※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 53 ~
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これから気持ちいいことをされる。
そうされたらきっと、この口からは嬌声が漏れる。
そう予想できていて、彼女の目を見つめて、快感を待ち受けるというのはかなり、……いやすごく、恥ずかしかった。
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だけどそうも言っていられない。
雀ちゃんはわたしを心配して、ああ言ってくれているのだから。
「……」
ブィィと胸の中腹あたりに振動を受けながら、無言で、見上げた。
その先には、優しい瞳。
「ありがとう」
唇を重ねられて、恥ずかしさもほだされる。
甘く啄む間は胸のローターは動かない。きっと、唇を離したその時から、また、上へ向かって動き始めるのだ。
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ちゅう、と吸って離れた唇が、静かに問う。
どうやら勝手に動き始める訳ではないらしい。
「いい?」
そういうのは聞かなくてもいいのに、なんてまた湧き上がってきた恥ずかしさの中で思うけれど、わたしは小さく、頷いた。
ん。と喉の奥で、返事をした雀ちゃんの手が、動き始める。
胸の中心へ向かって進む振動。
中腹よりも中心に近付くと、わずかに、振動が胸の尖りに届く。
「ふっ……」
微かに、顔が歪んで、息が零れる。
やはり、わたしの予測は、当たっていた。
――これだけで……きもち、いい、なんて。
まだ、ゾクリとした感覚はないものの、これは確実に、あぶない、やつだ。
頭の隅で考えがそれに至ったとき、わたしの胸の尖りに、それは触れた。
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「ふあっ、あ、アァッ」
服越しで、これ、なの?
喘ぐ中そう考えられたということは、わたしにはまだ思考を巡らせる余裕があるということなのか。
だけど、こんな、こんな……っ。
「…、だ、いじょう、ぶですか……?」
ローターをわたしから離した雀ちゃんの手元で、それが音を僅かに大きくする。
思わず掴んでしまった雀ちゃんの肩というか首の付け根というかその辺り。ぐっと浴衣を引いたせいで、少し乱れてしまった合わせに色気が漂っている。
片目を閉じて、乱れた息をなんとか整えながら、浴衣を握る手から力を抜く。
あんな、大きな声で喘いでおいて、視線を合わせ続けるのは、むりだった。
わたしは浴衣から離した手で自分の顔を覆うと、その手の下で情けなく問うた。
「………………大丈夫に、みえた……?」
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「……あんまり」
カチリ、と僅かな音がして、ローターの振動音が消えた。
どうやら雀ちゃんがスイッチを切ったらしい。
自分の手の下で熱い呼吸を繰り返して、それを平常ラインまで下げるわたしの頭を、雀ちゃんが優しく撫でる。
「ただ、その。気持ちよさそうな声はして」
「ぃ言わなくていいからっ」
観察はしていいけど分析結果を口にしなくていいからっ。
わかってる。わかってるわよ、自分で完璧に”喘いだ”ってことくらい。
気を遣って喘いだとか、演技で喘いだとか、そんなんじゃない。
浴衣越しに緩められた振動でもしっかりと、快感を感じてしまったわたしの口からは、嬌声とか喘ぎ声という言葉がしっくりくる声を、あられもなく上げてしまったのだ。
ローターを胸の中心に当てられたら気持ちいいだろうと予想は出来ていたけれど、その振動の大きさや快感の大きさまでは予想しきれていなかった。
不意打ちにも近いと思うけれど、気持ちいいだろうと予想できていたので、不意打ちというには少し違う。
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恥ずかしさに顔を覆ったまま、呼吸を落ち着け終えたわたしは、閉じていた目を開けて、指の間から雀ちゃんの顔を窺った。
その、優しそうな瞳と表情のなんたることか。
「そんな顔してみないで」
「え、どんな顔してました?」
「……優しい顔」
笑った雀ちゃんは「だめですか」なんて言いながら、わしゃわしゃと頭を撫でてくる。
あああもう恥ずかしい恥ずかしいその上雀ちゃんにもローター使ったら気持ちよさそうだなってバレてるのがもっと恥ずかしい。
悶えたくなるような恥ずかしさを抱えきれずに、わたしは雀ちゃんの胸に顔を寄せた。そのままごろんと横向きになって、雀ちゃんに抱き着く。
お腹あたりに硬いプラスチックの物体があってちょっと痛いけど、もうそれはいいや。無視よ無視。
「なにこの羞恥プレイ」
「見てる分には可愛いですけど」
あはは、と能天気に笑う雀ちゃんに頭突きをする。
さっきまであんなに「大丈夫ですか?」「本当に本当に?」とか念を押しまくっていたくせに。
いざわたしが気持ち良さそうに喘いじゃったら、安心しきってにやにやしちゃって……!
こっちはラブグッズ処女喪失で込み上げる恥ずかしさで大変なんだけどっ。
「いたいなぁもう。可愛いからいいけど」
ああもうほら、また!
デレデレし始めたっ……!
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