※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 20 ~
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「……そのキザモードどうにかならないの……?」
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「キザモード」
愛羽さん曰く、今の私は恥ずかし気もなく甘い台詞言いまくりなキザモードらしい。
その命名がなんともツボで、彼女を抱き締めたままケラケラと笑うと、首筋に噛みつかれた。
「いった……!?」
「媚薬の効果は一体ドコ行ったのよほんとに」
結構、がぶっとやられた。すぐに止めてくれたけど、咄嗟に声が出てしまうくらいには、痛かった。
むすっとした声で愛羽さんが言うけれど、そんなの私にだって分からない。むしろ、「本当に呑ませたんですよね?」と問い返したいくらいだ。
とりあえず、身体を離そうとしてみれば、何故か引き留めるようぎゅっと抱き着かれた。
――かわいい。
抱き締められるのは嬉しいし、私を求めてくれているみたいで、口元に自然と笑みが浮かんで、目が弧を描く。
ここで、大好きです、とかまた言っちゃったら恥ずかしがって噛まれるかなぁ……でも言いたいなぁ……と胸の中で考えていると、ふいに首筋に触れた、ぬるりとした温かな感触に固まった。
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先程噛まれた部分に触れたその感触は、私の推理が正しければ、愛羽さんの舌だ。
濡れていて、熱くって、湿っぽい呼気も肌に触れるこの感触。
「あ、いは……さん?」
途切れがちに問い掛けるけれど、応答はなし。
そういえば、愛羽さん、このラブホで1回は私を抱くとか宣言してたから、媚薬の効果が現れていなくても、抱く事に決めたんだろうか。
ぬる…っ、と首筋を這う舌の感覚に、軽く息が零れた。なにか、魔法にでも掛けられたみたいに、身体から力が抜けてしまいそうになる。
だけど、私は今彼女に覆いかぶさっているのだ。体重を横へ流す脚や腕の力を抜いてしまえば、愛羽さんは「ぐえ」と声をあげてしまう。
それは避けなければ。
「ごめんね? 痛かった?」
「へ……?」
なんのこと? と疑問が浮かぶけれど、すぐに、噛んだ事だと気が付いた。
愛羽さんが丁寧に舐めているのは、噛み痕の所だし、あぁそうか、これは抱こうとしているのではなくて謝罪の為の行動なのだと得心がいった。
「もう痛くないですよ。大丈夫」
「ほんとに?」
本当です。と言いきると、ようやく首から離れた愛羽さんが私を抱き締めていた腕の力を抜いた。
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改めて、彼女の顔を覗いてみれば、まだ多少赤みは残っているものの、随分と恥ずかしさの波は引いたようだった。だけど申し訳なさそうにハの字眉になっている。
「お詫びに、キスしてください」
にぱっと笑ってみせると、一瞬目を丸くした彼女が、呆れたように破顔した。
「もう……キス魔」
和ませようと思った私の策などお見通しの様子で、愛羽さんは申し訳なさそうな色を瞳から引いて、頭を持ち上げキスをしてくれた。
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それからまた穏やかなキスを幾度も繰り返しては、「すき」という言葉を囁いた。
愛羽さんもそれなりに乗り気になってきたみたいなんだけど……問題が一つ。
「愛羽さん……」
「んぅ?」
「お腹、落ち着きました?」
「うーん……正直、まだ」
「ですよねぇ」
そうなのだ。
二人ともまだ、お腹がいっぱいなのだ。
流石に、満腹状態で長時間うつ伏せになっているのは辛いし、愛羽さんだって満腹状態で喘いだり、荒い呼吸をするのは辛いだろう。
こまったなぁ、と言ったふうに二人で溜め息を吐いていると、「あ」と愛羽さんが何かを思い出したように声をあげた。
「泡風呂、入ろっか?」
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