隣恋Ⅲ~のたりかな~ 54話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 54 ~

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 私の渾身の謝罪に愛羽さんはけらけらと笑い声を立てた。

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 蓉子さんのおすすめとか、何を教えてもらうか分かったものではない。なんかもう見た事もないようなゴテゴテの物を勧めそうだし、使用方法も嬉々として教えてきそうだ。
 恐ろしい。
 もしそんな事になったら泣く自信があるぞ。

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「ん~ふふ、じゃあ、さっきあんなに気持ちいいか聞いてきたのは、なんでか教えて?」

 私の首に腕を回して抱き寄せながら、若干まだ気怠さの残る声で甘く問う。蓉子さんを用いた脅しが有効だったので随分とゴキゲンだ。

「……言わなきゃ、だめ、デスカ?」
「だぁめ。今から蓉子さんに連絡しよっか?」

 する気など無いのだろうけれど、くすくす笑いながら言う愛羽さんが可愛いくもあり、にくらしくもある。
 でも最終的には好き過ぎるから、そんなふうに笑ってる愛羽さんもやっぱり可愛いなぁという所に収まる。お花畑な頭の私は馬鹿なんだろうな。

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「観念しなさい?」

 楽しそうだなぁ愛羽さん。ていうかナニその、「逮捕しちゃうぞ」みたいな可愛い台詞。
 そんな台詞が聞けたのは非常に嬉しいけれど、私が今から白状することでこの後の行為中ずっと声を我慢されるかもしれない。そう考えると気が重い。

「…………………………あの、ですね」
「うん」
「その……気持ちいいんだろうなっていうのは……声聞いてて分かったんですけど……愛羽さんに気持ちいいか尋ねて……きもちいいって言われるのが嬉しかったのと、可愛いかったので……何回も聞きました……」

 その後、ベッドの上に広がる、沈黙。

 この部屋に時計はないけれど、もしもあったならば、秒針の音が随分と大きく聞こえたと思う。そのくらい、静かだった。

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 部屋に広がる沈黙を破ったのは、愛羽さんだった。

「それだけ?」
「えと、はい……」
「なぁんだ。期待してたのに。そんなの雀ちゃんいつもわたしに言わせてるじゃないの」

 普段と変わらないよ、と愛羽さんは笑う。
 そこで私は……閃いてしまった。

 ――これはきっと、自分が乱れてることに……愛羽さんあんまり気付いてないんじゃないか……?

 いやいやそんな事あるはずない。と打ち消したくなるが、私の下で「なぁんだ残念」と言いながらキスしてくる彼女に照れた様子も恥ずかしがる様子もない。

 ということは、だ。

 自分があれほどまで乱れた自覚が無いと仮定をして、その態度だと考えてみれば、頷ける部分も大きい。

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「ね。ね。そんなに、わたしが気持ちいいって言うと……嬉しかったりするの?」
「そりゃあもちろん。たくさん言ってもらいたくて質問するくらいには、嬉しいです」

 あんな可愛い感じで「気持ちいいからもっと」と強請られてみれば誰だって嬉しいと思う。あと、物凄く、こちらも興奮する。

「ならわたしは……もっといっぱい言うようにしたらいいね」
「だ、大歓迎ですけど……無理して言わなきゃって思うよりは、言いたくて言ってもらった方が私も安心します」
「若い子じゃないんだから、わざと喘いだりイッたふりしたりしないって」
「……若い子はするんですか、そんなこと」

 なんだその新情報。驚きだ。
 若いとわざと、喘ぎ声をあげたり、イッたフリをするだって?

 どうしてわざわざそんなことを。

「若い子同士で付き合うと、初めてとか遠慮とか恥ずかしいとか色々あって、雰囲気でイッたフリとかあるの」
「……」

 言いきったな、愛羽さん。……てことは、多分。

「ご自身にも、身に覚えがあると?」
「え゛っ……?」

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