隣恋Ⅲ~のたりかな~ 17話


※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたりかな 17 ~

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「ごちそうさまでした」
「ご馳走様でした」

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 全て平らげ、空になったお皿達を前に、二人で食後の挨拶をした。
 合わせていた両手を解いて、いつものようにトレーとお皿を重ねる。

「雀ちゃん、いつの間に二本目開けて全部飲んだの?」
「愛羽さんが酔っ払ってる間に」
「わたし、酔ってた?」

 自覚なかったのか……と内心呟きながら、まとめたトレーを持ち上げて肩を竦めてみせた。
 そんな私の姿を見た彼女は「えええ……」と自分の顔をぺたぺた触っているけれど、ほんのり赤かった頬の血色も元に戻っている今触っても、アルコールの火照りは感じられないだろう。
 天然なのか、まだもう少し酔っているのかは謎だが、可愛いことには変わりない。

 愛羽さんが開けてくれた障子を出て、さらにもう一つ、二つ、と扉を開けてもらいながら通り過ぎて、玄関のテーブルへとトレーを置いた。

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 それから二人で歯を磨きながら媚薬の効果はどうなったのかなんて話をしたが、私の体に変調はない。
 それどころか、一人で瓶ビール1本半を空けたのにも関わらず、酔いがそこまで回っていないくらいに体調がいい。

「それに比べて愛羽さんは酔い易くなってますね」
「……うーん、完全に気を抜いてるからかしら?」

 寝不足も随分解消されているようだし、確かにそれが本当に理由かもしれない。
 人間、病は気からとかいう言葉もあるように”気を張る”だけで随分と違うものだ。

 それこそ、彼女は平日は常に気を張っているようなもので、土曜日の夜にやっとそのスイッチを切り、日曜日の夜またスイッチを入れる。そんな生活の中で、愛羽さんの身体は”気”によって強化されている部分はあったのだろう。

 しかしこのラブホテルでは、仕事は一切入ってこないし、入れる気もないようで、ほとんど携帯電話も確認していない。
 そこまで気を抜いている彼女も珍しいし、酔い易い理由としても妙に説得力があるのだった。

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 ベッドに移動して、布団に潜り込むと、愛羽さんが私の首に腕を巻き付けながら「もう始めちゃうの?」なんて悪戯っぽく笑う。

 流石に食後すぐにし始める気はなかったので、横に首を振る。

「でもキスくらいはしたいです」
「もう…キス魔」

 と、言う割に乗り気の愛羽さん。
 彼女から摺り寄せられた顔に、こちらからも顔を寄せる。

 布団の中で、ちう、ちゅ、と音を立てながら互いの唇を味わうと、愛羽さんは瞳を蕩けさせながらくすくすと笑みを零した。

「この雰囲気、絶対えっちに突入しちゃいそうなんだけど、いいの?」
「よくないですねぇ」

 彼女の言う通りで、私は放っておけばきっとこの柔らかい唇を啄み続けてしまうし、そうしていたらきっと、その奥の舌も求めてしまうだろう。そしてそうすると、更に首筋や耳が欲しくなり、胸、果てはそれよりももっと下へ……という結果が目に見えている。

 よくない、だなんて言いつつ、ちゅ、ちゅ、と繰り返し啄んでいるのがいい証拠だ。

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「でもお風呂はもう入っちゃいましたし」

 する事がないのだと言い訳を並べてみるけれど、鼻先を指で弾かれる。

「テレビとかもあったのに、真っ直ぐこっちに来たのはどこのだぁれ?」
「……バレてましたか」

 わざとらしく渋面を作った私に、可笑しそうにしながらキスをくれる愛羽さん。

 だけど名誉のために言い訳をさせてもらえるのならば、決して今スグ即行でセックスを始めようとした訳ではないと述べさせて欲しい。
 なんというか私は……愛羽さんとベッドで、いちゃいちゃがしたかった訳である。

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