※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 65 ~
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「いまさら、照れてるの?」
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ちょっと揶揄うような響きの声で、我に還った。
はっとして普段のように目の前の物に焦点を合わせようとして、失敗する。
そういえば、真っ暗なんだった。
そんな事さえ失念する程に、先の愛羽さんは綺麗だった。いや、綺麗という言葉さえも陳腐に思える。美しい。この言葉こそが相応しく思えた。
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「照れては、ないけど」
「じゃあもっとキスして」
首に絡まったままだった腕が私を引き寄せて、唇を重ねさせた。
今度はキスの寸前に目を閉じたけれど、どうにも気になって、彼女の唇を啄みながら軽く瞼を開けた。
と、目が、合う。
「んぐ」
まさか、また、目が合うだなんて思っていなかった分、余計心臓が跳ねた。思わず声も漏れてしまって、愛羽さんに、笑いながら唇を離されてしまった。
「なぁに、本当に照れてるの? 今更よ?」
クスクスと笑う彼女はじゃれるみたいに再度私の唇を啄むけれど、それは遊びみたいなものらしく、ずっと笑っている。
「ちが、くて。目が、あう、から」
ちゅ、ちゅ、ちゅ、といつまでも啄まれるので仕方なしにそのキスの合間に反論すると、ついに愛羽さんは本格的に吹き出してしまった。
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笑い声を立てる愛羽さんはくしゃくしゃと私の髪を撫で回してから、「あーおかしい」と笑みを含んだ声で言った。なんならまだ笑いだしそうだ。
「それこそ今更じゃないの。暗くしてからでも目、合ってたでしょう?」
「え?」
「……え…………?」
いやいやいやいや。待ってまって。目、合ってた?
そんな記憶どこにもないんだけど。
少々の沈黙の後、愛羽さんが私の首から腕を退けた。
「……どこまで見えてるの?」
私は両肘を彼女の頭の横に着いて、頭を下げない状態を保ちながら真っ暗闇の中、僅かに見える輪郭へ向かって話しかけた。
「ここで輪郭しか見えない」
「えっ、……え!? ほんとに!?」
「嘘つかないって」
「えぇ…………どこまで近づいたら見えるの……?」
うーん……どこだろう。
私はゆーっくりと顔を近付けながら目を凝らす。
目を細めてみても、全然、見えない。さらに寄って、寄って、寄って、初めて目らしきものが認識できたのはもう、唇が触れ合いそうな距離だった。
「ここ」
「うそでしょ……」
呆れと苦笑と驚きを混ぜた声で呟いた彼女が、そのまま私の唇を奪う。
ちゅ、ちゅう、と先程とはちがって甘さを含んだキスを与えられて、こちらからも啄み返すと、彼女の腰が揺れた。
あぁそういえば強制中断していたんだった。
この体勢ならこれしか出来ないけど、無いよりはマシだろう。
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私は彼女の秘所に右脚を押し付けた。
「ンッん、…は……ぅっ」
「擦り付けてていいよ?」
囁いてすぐに唇を重ねると、切なげに片目を閉じた愛羽さんが、残ったもう片方の目で私をにらんできた。
急にあてたのがいけなかったのだろうか。
「なに?」
「これ、っ……はっ、はぁっ……ン、きら、い……っ」
震える声が、気持ち良さそうに、「きらい」と言う。これは一体、どうしたことか。
「きらいな割には、さっそく、当ててるけど?」
先程と違って、私の素足に触れる感触は濡れそぼった茂みと、ぬるつく愛液と、熱いアソコ。
蕾を押し当て、擦り、潰すみたいに押し付けられるその感覚は正直、興奮して仕方ない。
「だから、よっ……ん、ァ…っ…」
「だから? きらい?」
何がどう繋がって、だから、なのか。
理解不能でオウム返しに聞くと、愛羽さんは私の腕に手をかけた。
「気持ちよくて、動かしちゃうからっ、きらい……っ」
キッ、と爪を立てられて、私は思わず、唇を奪った。
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だがその拍子に、少し唇の位置がずれた。
完全に外した訳ではないけれど、明らかに、失敗したなと分かる程度のハズレ。
それまで、自身と私の脚で生み出す快感に息と身体を震わせていた愛羽さんがフッと笑った。
「鳥目」
な……くそぅ……確かに昔から暗い場所では本当に見えなくて苦労していたけど、よもや自分が他の人よりも夜目がきかないだなんて思ってもみなかった。
だけど、先程からの愛羽さんの様子を見る限り、彼女は私よりも暗闇に強いタイプと認めざるを得ない。
爪を立てていた彼女の手がもちあがり、スッと顎をひっかけて私の顔の向きを修正する。
「キスするなら、ここ」
チロリと掠めるように唇を舐めて誘われて、私は今度こそ、口付けた。
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