※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 46 ~
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「……っハァ……!」
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苦しげな息をやっと解放されたと言わんばかりに雀ちゃんが吐いたあと、荒く呼吸を繰り返す。
その息には若干、甘い声が混ざっているし、表情は切なげに眉をきゅっと寄せて、苦しそうだ。
それなのに、赤らんだ頬が婀娜を添えて、彼女の佇まいを妙に色っぽくしている。
「可愛い、雀ちゃん」
見上げるわたしも、多少なりとも息は乱れているのだが、彼女ほどではない。
やはりえっちの最中の呼吸は、攻められている方が乱れやすいのだろう。
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雀ちゃんの後頭部に回していた手を頬へもってきて、愛しむように撫ぜれば、目を閉じて呼吸を整えていた彼女が、薄く瞼を開けて、キッと睨んできた。
気持ちはよぅく分かる。
散々攻められたあとは、わたしもそういう目を向けたくなってよく、にらんでいる。
言い表す言葉としては「よくもやってくれたな」がぴったりだと思っている。
「ノリノリで舌入れてくるなぁとは思ったんですけどね」
言外には、「まさかこんな事されるだなんて」だろう。
めらめらと燃え上がる色欲の炎に焼かれながら、わたしはその瞳に見惚れた。
だって、このあと、散々攻め立ててやろうってあからさまに燃えてるんだもの。
「雀ちゃんが可愛いんだもん」
「その言葉、後悔させてあげますよ」
にぃと笑む。
その顔は、さっきまでわたしの舌に喘がされていた同一人物とは思えなくくらい意地悪な顔付き。
――後悔っていうより、たぶん喜ぶと思うけど。
心の中で呟きながらも、雀ちゃんからの噛みつくようなキスを受け止めた。
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今度はわたしが舌を挿し込まれる番だった。
一度しか啄んでもらえなかった唇を越えてぬるっと入り込んでくる熱いそれ。わたしの舌を見つけるや否や、舌の表面をねろりと撫でる。
やはり、舌を口内に入れられると息がし辛い。なんてどうでもいい事を考えながら、彼女の舌の動きに合わせて、くにゅりとうねらせた。と、そのとき。
まるで海の波が引くように、舌を口内から抜き取った彼女が言った。
「舌。だして」
ギラギラと鈍く光る眼で、わたしを射貫くようにして、言った。
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雀ちゃんはそれと同時に、自由にさせていたわたしの片腕を捕らえると、元のように手首を握り、押さえつけた。
動きを封じられるその感覚に、背筋がゾクリとするのは、わたしがマゾヒストだからだろうか。
一瞬、そのことに意識がいって、動きが止まったわたしの耳に、雀ちゃんの顔が寄せられる。
「はやく」
と、低く囁くのはまだいい。だけど、そのまま耳を、伸ばした舌で擽らないで欲しい。
そんな事をされてしまうと、わたしは。
「ん、ゃっ」
雀ちゃんへのディープキスで平静状態に戻しかけていた精神がまた、昂ってしまう。
首を竦めるようにして逃げると、彼女が笑った気がした。
それからは、雀ちゃんの更なる追撃はなかったが、唇へのキスは甘く、そのキスの合間に、「出してごらん?」と更に甘く囁かれてしまうと、逆らえない。
低く甘い声に誘われるまま、わたしはゆっくりと舌を伸ばす。
先程、雀ちゃんの口内へ捻じ込んだときとは訳が違う。
だって、彼女は、舌を突き出せと言っているのだ。
通常生活を送っていると、舌を突き出すなんて状況はまず味わわない。あっても、ソフトクリームだとか、飴だとかそんなものを舐めるくらいだ。
なのに彼女は、わたしに要求するのだ。
「はやく、だして?」
と甘く蕩けそうな声で。
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