※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
===============
~ のたり 56 ~
===============
その条件は、破格のものだったかもしれない。
===============
そう気が付いたのは、雀ちゃんのロータータイムが3回目を迎えた頃だった。
「待って、待ってまだ、ッく、ぁっ、あっ」
「インターバル置きましたもん」
インターバルについても、きちんと時間指定をするべきだった……!
雀ちゃんは熱に浮かされた瞳で、喘ぐわたしを嬉しそうに覗き込んで、顔を寄せてくる。
「は、んっ、んあっ、む」
予想通り、喘ぐ声も食べるように口を塞がれて、くぐもった声をあげつつも、入り込んできた雀ちゃんの舌に誘われると、わたしは抵抗もできず、蜜に群がる蝶のように吸い寄せられた。
===============
口内で絡み合う舌同士が、卑猥で粘着質な水音を立てて、互いの唾液を交換する。
しかし、息苦しいほど深く交わされる口付けに、甘く酔い痴れるわたしには、穏やかな快感のみの時間など、与えられない。
「ん、んん、ぐ、ぅ」
1分間という時間制限を設けると、それまでよりも攻める手は強さと忙しなさを増して、わたしに快感を与えるように変化していた。
そんなつもりはなかったのに、と言ってもどうしようもない。
ただ安易に、我を失った雀ちゃんに延々とローターを使って攻め立てられては身が持たない。そう危機を感じて、ローターの継続使用は1分間。そのあとに必ずインターバルを設けることを条件づけたのだ。
その条件が甘かったし、細部を気に掛けていなかったのも事実。
そのわたしの詰めの甘さに雀ちゃんが付け込んで、これでもかという程に、わたしの身体を快感で蕩けさせにかかっているのも、事実だろうけれど。
===============
「んぐ……っハァッ、はぁっん、あっやぁ……ッ!」
ローターと同時のキスはさすがに息の心配もあったのだろうか。
雀ちゃんの唇から早々に解放されたわたしは大きく息を吸った。
しかし、胸のローターは鳴り止まないし、わたしの突起を浴衣越しに擦り続けている。上下に、左右に、はたまた、円を描くように。
時折、胸の中心を押し込むようにローターで上から突起を押さえつけられると、なんとも言えない感覚にいやいやと首を振った。
正確に時間をタイマーで計っている訳ではないので、1分を計るのは、体感時間の時計だ。
散々喘がされると、早めにインターバルを迎えるときもあるし、逆にジリジリとした攻めのときには長く感じることもある。
相変わらずわたしの左腕は固定されているし、動くと思っていた下半身もどういったわけか、固定されているのだ。
横に寄り添っている雀ちゃんがわたしの右足の上に脚を乗せ、ご丁寧にさらに絡めるようにひっかけている。
そうされたら、もう動かせるのは片手と顔、腰くらいなもので、いよいよ、あぶない。
この状態で雀ちゃんが我を失ってしまったら、わたしは泣くまで喘がされるのではないかと思ってしまう。
===============
「すずめ、ちゃ……っ」
不意に押し寄せた不安に名を呼ぶと、彼女は心得たようにローターのスイッチを切った。
「そろそろ、1分ですね」
激しく攻め立てたあとの雀ちゃんの声は、それまでの攻め立てとは別人のように甘くて優しい。
ローターから離した手で、わたしの髪を撫で、顔を撫で、汗を拭って、張り付いていた髪を払ってくれる。
この瞬間のギャップにきゅうんときて、わたしはさっきから何度も飴と鞭を繰り返して受けているのだ。
「……すき」
「なんでちょっと躊躇いがちなんです?」
柔らかい口付けを軽くしてもらったあとに告げると、笑われた。
唇を尖らせるわたしの頬を、彼女が優しく摘まむ。
「だってアレ使ってる間はいじわるなんだもの」
「うーん、否定はしません」
「もう……!」
と言いつつも、キスをねだるあたり、本当にバカップルだと思う。
ちゅぅと吸い付いて離れる唇を追いかけて再び、キスするくらいには好きなんだもの。しょうがないじゃない。
――でも、……ひとつだけ言わせてもらえるなら……もう、下の方がぐっしょりなんだけど、って、言いたい。恥ずかしくて、言えないけど。
===============
※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※
コメント