体は崩れ落ち、頭は枕にダイブする。

 そうなってしまわないように親切心で言っているのだが、彼女は頑として引かない。

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 さっきよりもすごいことになってそうだから、という理由を挙げるのがまず間違いだ。
 私がそんな情報を聞いてしまったら、当然、余計に舐めたがると何故分からないのか。いつもはものすごく回転する頭も、セックス中となるとその力を発揮できなくなってしまうのだろうか。

「雀ちゃん」
「そんな可愛い声で呼んでも駄目。私だって愛羽を気持ち良くしたくてたまんないんだから」
「でも、そんな気持ち良くされすぎちゃったら、わたし、おかしくなっちゃう……」

 彼女の言葉に、私はちょっとだけ、吹き出した。
 そして、頭をおさえるその手首をガシリと掴んで、引き寄せ、その指先をガジリと噛んだ。

 少し遠くから「いっ……!?」と聞こえて、その声の感じからアタリをつけて、上目遣いで愛羽さんを見上げた。
 噛んでいた指先から歯を離し、代わりに舌を擦り付けてから、言う。

「おかしくなればいい」

 貴女がそうなることを、私は求めているんだから。

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 私が引いたことで、行為を遮る手はなくなった。

 指先に音を立ててキスをすると、パッと手を離し、遮る暇すら与えないように伸ばした舌で秘所を突いた。
 これは本当に、図った訳ではなく、たまたまだったのだけれども、愛液が溢れに溢れていたおかげでか、私のポジション取りが幸いしてか、ずぼっっと挿ってしまった。

「ぁアアッ……!?」

 多量に吐息を含んだ嬌声が響くと同時に、ばふ、と音がしてベッドが揺れた。
 やっぱり、私が予想していた通り、彼女は崩れ落ちてしまったらしい。
 大丈夫かなと心配するけど、一方で、「ほら、言ったじゃないか」と思ってしまう。
 だけど、いきなり、舌を割れ目に挿し込んでしまったのは申し訳ない。私にとっても予想外だったのだ。
 暗くて分からない距離感を掴むために、口腔外に舌を伸ばしたまま顔を突き出したら、挿ってしまったのだ。

 私の予想というか、計画では、蕾辺りに舌先が触れて愛羽さんがベッドに崩れ落ち、私は位置や距離感を把握する、というものだったのだが。

 随分と秘所との距離は近付いていたようで、ずぼっと、いってしまったのだ。

 顔の横では、脚ががくがくと震えているし、愛羽さんは引き攣るように乱れた息を吐き、吸い、嬌声を零している。

 だけどそれこそが、私が求めていた「おかしくなればいい」の状態の片鱗。こんなもの序章にしか過ぎない。愛羽さんにはこれ以上になってほしいと思っているのだ。

 鬼畜で変態的なこんな心を彼女に曝け出す訳にはいかないが、私は嬉々として、挿ってしまった舌でぐるりと浅いところをかき回した。

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