隣恋Ⅲ~のたり~ 68話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 68 ~

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 ほんと、ずるい。

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 切なさと甘さを埋め込まれた胸を思わず手でおさえると、雀ちゃんは微笑み、そして、わたしにキスをした。
 さっきまで意地悪だったくせに、蕩けそうなくらい、甘いキスをしてくるそのギャップに性懲りもなくやられてしまうわたしもわたしだけど。

 でも。

「ずるい」
「え? なにが?」

 穏やかなキスを終わらせた彼女が、ピンクローターを用意しながら、爽やかにこちらを向いた。
 ……そんなもの片手に。と言いたい所だけど、プラスチック同士がカチャンとぶつかる音がした瞬間、期待に胸がトクンと高鳴ったのは、事実だった。

「……わたしの好みを把握してるところ」
「好み?」

 首を傾げた雀ちゃんはわたしの額に口付けを落として、「もしかしてこういう事?」と言う。
 答え合わせえをする為なのか、それともまた揶揄っているのか、ちょっと判断が付かなくて憮然とした表情で頷くと、雀ちゃんはわたしの身体の上から退けて、隣に寄り添うように横向きになった。

 そしてわたしの頭の下へ自分の片腕を差し込んで腕枕をする。

「こういうのも、好き?」
「……。ばか」

 好きですけど、なにか?

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 小さく笑った雀ちゃんが、軽くわたしに覆いかぶさるようにしてキスをくれるので、大人しくそれを受ける。
 だけどさっきから、なんだかいいようにされている気がしてならない。

 意地悪かと思ったら甘やかしてきて、普段自分から「好き?」とか聞いてきたりしないくせに、ここぞとばかりに精神的に攻めてくる。
 年甲斐もなく、雀ちゃんからのアプローチをまともにとって、胸をときめかせてしまうわたしがいるから、多分、面白がってやっているんだろうけれど……。

 こうも易々と手籠めにされたのでは、年上としての威厳がないというか。なんて思った瞬間足元の方からブィィと振動音がし始めた。

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 びくっと身体を震わせるわたしに、雀ちゃんはキスの合間に「お待たせしました」とおどけたふうに言った。
 だけど、お道化ているのはその台詞だけで、目付きも眼光も鋭くなっていて、腕枕の手が肩を抱くようにして上半身の動きを封じ、下半身は、片脚を固められていて動かせない。

 わたしがキスと物思いに耽っている間に、こうも着々と下準備を進めていたのかと思うと、この子は器用で抜け目がないなと思う。

「まずは下着の上から」

 どこか愉しそうな声に、ぎゅっと目を閉じるとほぼ同時だった。

 下腹部に、電気が走ったのは。

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 びりりっと本当に感電したかと思うほどの衝撃が下腹部に走り、わたしは腰を引き、背を反らし、脚を引いた。
 嬌声はというと、意外と音になるような声が出なくて、声にならない声、とでもいうのだろうか。そんなものをあげて、自身で喉を締めあげた。

 流石に、ローターをあてた瞬間の反応が大き過ぎて驚いたのだろうか。雀ちゃんがすぐさまそれをわたしから離した。
 彼女がどんな表情をしてわたしを見下ろしているのか。それはぎゅっと目を閉じているわたしには分からないけれど、きっと、心配そうなカオをしているんじゃないかと思う。

 意地悪をしたって、お道化ていたって、彼女の心根は優しさで溢れているのだから。

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