※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
===============
~ のたり 47 ~
===============
ハシタナイとか。
ハズカシイとか。
===============
そりゃもう、顔も赤くなるし熱も集まって来る。
だから当然、そういう感情がなくはない。
なくはないのだが……それ以上に、わたしをこうして蕩けさせた雀ちゃんに従いたかった。
ちぅと、わたしの下唇を軽く吸っては離すを繰り返していた雀ちゃんが、わたしの動きを察知して、僅かに、顔を離した。
唇を開き、おずおずと舌先を覗かせると、雀ちゃんは甘く低く囁く。
「もっと、出せるでしょう?」
と。
すでに”もっと長く舌を出せる”と決まっているような言い方だが、間違ってはいない。
そんなふうに言われてしまうと、まるでわたしが「舌を出さない悪い子」のように思えてきてしまうからもう、随分と雀ちゃんの手によってわたしは調教されてきているのだと思う。
そもそもこんな、舌を出せという命令がおかしいのに、それを守れていないわたしは、わたし自身を責めて、もっと舌を伸ばさなきゃと思ってしまうのだから。
===============
「…ん……」
もう少し唇を開いて、舌を伸ばす。
わたしは仰向けに寝転がっているので、上へ向けて舌を出すのだけど、これが意外ときつい。
ディープキスのときは、常に自分の好きなように舌を動かしているからまだ楽だったのだけれども、こうしてただ直立不動のように舌を伸ばしていると攣ってしまいそうになるのだ。
しかしそれでも止めない自分は、やはりマゾヒストだろう。
「愛羽さん、やらしいね」
わたしが突き出した舌を横から雀ちゃんが舐る。ねっとり、ゆっくり。
「こうやって舐められるって分かってたのに、そんなに舌だして……」
ソフトクリームを舐めるみたいに舌の根元、それこそ、唇ごと、レロォ……と舌の先端までを舐め上げられると、わたしの口から息が零れた。
同時に、項から腰までビリビリと甘い痺れが這い下りてゆき、軽く、腰が浮く。
「そんなに腰まで浮かせて」
目聡い。
上半身をわたしの上に覆い被せて、下半身はベッドに預けている雀ちゃん。
彼女はどうやらベッドの揺れや、沈み込む感触で、わたしの動作を感知しているようで、バレていないだろうと思いつつ、腰を甘く悶えさせていたわたしは、びくりと動きを止めた。
===============
そうするとやはり、彼女には何か伝わってしまうものらしい。
わたしの舌を咥えてずろろろと吸い上げたあと、にんまりと笑んで、雀ちゃんは言うのだ。
「バレてないとでも?」
と悪魔のように。
カァァァッと羞恥が込み上げ、それまでも赤かったものの、さらに赤くなった顔と耳。
自分では見えないけれど、きっと赤い。絶対赤い。だって熱いもの。
思わず舌を引っ込めて、「い、いつから気付いてたの?」と問えば、雀ちゃんはわたしの手首を掴む手を離して、片手を首、胸、腹、と辿らせて件の腰へともっていった。
浴衣の上を滑ってゆく手に構われた訳ではないのに、わたしは胸の先端と浴衣が擦れて「んぅ」と声をあげる。
だが、雀ちゃんが辿り着いた腰をゆっくりと円を描くみたいにして撫で擦ってくるものだから、余計、声が漏れる。
「雀ちゃ……手……なんか、やらし……」
まるでキャバクラに行ったエロ親父みたいな手付きを言うと、彼女は鼻で笑う。
「ヤラシイのはどっちですか。腰、動いてますよ?」
「っそれは雀ちゃんが…っ」
「私が腰を触る前から動いてたんですけどねぇ?」
どこか嫌味ったらしく告げる彼女の敬語はきっと意図的だ。
そうやって、わたしを煽るつもりなのだろう。
興奮していてもどこか冷静にそうして、彼女の行動を分析してしまう自分がうとましい。
どうせなら、雀ちゃんのようにトンデマシタと言ってみたいものだ。
そうしたらきっと、彼女の行動を気にせず、全部投げ出して、代わりに与えられた快感だけを拾い集めて、かき集めて、狂ってしまえるのに。
自由になった手を持ち上げて、わたしは雀ちゃんの肩の浴衣をぎゅっと握った。
「いじわる、しないで」
===============
※本サイトの掲載内容の全てについて、事前の許諾なく無断で複製、複写、転載、転用、編集、改変、販売、送信、放送、配布、貸与、翻訳、変造などの二次利用を固く禁じます※
コメント