隣恋Ⅲ~のたり~ 62話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 62 ~

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 そもそも昨日の夜の行為から、直に舌で触れられていないのだ。
 この胸は。

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 浴衣越しになら、昨晩散々可愛がられたものの、それはすべて浴衣越し。
 こうして彼女の体温を直に感じて、濡れた感触を直接敏感な胸の中心に与えられ、快感で身体を震えさせられること自体が、久々なのだ。

「ひ、ぅっ…ん、はっ、ァアッ」

 その上、背中の下へ腕を回して胸を突き出させ、さらに身体の動きまで封じるなんて技をどこで覚えてきたのか。
 もしかして、あの部屋のどこかにそういう類の本やブルーレイでもあるのかしらと頭の隅で考え始めるけれど、よく訪れる雀ちゃんの部屋でそれらしいものなんて目にしたことがないし、そういう物の隠し場所になりそうな所も限られてくる。

 そうなると彼女は自分でこの技を編み出したということになるけれど……そんなことをホイホイできる子なら末恐ろしくて仕方ない。

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 喘ぐ中でそんなことを考えていると、雀ちゃんの口がやっと、胸から離された。
 はくはくと唇を震わせつつも、その余韻をなんとか身体の中に収めていると、いつの間にか、雀ちゃんがこちらに目を向けていて、見下ろされていた。

「やっぱり、癒しというよりはムラムラですね」
「ですね、じゃないでしょ……いきなり……」

 荒く息を吐きながら、重ねられていた視線を逸らす。
 そんなふうに爽やかに言われても、こちらの恥ずかしさは減るものではない。

 突き出した胸はそのままで羞恥心を煽るような目で見下ろされているし、さらに言えば、視界の端にてらりと光った自分の乳首があって、まさに今、そこを舐められたのだと思うと、カッと身体が熱くなった。

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「愛羽さんだっていきなり抱き寄せたじゃないですか」
「あ、あれは雀ちゃんが泣いてたから慰めようと思って」
「身体で?」
「ちがっ」
「でも」

 ぷにぃ、と指を胸の膨らみに突き立てる雀ちゃん。

「これは身体ですよ?」

 と悪戯っぽく笑った。

 た、確かに身体ではあるけどなんだかこう、違う気がする。
 結構純粋に、雀ちゃんを慰めようと思って胸を進呈したはずなのに。

 今その胸は、彼女の人差し指の蹂躙を静かに受けている。

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 膨らみに指を埋め込んでいた雀ちゃんは、その指から緩く力を抜くと、肌の表面を辿るようにして、頂点を目指し始めた。
 つ、つ、つ、と少しずつその歩を進める姿を見ていられずに、顔を横に向ける。口元を覆った手はそのままに、ふ…ふ、と無意識に出てしまう吐息を抑えた。

「なに、期待してるんです?」

 甘く囁く声には少し意地悪が足されていて、少し前に優しい誘導尋問をしていた人の気配が鳴りを潜めた。

 ――いつもの、雀ちゃん…だ。

 少しまだ意地悪の加減は少ないけれど、それでもいつもに近付いた。
 そう考えた瞬間、ゾクリと妙に粟立つ。
 顔も項も腕も胸も背中も。鳥肌が立たなかったのは下半身くらいなもので、そんな反応をしてしまった自分に、妙に慌てふためいた。

 だって、意地悪されたと察知して、こんな、……こんな、感じたみたいな反応をして……。

「鳥肌、立ってますよ?」

 爪の先で、粟立った小さな凹凸をひっかけるようにして、いつもの意地悪な雀ちゃんの指は胸の中心を目指し始めた。

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