隣恋Ⅲ~のたり~ 69話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 69 ~

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 詰めていた息をそっと吐くと共に、目を開けた。

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 やっぱり思った通りで、雀ちゃんは眉尻をさげて心配を目にいっぱいに溜めて、こちらを覗き込むように見下ろしていた。
 明るい照明の下では、わたしの跳ねた身体に随分驚かされたことだろう。

「いたい、ですか?」

 瞬間的に冷静に戻ったのだろう。敬語が復活していて、わたしは思わす笑みを浮かべた。
 緩く首を振って、雀ちゃんの頬に手をあてる。

「痛くはないの。ただ、すごく、えっと……刺激が強い、って言ったらいいのかしら」

 気持ちよすぎて、とは言えなかった。
 言葉を選んで、オブラートに包んだ言い方をすると、雀ちゃんはあその目から心配の色をすこしだけ減らして、わたしに口付ける。

「気持ち良すぎたって、解釈であってます?」

 キスを解いた後も、唇がくっつきそうな距離で囁く声はどこか甘い。
 そう言えないから、別の言葉でオブラートに包んだのに、そのオブラートをばりばりと剥ぐような質問をしてくる雀ちゃんの頬をちょっとだけ摘んだ。

「そういう質問に答えるの、はずかしいって分かっててやってる?」

 摘まれたまま、へらぁっと笑うところを見れば、その答えは一目瞭然。
 赤い顔で睨んでみせると、彼女は余計、嬉しそうに笑った。

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「半分は、本当に心配だから聞いてるんですよ?」

 嘘でも、99パーセントは心配でほんのちょっと下心が、くらいは言って欲しいものだけど、いかんせんこの子は素直で正直者。なかなか嘘がつけないのも、問題である。

 わたしは彼女の頬を摘む指を離して、軽く頭を起こして噛み付くようにキスをした。文字通り、かぷかぷと彼女の唇を数回噛んでは舐めてを繰り返してから、小さく、呟く。

「気持ち良すぎたから、もうすこしだけ、優しくして?」

 言うが早く、羞恥を誤魔化すために、再び唇を重ねる。その横で、雀ちゃんの手が、きゅうと肩を強く握ったのは……何か思う所があったのだろう。
 先程よりも熱っぽい吐息を零しながらキスをしたわたし達は、羞恥心が無くなればいいのにと、心の隅っこで小さく考えた。

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 幾度も唇を重ねている最中に、下の方からブィィと音がし始める。
 雀ちゃんがローターのスイッチを入れたようだ。

 しかし意外なことに、それが触れたのはお腹あたり。
 キスをしながらなので、狙いが狂ったのだろうかと一瞬勘違いしたが、どうやらそういう訳ではないらしい。

 ローターの強さはさっきと同じ程度なので、もしかしたらこれが最弱の振動数なのかもしれない。
 だとしたら、お腹あたりからじわじわと中心へと迫るようにして、わたしの身体自体を、ローターの振動に慣れさせる、いわゆる準備運動を始めたのかもしれない。

 ブィィ、ブィィ、と鈍い音を立てながら、おへその下から下着のラインを越え、茂み近くまでを何度も往復するそれ。

 わたしが敏感になり過ぎているせいなのだろうか。
 雀ちゃんの持つローターが下着越しに茂みあたりまで来ると、アソコがじんと疼くのだ。

 それほど遠いとも近いともいえない距離だが、まだ蕾へ触れてもいないのに、疼くなんて、やはりさすがに、わたしの身体が敏感すぎて、面倒をかけているのかもしれない。

 キスをしながら、そんな事を考えるわたしを他所に、ローターはゆるゆると、下腹あたりを這いまわる。

 ――わたしがもっと、敏感でない身体なら、こんな面倒な作業もなくできるのに、ごめんね。

 心の中であやまって、わたしは雀ちゃんの舌に舌を絡めた。

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