※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 82 ~
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そこは少しでも力を入れられると、簡単に侵入者を受け入れるように口を開いた。
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指先がつぷりと割り挿れられる寸前に、雀ちゃんがわたしの唇を解放した。
「ふ、っあ……」
てっきり、キスを続けてくれながらの挿入と思っていたのに、不意の解放。油断もあって、わたしの口からは純粋な、照れも何も混じりっ気のない嬌声が零れた。
その声は、自分のものでありながら、自分のものでないような……甘すぎるくらいに甘い響きをもっていて、期待と渇望を織り交ぜていた。
思わず、唇を引き結んだものの、宥めるように固くしたそこを啄まれると……ついつい、雀ちゃんの思惑がそこにあると分かっていながら、キスを受け入れてしまう。
ぬるりと唇を這った舌に息が震えて、下腹部の僅かな異物感を感じつつも、愛しい人の口付けの誘惑を受け入れる。開いた唇からは小さく声が漏れるものの、雀ちゃんの唇によって、それはくぐもったものに変えられた。
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「ん、う……んっ」
狭いはずもない入り口を指が押し進んでくる。じわりじわりと、深まる異物感はやけにゆっくりで、もどかしい。
早く根元までその指をわたしのナカへ埋め込んで欲しいと思う一方で、じわじわと壁をかき分けて入ってくるその感触は、腰から背骨を上へと辿って、首の後ろから脳みそへ、妙なくらいに痺れを伝えてくる。その悪寒にも似た快感が気持ち良くて、彼女の指を急かすこともしたくない。
わたしはただただ、彼女が思うままに進めてくる指の快感を享受するしかないのだった。
「はぅ……ん、っ……んんっ」
時折、息継ぎの為に離される唇によって解放される嬌声で我に還るけれど、すぐにまた雀ちゃんのキスで甘い世界へと引き戻される。
幾度かそれを繰り返したころ、ナカが圧迫感と異物感に満ちて、雀ちゃんがわたしの唇をゆっくりと吸いながら離した。
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「全部、入った」
満足そうに笑い掛けるその顔に、きゅんとしてしまう。
切ないような、苦しいような、それでいて甘いような胸の内。
いろんな感情がごちゃ混ぜになって、心臓を溶かしてしまいそうで、たまらくなったわたしはキスをねだる。
ずっとナカに入れてもらえなかった指をやっと与えて貰えて、さらにこうして、ねだればキスもしてくれる。
すべてを満たすようにわたしを抱いてくれる雀ちゃんに、わたしの全てをあげたい。
何をすれば、彼女は喜んでくれるだろう。
何を言えば、彼女は笑顔を浮かべてくれるだろう。
そんな事を考えていると、口をついて出たのは。
「雀ちゃんの……指、きもち、いい」
という、彼女の表情を固まらせる威力のある台詞だった。
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息と言葉を詰まらせた雀ちゃんは、目を見開いて固まっている。
が、徐々にその顔が赤らんできて、目玉がキョロキョロと泳ぎ始めた。
「い、いき、いきなり、何を……」
分かりやす過ぎるほどに解り易く動揺している雀ちゃんに、ちょっとだけ笑う。
意地悪で言わせたりするくせに、不意打ちでこちらから言ったりすると、こんなにも狼狽えるのか。
「思ったこと、言っただけ。だめだった?」
指の異物感にもだいぶ慣れてきて、ほうと息を吐いて尋ねれば、雀ちゃんは軽く首を左右に振る。
「だめじゃないよ。ちょっと、その、なんだ、びっくりした」
「ん……ふだん、いわないから?」
彼女が首をふると、少しだけ指がナカで動いて、じん……と痺れる。
小さく漏れた声のあとに、喋ると、自然と声が甘くなってしまう。
婀娜を乗せるつもりも、甘えるつもりもなかったのだけど、結果的にそうなってしまって、雀ちゃんの目元がふにゃりと緩む。
「そう。言わせようとしてやっと言ってくれるくらいだから。……そういうの、言われると、うれしい」
ありがとう、とわざわざお礼を言って、さらに甘くキスをくれる雀ちゃんに、こちらこそお礼を言いたいくらいだと心の中で告げながら、わたしは彼女の中へ舌を忍び込ませた。
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