※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
===============
~ のたりかな 49 ~
===============
可愛い。
===============
そんな、催促するほど私と舌を絡めたキスがしたいと思ってくれているのかと思うと、年上の彼女が可愛いくて仕方ない。
胸の奥が疼くようにきゅっとなるのを心地良く感じながら、私の唇をうろついている舌先をはふと咥えた。
===============
唇で挟んだそれはやはり熱く、私の唇との温度差が大きい。
「んっ」
待っていたと言わんばかりに愛羽さんはこちらの口内へ舌をさらに挿し込もうとするけれど、私が軽く頭を後ろに下げてそれを阻む。
不審そうに、不満そうに、喉奥で小さく唸るように声をあげた彼女は、”いったいどういうつもりなの”と言わんばかりに私の髪を少々強めに握る。
後頭部の頭皮が引っ張られる感覚に痛みこそないものの、髪の毛抜けたらどうしようと不安がよぎる。が、そんな掴まれた髪全部がごっそり抜けるなんてことはないだろうから、私は目の前の舌を可愛がることに集中した。
===============
唇で挟んだ舌先に軽く吸い付いてみたり、唇で扱いてみたり、舌先と舌先を合わせるようにしたり、そのままくるくると舐めてみたり。
始めのうちは不満を込めて髪を引っ張っていた愛羽さんだけど、舌を刺激されるうちにだんだんとその力は弱まって、甘く声を漏らし始めた。
「は……ん……」
頃合いを見計らって一旦舌先を解放してあげると、僅かにあがった息をはふぅと漏らす愛羽さんが可愛い。
だって、さっきまであんなに深いキスをしたがっていた本人が、”すこし休憩”とばかりに息を整えようとしているのだ。
ただ舌先をじっくり可愛がっただけでこの有様。
可愛い過ぎる。
真っ暗なせいでその表情を拝むことはできないが、さぞ可愛いらしいことだろう。
===============
でも、完全に息を整えるまで待っていてあげられない。
それは彼女が可愛いというのも、原因の一つだから甘んじて受け入れてもらおう。
ちゅ、と唇を軽く合わせてから、それを触れさせたままで囁く。
「舌、出して」
微かに息を呑む気配は聞こえたものの、私が唇を開いてみせれば自らそこへ舌を割り入れてくる従順さ。
舌の半ばまで挿し込まれたところで、唇で挟んで軽く吸い付く。そのまま口をすぼめて扱くようにしてやると、愛羽さんの手がくしゃりと髪をかき回した。
「ふ、……っんん……っ」
ぐっちゅ、と私の口内で唾液と愛羽さんの舌がぶつかり合って音を立てるけれど構わず続けていく。
できるだけ奥まで咥え込んだあとに下側を、れろーっと舌先で辿ってやると、甘声が一際高くなった。
――あぁ、これが気持ちいいんですか?
聞こえるはずもないのに、心の中で問い掛けて、二度、三度と同じ動作を繰り返す。
===============
そうすると、腰が疼くのか、彼女の下半身がベッドに腰を押し付けるみたいにくねり始めた。
――多分、無意識なんだろうなぁ。可愛い。
今はキスに夢中の彼女のことだ、腰を動かそうだなんて思っていない。
私はもう一度、愛羽さんの舌を根元から扱きあげて唾液をかき集めて、ゆっくりと彼女の舌を口内から引き抜いた。
唇の裏にはたっぷりと唾液が湛えられていて、彼女の上に四つん這いになっている体勢の私が口を開けば、滴り落ちるだろう。
そっと彼女に口付けて、いつも通りに唇を啄んで、愛羽さんが再びこちらへ舌を伸ばしてきた瞬間に、たっぷりと唾液を絡ませた舌を、彼女の口内へと送り込む。
「んっン…ッ、ん」
もちろん、捻じ込んだ舌に続いて、溜め込んでいた唾液全てを注ぎ込む。多分、いままでした中で一番多量の唾液の移し替えだ。
焦ったようにくぐもった声をあげた愛羽さんの口内から舌を抜いて、私はにやと笑った。きっとこの笑顔は目撃されてはいないだろうが、見られたら「意地悪な顔してる」と言われそうだ。
「呑んで、全部」
支配欲の塊の私が冷ややかに告げると、愛羽さんの手が私の髪をぎゅっと掴んだ。心なしかその指先が震えている気がするが……たぶんそれは気のせいではないだろう。
===============
※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※
コメント