※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 47 ~
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「そういう雀ちゃん、好きよ?」
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喉の奥で思わず、短く唸った。
とろんと蕩けきった甘い声でそんな事を言われると、どうしようもなく、胸の奥がきゅうぅっとなってしまう。
下手すれば、私の心臓は愛羽さんの言葉一つで機能停止してしまうかもしれない。そのくらい、彼女の言葉は私にとって影響力が強かった。
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「照れてる」
「てれ、ますよ……そりゃ…」
尻すぼみになる声だが、肯定せざるを得ない。ていうか、否定なんかできない。
ばくばくと鳴る心臓の音だって、聞かれているんじゃないかと思うと、余計、速く大きくなってしまいそうだ。
「体、あついもんね」
「そ、うですか……?」
確かに顔も身体も熱いけれど、相手にまで伝わるくらい、体温が上昇しているなんて。
なにか、別の事を……お経でも唱えて冷静さを取り戻さなくては……。
胸中で冒頭を唱え始めると、頬にあった手が後頭部へと回されて、引き寄せられた。
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重なった唇は、確かに彼女の方が冷たいと感じた。
ひやりとしていて、触れているのが心地良い。なんて思っていると、私の唇よりも熱い肉が、のそりと姿を現して私の唇を舐め始める。
――誘ってるのか、それとも、怠いのか。
ゆっくりと、ゆったりと、左右に舐められる感覚に、耳が熱くなる。
咄嗟に閉じた瞼の裏は真っ暗だが、その闇はいつもより濃いように見える。部屋が暗いせいだろう。
彼女の口からハッキリと、もう一度セックスがしたいと告げられていないのが辛い。だって、告げられていれば、この舌に自分のそれを絡めるけれど、そうでないのなら、これはただの情事の後のピロートークに似たようなものだ。
――どう、すれば……。
愛羽さんの行動だけを見れば、私の服を脱がせたり、キスを自らしたりと、抱かれたがっているように思える。
だけどあの時、何をして欲しいのかという質問の答えが、「セックス」ではなくて「抱き締めて」だったから私は余計、戸惑う。
嫌々抱いても、仕方ないのだから……これはもう……彼女に尋ねるしか……ないのだろうか。
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――……そんなの恰好悪い。
もう一人の自分が胸中でやれやれと首を振る。「抱いてもいいですか?」なんてこのタイミングで言ったら恰好悪いじゃないか。
でも……でもそこの白黒をハッキリさせないと、どうにもならないぞと考えた瞬間、愛羽さんの舌がそっと離れた。
「……舌、だして」
耳が、熔けるんじゃないかと思った。
囁かれる声が甘くて、柔らかくて、加えて、すぐに先程と同じように唇を舐めてくる舌の熱と感触が堪らない。
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軽く唾を飲み込んでから薄く唇を開ければ、愛羽さんの舌が浅く入ってくる。上唇を捲るみたいにれろんと上へ舐め上げられて、うなじの肌が粟立った。
そんな反応を見越していたのか、後頭部を引き寄せていた手がすすすと下へおりて、泡立ったばかりの肌を爪先で軽くひっかく。
「ぁ…」
ぞくっと強い疼きが腰に響いて、吐息に混じって声が漏れ出てしまう。
思わず、伸ばしかけていた舌をしまって、顔を引くが、愛羽さんの手によって阻まれた。
「逃げちゃだぁめ」
「だ、って」
「だって、なぁに? 気持ち良かったから?」
「……」
正解を突かれて黙る私に小さく笑みを零した愛羽さんは、うなじの手でさらに顔を引き寄せながら、いつもの3割増しエロくて甘い声で、私の鼓膜を犯した。
「わたしも気持ち良くなりたいから、おんなじコト、して……?」
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