※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 78 ~
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満足そうにわたしを見下ろしていた雀ちゃんの瞳の奥からドロォ…と何かが湧き上がってきた。
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――なに……?
絶頂により霞む目で必死に見上げた彼女の瞳に現れたそれは、欲情の炎だった。
「その顔は、やばいなぁ」
のったりとした口調で雀ちゃんが言った。だけど、「その顔」と言われている顔がよく解らない。絶頂を迎えたばかりの顔ということだろうか?
「いや。その顔っていうよりは、その目か」
やばいなぁ。と繰り返して言う雀ちゃんだけど、わたしから言わせてもらえれば、貴女の目の方がやばいのよ。
その炎が宿ったときの彼女は、完全にスイッチが入っているモード。だからわたしは、蛇に睨まれた蛙状態で、固まっているんだけど。
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にんまり。という言葉がぴったりな笑い方で瞳を細くしてこちらを見下ろす雀ちゃんは、何を思ったのか、今し方まで蕾を弄っていた手を自分の顔の方へと持ってきた。
――…一体なにをするつもり……?
と、回らない頭ではその答えに辿り着けずに、その指の行方をじっと見守っていたわたしは、指が口元へ近付き、彼女の唇が開かれたときやっと、それを理解した。
「待った!」
ガシリと掴んで止めた雀ちゃんの手。
ぬらりと光ったその二本指は、わたしの愛液にまみれている。
どうしてもっと早く気付かなかったのかと絶頂の後でポンコツ状態になった自身の頭を叩きたい。
愛液に濡れた指を舐めたがるのは雀ちゃんの習性じゃないの。
瞳の炎に気を取られて、いつもの行動をうっかり失念していた。
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握って止めたものの、ここからどうしようか。そんな考えを抱いたとき、雀ちゃんの濡れた手が動き始めた。
――え、え、ちょっと……!?
元々純粋な力勝負では勝てる腕力の相手ではないし、更に今は絶頂を迎えたばかりのわたしの力はいつもの半分も発揮できない状態。
それでよく”彼女の動きを止めた”と言えていたものだ。
本当の所は、彼女自身が手の動きを停止させてくれていただけであって、わたしはまるで手を添えていただけだったのだ。
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雀ちゃんの濡れた指が、迫ってくるのはわたしの口元。
嫌な、予感しかしないので、抵抗の意を示すためにもわたしは指を押し返すように力を入れるが、進行方向に変化も、減速もない。
「ちょっ、ちょっと雀ちゃん……」
「……」
ついに指が、動きを止めた。
自分の愛液に目を向けないようにしながら、雀ちゃんを見上げるが、そこにあるのは「分かってるでしょ?」と言わんばかりの表情。
「……や、やだ……」
彼女の片眉がクイと持ち上げられる。
それでも無言なところが、こわいというか、威圧感があるというか。
「だって私がするのは駄目なんでしょう?」
「っ、だ、だからってなんで…ッ」
「挿れるから」
即答した雀ちゃんは、さらにずい、と濡れた指をこちらへ押してくる。
「舐めて」
にやりと唇の端を釣り上げて、嗤った。
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