※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 13 ~
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「ち、ちょっとだけですからね……?」
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「うん。ちょっとだけ、ね?」
と甘く蕩けた声が耳を擽った。
甘えた声をそうやって聞かせるくせに、愛羽さんの手はしっかりと私の腰回りを撫でて、身体に抱かれる事を示唆し始めている。抜け目ない。
こういうふとした瞬間の気の回し方を見ていると、あぁやっぱり愛羽さんって仕事出来るんだろうな、と繋げて考えてしまうんだけど……それとこれとは別なんだろうか?
重なった唇を啄んでいると、そろりと伸びてきた手が、頬を撫で、指先が耳朶を掠める。
触れるか触れないかのタッチで撫でられる耳の裏に、プツプツと鳥肌が立つ。
「…っ…」
思わず跳ねて宙に上がった手を、ひやりと冷たい彼女の脚へと乗せた。
「手、あつい……」
はぁ…っ、と溢す息と共に、愛羽さんはそんな事を言う。うわ言みたいに、とろんとした口調で告げられると…………私の腹の底から、ぐらりと頭を擡げてくるのは、彼女への劣情。
もちろん、抱かれたいという種類ではなく、その逆だ。
――媚薬、飲んだ筈なのに……?
心の中で疑問を浮かべつつも、離れた唇を重ねて、愛羽さんを啄む。
ひやりとした脚を、膝上から太腿へとあがるよう撫でれば、甘く啄む唇の隙間から、はぅ…と熱い吐息。
ついさっきまで私の耳を愛撫していた指先は、いつの間にか停止しているし、腰に回されていた手は、私のTシャツを可愛らしく掴んでいて、今の愛羽さんをみる限りでは、”抱く側”ではない。
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場の流れというか、媚薬を飲まされた立場上を気にして、一応、”抱かれる側”っぽく大人しくしていたのだけれど……。
チラと薄目を開けて愛羽さんの様子を窺えば、なんかこう……良さそうにしている。
――まぁ……嫌がってないし、いいか。
愛羽さんの脚に乗せていた手を彼女の後頭部へと回して、私は腹筋に力を入れてぐっと腰を持ち上げた。
胡坐を解きながら両膝をベッドに着き、そこで体重を支える。私がそうして前傾姿勢になれば、彼女はころりと後ろ向きに倒れる寸法だ。
後頭部に添えた手でベッドに打ちつける事なく押し倒した愛羽さんを見下ろせば、びっくり顔で、まん丸な目でこちらを見上げていた。
「ちょ、ちょっと……?」
「なにか?」
「なにかじゃなくてっ、違うでしょ?」
何をいまさら。さっきまで私からのキスを気持ち良さそうに受けていたくせに。
啄み合うキスだって、そこには主導権という物が存在していて、さっきのキスは明らかに後半、私がそれを握っていた。
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彼女の言葉を無視して上に覆いかぶさると、愛羽さんがまた焦った声をあげた。
「……なんですか」
「だっ、だから、なんですかじゃなくて! 逆!」
上と下の事言ってるんだろうなぁと見当はつくけれど、すっ呆けてみる。
「あぁこうでしたか」
愛羽さんの両脚を跨ぐようにして膝を着いていたが、片膝を彼女の脚の間へ割り入ませた。
予想外の行動を私がしたせいか、固まっていた愛羽さんの浴衣の裾が開けて、かなりエロい光景が広がった。
「ち! 違うったら……!」
真っ赤だ。可愛い。うんうん。やっぱり愛羽さんはこうでなくちゃいけない。
焦って赤くなって、怯んで、最後にはほだされて。可愛い声をきかせてくれなくちゃ。
自分の中にしっくりくる展開になって俄然やる気が出た私は、迷うことなく愛羽さんの唇を塞いだ。
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