※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 52 ~
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「じゃあ……耳、貸してもらえますか?」
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愛羽さんがこしょこしょと囁いてきたので、私も倣ったようにこしょこしょと囁き返した。
バカップルかよ、と自分で突っ込みを入れたくなるけれど、ちがう。そうではない。私は策を遂行中なのだ。
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どういう策かというと、この問い掛けの答えをうやむやにしてしまおうという策だ。
まさか「気持ちいいって言って欲しくて何回も同じ質問しました」なんて本当のことは言えない。
そんなの言うくらいだったら、愛羽さんに騙し討ちをして後で怒られるほうがマシだ。
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そんな身勝手な考えを私がしているとも知らず、優しい優しい愛羽さんは「いいよ」なんて甘えた声で告げて、首に回して抱き着いていた腕を緩めて、右耳をこちらへ向けて、枕に頭を預けた。
彼女の耳に髪がかかっていないか、手探りで探り、僅かな髪を発見。指でそっと払って、後ろへ流す。そんな仕草さえくすぐったがるほどの、耳の弱さ。
なのにこうして、こちらへと差し出してくれる彼女の優しさに感謝して、私は裏切った。
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出来るだけ顔を近付けて、耳に唇が触れそうな距離まで寄ったその直後、舌を突き出して孔へ、ぬぽっと挿し込んだ。
多分、彼女には”くじゅっ”という粘り気のある水音が、脳に直接送り込まれたような感覚がしているだろう。
「ひぁっ、あっ……!?」
現に、あがった嬌声には、快感によるものと驚愕によるものが含まれているが、驚愕の色の割合が強かった。
彼女がびくっと震えた拍子に、舌は孔から抜けてしまったけれど、そのまま耳を舐めて、横を向いて浮き出た首筋をつつつ……と這わせて、鎖骨に辿り着くころには、彼女の声は甘く溶け始めた。
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「ふぁっ、ぁっ、んぁっ」
突然新たな場所を開拓し始めた舌に、思ってもみない快感を叩き込まれた彼女は私の身体や首に腕を回せもしないのだろう。
見えないのでなにを掴んでいるかは不明だけど、時折、パリッと音がするのでシーツか、枕にその手を縋らせていると思う。
その姿を想像するだけで、先程の質問を誤魔化す為だけでなく、愛撫に力が入るというものだ。
「あっあっ、…はっ……んンッ、っぁ……」
上擦るその声も可愛い。なんて思いながら、浮き出た鎖骨に舌を押し当てたまま左右に首を振る。
ここを舐める度にいつも思う。もっと太ってもいいんじゃないかなぁと。
だって、こんなに浮き出て、鎖骨の上のへこみの所にはシャワーを浴びれば水が溜まるんじゃないかと思うくらいだ。
なのに彼女に太ればいいのに、なんて言おうものなら、物凄くにらまれる。
愛羽さんが太っても私は全然気にしませんよ、と言ったときには「雀ちゃんが気にしなくてもわたしが気にするの!」と結構本気で怒られた記憶がある。
そのあと、雀ちゃんの年じゃわからないかもしれないけど、年齢いってからは脂肪が落ちにくくて付きやすいんだからねっ、と力説されてしまった。
そのくらい、タブーな事なんだろうけど、私はいつも、ここを舐める度に太ればいいのにと思ってしまう。
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これじゃあまるで犬の骨ガムみたいに咥えられそうだ。
なんて思いついてしまったのがいけない。
実際に噛んでみたくなるのだから。
――痛くないように、そーっとそーっと。
心の中で唱えながら、大きく開けた口で、かぷ、と噛んでみる。
歯で挟んでみると、愛羽さんの身体がびくんと跳ねた。その拍子に私の脚にずっと擦り付けていたアソコもさらに強く押し付けてしまったようで、立て続けにまたビクンと身体を震わせた。
「~~~ッ、ハッ、~~~ッんっ……ハァッ」
声にならない声と、荒い呼吸が交互に聞こえて、え? これは? まさか? と一つの疑惑が浮かび上がってくる。
だがまだ、疑惑のレベルで確信ではない。だからそのまま、鎖骨をれろぉと舐めた所、彼女から声が上がった。
「待っ、……イッ、て……るの…ぉっ……んぁァ……っ」
疑惑が、確信に、変わった。
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