隣恋Ⅲ~のたり~ 76話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 76 ~

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 大きな痙攣が身体を襲う間、わたしの耳には何も、聞こえなくなる。

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 それまでベッドの上を支配していた、わたしの喘ぐ声も、荒い呼吸も、ローターの音も、雀ちゃんの息遣いも、微かに混じる甘声も、なにもかも、わたしの耳からその存在を失くす。

 4、5回だろうか。その大きな痙攣を果たした身体は、少しカクつくような、小刻みな震えにバトンタッチして、わたしの耳をやっと、機能させ始める。

 その頃になると、呼吸も復活して、それに混じって声も漏れ始めた。

「可愛い」

 荒い呼吸を繰り返しているわたしを気遣ってか、雀ちゃんは汗の滲む額に口付ける。
 肩に添えられた手が、落ち着かせるように撫でて宥めてくれるけれど、まだもう少し、わたしが平常通りに戻るには時間を要するみたいだった。

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「大丈夫?」

 ようやくなんとか一息つけるほどに、呼吸が落ち着いてきた。
 頃合いを見計らってくれていたのだろう。いいタイミングで雀ちゃんの声が柔らかくわたしに降り注いで、わたしは閉じていた目をゆっくり開けた。

 視界に飛び込んできたのは、「大丈夫?」と尋ねる割にちっとも心配そうではなくて、むしろ、嬉しそうににやけている顔だった。
 そんな顔をされるとどうも、むずがゆいような恥ずかしさが込み上げるのだけど、今はそれにも勝る気怠さが身体全体を覆っている。
 わたしはヘの字にしていた口を開くと、「恥ずかしいからあんまり見ないで」と口だけで怒ってみせて、気怠い頭を起こして彼女にキスをした。

「可愛いから見たくなる」
「だめ」

 わたしが首を起こした拍子に、腕枕をしてくれていた腕がするっと抜け出して、わたしの肌に汗で張り付く髪を払って、撫でてくれる。
 その間も交わす会話は甘くて、絶頂の余韻を心地良く味合わせてくれる雀ちゃんは、かなりのテクニシャンだといつも思う。
 ”ぶった切る”なんて言葉がぴったりくるようにイッた途端にすぐ切り替えるようなえっちは、余韻を味わうどころではないので、あまり好きじゃない。

「じゃあ、見ない代わりにキスして」

 なんていう、甘い誘いをしてくれる雀ちゃんの性格との相性は、いいのかもしれないと思いながら、彼女の唇を啄んだ。

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「んっ!?」

 啄んでいたキスが少しずつ蕩け始め、ついに舌を絡めようかという段階まで再び盛り上がったころ、腰元に異変を感じて、わたしは声をあげた。

「いいから。こっちに集中して」

 僅かに離した口付けの合間、そう囁かれてすぐに口を塞がれた。

 だけど、集中してなんて言われても下着の結び目を急に解かれたのでは、そちらが気になって仕方ない。
 だってもう、彼女の手は片方の結び目を解いた下着の布をぺらりと捲り、指先では蒸れた茂みを撫でるように梳いているのだ。

「ん……っ、んんっ」

 流石に、目を瞑ってはいられない。
 今にも蕾へ直接触れてきそうな指の気配に、切なく眉を寄せながら薄く開いた目で雀ちゃんに訴える。

 待って、と。
 今さっき、イッたばかりで絶対にまだそこは敏感だ。それに今日の身体は度重なる愛撫の結果なのか、あんなにもアッサリと絶頂を迎えてしまうくらいに元々敏感なのだから、もう少し休憩を……。

 なんて思っていることが、目だけで伝わる訳もなくて。

「んぅ! ~~~ッ、ン、ッ、んんぅっ……」

 雀ちゃんの指をあてがわれた途端、くりくりと弄られて、声をあげて、目の前でスパークする白い光をわたしは見てしまった。

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