隣恋Ⅲ~のたりかな~ 28話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 28 ~

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 背が、熱い。

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 じわぁぁぁっ、というか。
 カァッ、というか。

 もこもこのタオル生地のバスローブの内側で、一気に熱が篭った感覚。
 風呂に入ったばかりだというのに、早くも汗をかいてしまいそうなくらいだ。

 ――だって、そんな可愛い台詞は……卑怯だ。

 しかも、両手を広げて迎え入れる態勢はばっちりという歓迎具合が、私を欲してくれているのだとひしひしと伝わってきて……たまらない。

 胸にグッとくる仕草を分かってやっているのか、それとも、素で、地で、やっているのか。
 後者ならば、彼女は随分と質が悪い。

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 おかしそうに笑いながら、近付いた私の首に片腕を回し、もう片手で頬を突く。

「雀ちゃんて、顔にでやすい」

 ……まぁ……嘘は下手って言われる。主に、愛羽さんから。

 渋面の私の頬から顎へかけて撫でた彼女は、鼻にかかった甘い笑いを漏らす。

「……分かりやすいと、良くないですか」
「んーん? そんなこともないよ」

 だったら、わざわざこのタイミングで言わなくても。と内心ぶつくさ言う私を他所に、愛羽さんは指先だけで私の首筋を撫でおろした。

「あぁこのひと、わたしの事、食べたくて仕方ないんだなってよく分かるから……どきどきするもの」

 ただでさえ、どきどきしてるのに。もっと、どきどきしちゃうでしょう?

 と、砂糖漬けのお菓子みたいに甘ったるく言う愛羽さんの色気に、こちらがどきどきしてしまう。いやもう、どきどきなんて可愛いものではなく、バクバクといった具合だ。

 体も熱いし、顔も熱い。加えて、胸まで熱くなってくる感覚に、私は思わず、愛羽さんを押し倒した。

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 まだ、何もしていないのに。
 情けないことに、はーっ、はーっ、と息が熱くなる。

 見下ろす彼女にその呼気がかかっているのも承知だが、どうにもコントロールできない。昂ってしまう。

「あの……媚薬って……抱きたくて仕方なくなるタイプの物だったんですかね……?」
「どうして?」

 唸るように低く問うた私の質問の答えなど、分かりきっているだろうに、愛羽さんは、質問を質問で返した。
 きっと私に言わせたいのだ。

 額同士をくっつけて、ぐりと擦る。
 自己嫌悪から作った額の擦り傷がチリリと痛んだけれど、今はそれさえも、なんだか甘い。

「……分かってるくせに聞くなんて悪趣味です」
「ふふ、ごめんね? 雀ちゃんの口から言ってもらいたくて」

 あぁもう。どうして。
 どうしてこの人はこんなにも可愛いし、色っぽいのだろうか。
 私の理性など吹き飛ばしてくれそうなくらいにエロいその表情もまた、たまらない。

 くっつけていた額を離して、鼻の頭をしゅり、と擦り付けた。

「愛羽さんが嫌って言っても止められそうにないくらい……貴女が欲しいんです」

 実際に言葉にして、口から発した途端により強くなるその想い。
 荒くなりそうな呼吸をなんとか平常通りに近付けるように堪えているけれど、なかなか上手くいかない。

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 瞳をゆるりと細めて婀娜っぽく笑んだ愛羽さんの手が相変わらず、私の首筋を上下に撫でて、誘うように煽るように動く。

「じゃあ……いま、一番何がしたい?」

 私と同じように鼻先を擦り付けたノーズキスをしながら、彼女は甘えた声で質問を続けた。
 それと同時に、彼女の両脚を跨いで膝をついている足先に、異変を感じる。

 ――どれ、だけ…煽れば気がすむんだ……。

 私の足の裏を、伸ばしていた脚を軽く曲げて指先で撫でる愛羽さん。足の親指がつつつと足の裏や、くるぶしを撫でて辿る感触はなんとも言えない感触で、ゾクゾクする。

「……ねぇ? 雀ちゃん?」

 足に気を取られて、彼女の問いに答える口が止まっていた。そんな私を催促するように、愛羽さんは首筋を爪で撫でた。

 チリチリとした痛みを伴う感覚に引き戻された意識が、目の前の愛羽さんに注がれ始めると、彼女は満足そうな色を瞳に浮かべた。

「キス、したい…です」

 自分でも少し驚くくらいに、熱に浮かされた声が喉から零れたけれど、愛羽さんはそんな私の声すら予想していたみたいで、驚くどころか嬉しそうに表情を崩した。

「じゃあ、気が済むまで……いっぱい、キスして?」

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