隣恋Ⅲ~のたりかな~ 33話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 33 ~

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 ブィィ……と鳴り始めた振動音に、愛羽さんの瞳が大きく揺れた。

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 コクン、と生唾を飲み込んだ愛羽さんを見上げた私の顔はさぞ、愉しそうに意地悪そうに笑んでいることだろう。
 我ながら悪趣味だなとは思うけれど、こんなにもあからさまに怯んで、動揺を見せる愛羽さんを目の前にすると、苛めずにはいられないのだ。

 相変わらず私の左手は彼女の胸をさわさわと撫でているのだけど、そこから与える快感に見向きもできないくらい、愛羽さんの目はローターに釘付けだ。

 そんなに、欲しいのか?

 右手の動きをじっと目で追う様子が可愛くて、焦らすということも出来ずに、私は彼女の胸の頂きにピンク色のそれを押し当てた。

「んっ」

 我慢しているのか、短くしか零れなかった声。

 ――もっと、声、聴きたい。

 むらっと頭を擡げたその欲求に従って、私はローターをさらに強く押し当てた。
 だけど。

「……」
「……」

 愛羽さんの口から嬌声が、零れ出てこない。

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「え、っと?」

 確かに、ローターはブィィ……と音を立てている。だから、振動しているはず。もちろん、私の手にもその振動は伝わってきているから、彼女の胸にこの微細な振動が伝わっていない訳ではないだろう。

「愛羽、さん?」

 なのにどうして、彼女は神妙な顔をして、胸にあてられたローターの感触について考え込んでいるのだろうか。

「……」
「……」
「雀ちゃん。それ、多分服の上からじゃないと、良くない」
「え゛……」
「たぶん」

 多分、という不確定な言葉を用いているけれど、どこか確信めいたものを帯びた愛羽さんの言葉に、ごくりと唾を飲み込む。
 が、その後すぐに気を取り直した私は開けていたバスローブの端を持ち上げて彼女の胸を覆うと、再度、その布越しにローターを押し当てた。

「は…っ、…んぁ…っ」
「マジか」

 思わず漏れた心の声。
 だって、明らかに感じた声を愛羽さんがあげたんだもん。そりゃ驚く。

 でも確かに、このローターを手に入れてから、使ったときは全部服の上からだった気がする。
 それで今、初めて素肌に直接触れさせて発覚した事実。
 ”ローターは服越しじゃないと、気持ち良くない”
 愛羽さんが冗談でこんな事言うはずもないし、さっきのさほど感じていない様子と、今バスローブ越しにやって感じた様子を比べてみれば、一目瞭然である。

 驚きの新事実だ。

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 その新事実が面白くてついつい、バスローブ越しに何度も何度もローターを押し当てていると、愛羽さんから「すとっぷ……!」と言われてしまった。
 若干呂律の回らない感じが可愛いなぁと思いながらも、確かにこんな片手でバスローブを持ち上げて、わざわざ布越しの状態を作り上げてのローター攻めは……いただけない。

 この新事実さえ知っていれば、先にバスローブの腰紐を解くなんて失態は犯さなかったのに。
 あと愛羽さんが身に着けているものとしたらもう、下着くらいしか……。

 下着、か。

 はぁ…はぁ……と乱れた息を整えている彼女を下から眺めつつ、私はバスローブから手を放して、右手をぐっと下の方へと伸ばした。

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「ンは、ぁッ……ぁっ」

 私の体を跨ぐ愛羽さんの脚の間に腕を伸ばし、振動するローターを押し当てた。
 布越しのその振動は随分と良かったようで、愛羽さんの口からは大きな声が漏れて、身体を支える腕のうち、左側がカクンと折れて肘を着いた。

 不意打ちに近い事もあってだろうか。愛羽さんが体勢を立て直せず、快感に震えながら、私の両横に肘を着いて半ば抱き着くような形でくっついてきてくれた。

「はっ、ん、ン……っや、ぁっ」

 肩口に額を押し当てて、胸の上辺りに熱い息と嬌声がぶつけられる。
 それだけでも十分すぎるくらいなのに、愛羽さんと顔の距離が近付いて、耳に届く甘声がより一層その威力を増す。

 ――あぁ……コレ……やばいかも。

 我慢、できるかな……。と私は胸中でぼそりと漏らした。

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