隣恋Ⅲ~のたり~ 51話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 51 ~

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 口付けを解いた彼女は、わたしの上に覆いかぶさっていた上半身を横にずらして、わたしに寄り添うような体勢に変えた。

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 まるで子供に添い寝するお母さんのような体勢。
 雀ちゃんが今の体勢のまま、下側になっている左肘をついて腕を曲げ、頭を支えるようにすれば、もう完璧”添い寝の母の姿”だろう。

 まぁ雀ちゃんは肘はついているけどその手はわたしを安心させるよう頭を撫でているし、反対の手はピンクローターを握っているし、と母という存在とはかなりかけ離れているけれど。

「緊張してます?」

 胸元でカチャとプラスチック同士のぶつかる音がすればピクっと体を揺らすわたしを見かねて、雀ちゃんが眉尻を下げながら笑顔を見せた。

「だって、処女だもの」
「しょっ……、ま、まぁそうですね……」

 軽口を叩く余裕はまだあるのだと伝えたかったのだけど、ちょっと言葉のチョイスミスだったかもしれない。
 今のわたしにはやはり、余裕なんてものは無いのかもしれない。

「じゃあ、ですね。愛羽さん」

 わたしの額にちゅ、と口付けた雀ちゃんがふいに、開けていた浴衣の前をかき合わせた。
 さっき彼女が愛撫するのに邪魔だと言わんばかりに開けたそれを、今更どうしてとわたしは首を傾げて、雀ちゃんを見上げた。

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「多分、服の上からの方が、刺激はすくないかと」

 ちょっと照れているのか、わたしと視線を合わせない雀ちゃん。
 きっと彼女はわたしが先程「優しくして」とお願いした事を遂行してくれようとしているんだろう。

「なるほど。物知りね、先輩」
「ちょ…!? 私だってこういうの使った事ないですからね?」

 そうだろうなとは思っていたので、慌てる雀ちゃんにちょっと笑ってから、彼女の頬に口付けた。

「ありがと」
「へ?」
「そうやって、出来ることいろいろ、考えてくれて」

 使ったことのないものをどうすれば、少しでも穏やかに使えるかなんて、答えを導き出すのはなかなか難しいと思う。
 なのにもかかわらず、服の上からの方が、と考えて、実行してくれようとするその姿と優しさにキュンとこない訳がない。

「雀ちゃんのそういう所、大好きよ?」

 照れていたけれど、彼女がやっとこちらを向いてくれたので、顔を寄せる。
 こうすると大抵、迎えるように雀ちゃんも軽く顔を寄せてくれるので、わたしはそっと、彼女と口付けを交わした。

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 甘い甘いキスに耽っていると、胸元で、ブィィと音が鳴った。どうやら、雀ちゃんがついにピンクローターのスイッチを入れたらしい。
 思っていたよりも小さなその振動音だけど、緊張は更に増す。

 そのおかげでキスは中途半端に途切れるも、銀糸となった唾液は名残惜しくわたし達の唇を繋いでいる。たまたま目に映ったその光景にドキリとした胸は、緊張とは別の理由でトクントクンと速くなっていった。

「とりあえず、お腹にあててみますね?」

 彼女の唇とそれに繋がる銀糸に目を奪われていたわたしの目の前で、その糸がプツンと切れた。
 目で追いきれず、視界の外へと糸が落ちていき、わたしの唇の端を濡らす。
 それだけでゾクリとしているわたしに、雀ちゃんは宣言通り、ローターをお腹へと触れさせた。

 おへそのちょっと横あたりが、ぶるぶると震えている。
 マッサージ機にも似たような震えに、わたしは気持ちいいとも気持ち悪いともなんとも感じない、という感想を抱いてしまった。

「…んー………低刺激?」

 濡れた唇をさりげに拭ってから、そう言いつつ首を傾げる。
 雀ちゃんはというと、わたしの反応を見逃さないように、じーっと顔を見つめている。

「もうちょっと強くしてみます?」
「え?」

 わたしは、信じられない言葉を聞いた気がした。

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