※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 26 ~
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心配そうに私の顔を覗き込む愛羽さんも、可愛いなぁ。
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こんな事を考えていると知られたら、デコピンでも食らわされてしまいそうだけれど、……可愛いんだから思ってしまうのは仕方ない。そう結論付けて、洗い過ぎてシパシパする目で微笑んで見せた。
「大丈夫? ごめんね、わたしが考えなしにぎゅってしたから泡が目に入っちゃって」
ぎゅってされて胸が気持ちいいとか思ってましたから大丈夫ですとは言えず。
「全然。私がなかなか思い出せなかったから、愛羽さんはヒントを増やしてくれただけですし」
悪くないですよ。と続けると、愛羽さんはシュンとした様子で私の額と両の瞼にお詫びのキスをしてくれた。
ゆっくりと顔を離した愛羽さんに、自分の唇を指差してみせる。
「ここは?」
悪戯っぽく目元を緩めたら、彼女はやっとその顔に控えめながら笑顔を浮かべてくれて、小さく呟きながら、キスをくれた。
「キス魔」
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そのままイチャイチャと甘いキスを繰り返していると、愛羽さんの手が私の肩へ触れて押し返してきた。
「……あつ、い……」
「あ。そうか。のぼせちゃいますね」
結構な時間お湯に浸かっている。ただでさえのぼせやすい体質の彼女なのに、泡で遊んでいたから、きっと愛羽さんの体はフラフラだろう。
支えるために愛羽さんの脇の下に腕を通して、いざ立ち上がろうとしたら、彼女がなぜか、ぎゅっと私に抱き着いてきた。
「愛羽さん? もうちょっと離れないと、立ち上がれないですよ」
「や……もっとキスしたい」
ズキュンと心臓を、撃ち抜かれた。
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「あ、あんまり可愛い事言わないでください。こんな襲えない場所で」
「……かわいく、ないもん」
「可愛いですから」
言いきって、愛羽さんの体をぎゅっと抱き締めた。
脳内では可愛い可愛い可愛いと呪文のように繰り返しながらも、ふにゃりとしている愛羽さんの身体を案じて、火照ったその顔を覗き込む。
「あとで嫌っていうくらいキスしますから、今はちょっと、お風呂からあがりましょう?」
「……ん」
よかった。
小さく頷いてくれた彼女が身動ぎしたので、私も腕を解く。
ふらついたり倒れたりしないように支えて、浴槽から彼女を連れだして行った先はシャワー前。
壁に寄り掛かるように立たせながら、シャワーを出して、ぬるま湯よりももう少し温度の低いところまで水温を調整する。
「ちょっと、冷たいですよ?」
頷く彼女の足先や手からシャワーをあてて、徐々に体の中心へ向ける。
気持ち良さそうに大人しくシャワーを浴びている愛羽さんこそ、ペットショップでシャンプーされてる犬みたいじゃないか。
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しばらくこうして、体温を下げたほうがいいかな。なんて思いながら、赤い頬に手をあてた。
いつもより熱をもったその頬はふにふにで柔らかい。親指でそっと撫でると、愛羽さんはくすぐったそうに首を竦めた。
それから、私の手に、手を重ねて、愛羽さんは目を細めた。
「さっきのセリフはね?」
「はい」
「貴女からもらった言葉の中で、一番最初に嬉しかったものなの」
愛羽さんの言葉に、ドック、と心臓が、強く打った。
「フラれて、何もかも全部嫌になってたときに、ほんと、漫画の世界のヒーローみたいに現れた雀ちゃんが、わたしに言ってくれたあのセリフ。きっと、一生忘れないと思う」
重ねられていた手が、私の手をきゅっと握った。
「……愛羽さん……」
何と言ったらいいのか。何と言えばいいのか。
分からない上に、胸がいっぱいで、私は大好きなひとの名前を呼んだ。
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