※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 51 ~
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待ってとか、だめとか言わない彼女も珍しい。
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「ン、ぁっ……はぁ、んっ」
左耳をたっぷりと可愛がったあと、今度は反対の耳と攻める場所を変えたのが先程。
だけど、首を舐めている時も、左耳を舐めている時も、珍しく、愛羽さんの口から「駄目」「待って」の言葉が発されなかった。
しかも、嬌声を堪えている様子はほとんど見受けられなくて、内心、目を丸くしていた。
だって、セックスの際必ずと言っていい程声を我慢するのが愛羽さんの特徴だ。
数十分前には声も息も我慢していたくらいの人だし、今回も大丈夫かなと心配はしていたのだが、それはどうやら杞憂に終わったようだ。
その点は良かったなぁと思うのだが、今現在物凄く後悔が胸を埋め尽くしている。
だって、ラブホテルという声を出しても構わない場所という条件。そして、真っ暗闇という条件。この二つが揃えば愛羽さんはこんなにも乱れに乱れてくれるのだ。
この衝撃の事実をもっと早くに知っていれば……という後悔は物凄く、大きい。
人に言えば笑われてしまいそうな後悔だけど、私にとっては重大な事だ。
だってなにせ、耳を舐めている最中に「気持ちいい?」と囁けば、喘ぎ声の間に「気持ち、ぃいっ……ぁっ、やめ、ないで…ぇ…っ」とまで言ってくれたのだ。
あの愛羽さんが。
何度も言うが、あの照れ屋な愛羽さんが、だ。
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思い出すだけでも胸の奥がきゅっとなる。
いや、別に、思い出す必要はないのだ。だって、今、聞けばいいのだから。
「ねぇ、愛羽さん」
ちゅうと吸い上げていた耳たぶを解放して、荒い呼吸の間に甘声を零す彼女の耳にそっと問い掛ける。
「な、に……?」
とろんとろんに蕩けた声が、若干掠れているのが色っぽさを8割増しで演出している。それだけで私はぞくりとしながら、彼女の耳の孔へと囁いた。
「耳舐められるの、気持ちいい?」
「んぅ、気持ち、いー……よ? ど、して?」
つい先程も尋ねたばかりだったので重なる質問を不思議に思ったのか、愛羽さんが首を傾げた。
まだそのくらいの判断が出来る理性や記憶は残っているようで、内心”しまった”とひやりとする。
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「愛羽さんのこと、ちゃんと気持ち良くできてるか、ちょっと不安だったから」
まさか、「気持ちいいって言って欲しくて」だなんて言えない。
急遽取り繕ったような答えを用意してみれば、ようやく整ってきた呼吸にのせて、「んーんぅ?」と甘えたような声あげながら愛羽さんが私の頬にキスをした。
そして首に両腕を回してぎゅっと抱き着きながら、私の頬と自分の頬をくっつけて、耳元に唇を近付けてくる。
「うそつき」
「……」
私は咄嗟に、何も言葉が出なかった。
よもやそんな事を言われるだなんて、思っていなかったから。
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沈黙した私に、”やっぱり図星か”と言わんばかりの声で、愛羽さんが更に「うーそーつーきー」と繰り返す。
「ホントはなんで?」
マジで。一体どうしてこうなった。
さっきまでこのひと、喘いでたはずなんだけど……。なんで今こうしてシッカリして尋問まで出来てんの……?
「……」
信じられない状況で、さらに私が沈黙を続けていると、愛羽さんはおかしそうにクスクスと笑い始める始末。
あの……そこで笑われると、息が耳にかかってくすぐったいんですけど……。
「だぁからぁ。声聞いたら分かるんだってば」
あ……、そうか……そういえばそんな事言ってたな……。
いやでもまさか、感じまくって喘ぎまくった直後でも、ウソが通用しないだなんて思わないじゃないか。
がっくりと肩を落としたい心境の私の耳に、愛羽さんがこしょこしょと内緒話をするみたいに囁いた。
「ホントは、どうして?」
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