隣恋Ⅲ~のたりかな~ 62話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 62 ~

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 私は愛羽さんの様子を窺った。

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 先程の指を締め付ける感覚と、息遣い、それと身体の痙攣と余韻の長さ。それら全部を総合して考えてみると、絶頂は軽いものではなかったと思う。
 たまにある、快感のメーターの針が一瞬振り切れた拍子にイッてしまうあれとはまた違って、長時間前戯をしてそのあとの挿入があって……みたいな流れでちゃんと迎えるあのイき方だった。

 だけどよく考えれば……いやよく考えなくとも分かる事だが……愛羽さんはついさっき、絶頂を迎えたばかりじゃないか。

 ――……流石に、イクの、早くないか……?

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 だから今、本当にイッたのか? という疑問が沸いて仕方ないのだけれど、確かに彼女はイッていた。身体も声もそう訴えている。
 いっそ照明をつけて確認してしまえば完全完璧な確信がもてるのだけど、……たぶん、今そんなことしたら下からアッパーをくらいそうな気がするのでやめておく。

 ――早すぎるとしても……やっぱり確かにさっきイッたよな……?

 脳内で問いかけるも、答えてくれる声はなし。
 私はおそるおそる、息を整えている最中の彼女に声を掛けた。

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「大丈夫……?」
「ふ、ぁ……? あ、うん……ごめん、ぼーっとしてた」

 第一声可愛い過ぎやしませんか! と心の中で叫んだ拍子に、ナカに入れっぱなしだった指がひく、と動いてしまった。
 すると当然、愛羽さんが「んぁっ」と気怠さの残る甘声をあげて腰を引くようにベッドへ押し付けた。

「きゅ、きゅうに…動いちゃ……だめ……」
「ごめんって思うけど……今のセリフで動かしたくなった」

 駄目と言われたらそうしたくなると、何度言えば分かるのだ。
 湧き起る衝動を堪えつつも、我慢できない分を太腿に噛みつくことで発散させる。

 柔らかな肉感のそこは、甘噛みするのも気持ちいいし、ツルリとした肌に口付けるのも舐めるのも気持ちいい。

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「ちょ……と……っ」

 食いしばった歯の間から息を吸い込む音が聞こえる。どうやら、声を抑えようと歯をかみ合わせているみたいだけど、時折聞こえる甲高い甘声は”抑えられている”とは言い難いほどに私の耳へと届いてくる。

「あっ、は…ン……ッ……まだ…っ、待、って……っ」

 確かにイッてから2分も経っていない頃だろうか? 休憩と言える休憩もさせてあげてないが、……私はなんだか我慢できそうにない。

 ナカの指をゆっくりと指先まで引き抜いて、抜け落ちないギリギリのところまでくると、その逆方向へとずぶぶと埋め込んでゆく。
 それは激しい動きなどではないのだが、愛羽さんにとっては絶頂の余韻も冷めやらぬ熱い身体に快感を更に与えてくる酷なもののようだった。

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「ンッぅう…っ、や、ぁ……っ」

 震える甘声に、私の昂りは増すばかり。
 自分を落ち着けるためにも、はぅと強めに息を吐いて肺の中身を空っぽにする。そして大きく吸い込めば、これはしまったと思うも、すでに遅し。
 肺いっぱい、胸いっぱいに彼女から立ち昇る雌のかぐわしい香りを吸い込んで、脳が痺れてしまった。

 そりゃ自分は顔を秘所に近付けているのだから息を大きく吸えばこうなって当然なのに、私は馬鹿かと突っ込みたくなる。

 いや”馬鹿か?”でなく”馬鹿”なんだ。

 私は愛羽さんの前では、馬鹿にしかなれない。

「す、ずめ、ちゃ……っ」

 ほら、名前を呼ばれただけで、腰が砕けそうになってしまうだなんて、馬鹿すぎてアホすぎて……彼女には一生秘密にしておかなくてはと思ってしまう。
 ただ、可愛い声で呼ばれただけなのに、熱くて、寒くて、砕けそうで、力なんてひとつも入らなくなる。そんな恰好悪いところ、知られる訳にはいかない。

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