※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 18 ~
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「酔ってるの?」
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キスとキスの合間にそんな事を尋ねるのは、甘い声。
その質問に答えず、一度彼女の唇を啄むようにキスをした私は名残惜しくそっと唇を離した。
「酔ってませんよ?」
ちゅ、ちゅう、と彼女の頬や顎のラインにキスを散らす。じゃれるような口付けに、クスクスと笑う愛羽さんは私の頭を撫でつつ、「本当に?」とやはり甘い声で確認するのだ。
普段の声とはまた少し違ったリラックスしきったトーンのこの声を聞ける人が限られていると思うと、胸の奥がむずむずというかきゅんきゅんというか、妙に、騒ぐ。
「酔ってるように見えますか?」
見せるために少し顔同士の距離を離すと、頬にぴとりと手を添え、そのままするっと撫でた愛羽さんが、品定めするみたいにじぃっと私を見上げた。
「酔ってなさそう。だから、意外なのよね」
「何がです?」
首を傾げると、私の頬を撫でた指が戻ってきて、唇を這うように撫でる。
キスで少し濡れたそこは、愛羽さんの指先を濡らしながら滑りを良くして、まるで、硬くした舌先で撫でられた時のような感覚を私の唇に与えた。
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「雀ちゃんがこーんなにキス好きだったなんて、今まで知らなかったんだもの」
意外で意外で。と呟く彼女の指先は未だ私の唇を撫でている。そして、彼女の視線も唇に注がれたまま。
愛羽さんの上に被さる私の目には、若干、伏し目がちな悩ましげな目元に見えるその光景に、項の産毛がざわついた。
「好きじゃ……だめですか?」
私が喋ったせいで離れた指先を追いかけてキスをする。指の腹にちぅと吸い付き、僅かに覗かせた舌でチロリと舐めた。
ぎょっとしたように愛羽さんが目の当たりにした指舐めから視線を逸らすが、彼女の答えを待つ間、更に指を舐めてみる。
「駄目とかそんなのじゃないけど……今日初めて知ったっていうのが……恋人として、ね」
指を引っ込める訳でもなく、舐めさせておく愛羽さんが少しだけ寂しそうに言うので、今度は私の方がぎょっとする番だった。
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「知らなくて当然ですよ。我慢してますもん、普段は」
「え。なんで?」
「なんでって……毎日襲ってもいいならもう我慢しませんけど」
「あ……そういう、理由?」
はい、と満面の笑みを浮かべてみせると、愛羽さんは赤面してなんとも言えない恥ずかしそうなカオをした。
「雀ちゃんって性欲、強い…ね」
「愛羽さんが可愛いからですよ」
「可愛くない。……けど、今も、足りてないんでしょう?」
「ええ、まぁ」
食事の前に言ったことを覚えていたようで、ちらちらとこちらを見てくる。
迷う事なく頷けば「ちょっとは恥じらって」と胸を小突かれた。
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私の”恥じらい”とやらを肩代わりしたかのように、愛羽さんの赤面が濃くなる。
「うーん。でも、大好きなひとが傍に居たら、触れたいと思うし」
言いながら、彼女の髪へそっと触れる。指先に絡めるように掬いあげた綺麗な髪をさらさらとベッドへ落とした。
「こうして触れていたら、もっと触れたいと思います。キスだって、可愛いなぁとか好きだなぁって思えば思う程したくなるし、キスしてたらその先だって、したくなります」
指の甲でさらりと赤い頬を撫でてから、潤んだ瞳を覗き込んだ。
「愛羽さんは、違うんですか?」
広い部屋の、広いベッドの中で、内緒話でもするみたいに、私はそっと、問い掛けた。
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