隣恋Ⅲ~のたり~ 45話


※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※

※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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 ~ のたり 45 ~

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 意外にもあっさりと、わたしの舌は受け入れられた。

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 雀ちゃんの口内へと入り込んだわたしの舌に、ゆっくりと絡みついてくるのは、もちろん、彼女の舌だ。

 ぬるついた二つの舌を絡め合わせながら、わたしは唇の隙間からフーフーと息をした。やはり鼻と口では空気をとりこむ量が違うのか、途端に息苦しさが減って、楽になった。

 そこではたと気付く。
 これが結構久しぶりなキスだと。

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 なんというか、甘々な雰囲気で「好き」だと互いに囁き合いながら、ちゅっちゅと軽いキスはしていたものの、くんずほぐれつというか……夢中になって、互いの舌を舐め合うようなキスは、もしかして昨日ぶりだろうか?

 ――え? 朝起きてからしたっけ?

 いやいやしてないような……と記憶を辿ってみながらも、れるれると絡み合う舌。
 深いキスの快感はあるものの、首に散々キスマークを付けられていたさっきまでよりは、わたしの中に余裕が生まれる。

 だからこそ、考えてしまう。キスマークのこと。

 ――ぜっっっったい、10は付いてる……。

 しかも真っ赤なやつが。

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 まぁその、わたしがキスマークをつけてと、おねがいしたんだけど。
 あと……焚き付けもしたんだけど……。

 ――流石に、雀ちゃん。やり過ぎよ。
 

 あと、ちょこちょこ噛まれた皮膚が、ジンジンと鈍い痛みを覚えていて、首まわり一帯が熱をもっている。
 なんというか炎症的な熱だ。

 これは終わったあとに絶対雀ちゃんが自己嫌悪に陥るパターンだわ。と胸中で溢し、今のうちにどう慰めるか考えておかないと、と頭の隅で計画を立てつつ、わたしは雀ちゃんの上顎を擽った。

 さすがにこの体勢だと、舌の長いわたしでもギリギリといったところで、いつも雀ちゃんが喜んで……もとい、よがってくれる場所までは少し、足りない。

 届かない部分に必死で舌を伸ばすなんて不格好なことはしない。
 わたしは雀ちゃんの歯列を辿りながら、彼女の舌を探し出し、その下へと潜り込む。

「ん、ふ……」

 彼女がくぐもった声をもらすのを聞きながら、恋人繋ぎの手の力を緩めた。
 キスに夢中で油断していたのか、雀ちゃんの手は意外にもすんなりとほどけて、わたしは嬉々として彼女の首へと腕を回した。

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 後頭部をかき抱くようにして顔の角度を変え、そのキスを深めると、やっとしっくりくる深いキスになる。

 ――あぁ、ん、そう。これよこれ。

 彼女の舌の下をくにくにと舐めまわしていた舌を再び上顎へと伸ばして、ぴとりと押し当てた。
 それだけで、雀ちゃんが短くくぐもった声をあげ、ピクンと一瞬、動きを止める。

 いつも、わたしに上顎を舐められて気持ち良くされている記憶はしっかりと残っているらしい。
 たじろいで、頭を引こうとした彼女の後頭部にはわたしの手。

 しっかりと捕まえて、わたしは内心、にんまりとした。

 ――散々いじめてくれたおかえしよ? 雀ちゃん。

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「ぁ、は…っ、あっ」

 わたしが舌を入れているおかげで、雀ちゃんの口は当然閉められない。
 ということはつまり、漏れる声も息も、ダダ漏れという訳で、わたしの耳には彼女の甘い甘い嬌声が届く。

 とはいってもまだ、嬌声と言える程でもない興奮なようだし、おまけに、わたしが口に緩くだが蓋をしているせいで、あまりハッキリとした音声ではない。

 だけど、上顎をくすぐれば、ヒクリと跳ねる肩や腰の動く気配は伝わってくるもので、舌が攣りそうになりながらも、わたしは彼女を可愛がった。

 
 ――尖らせた舌でくすぐられるのも好きだけど、柔らかくした舌で舐められるのも好きよねぇ?

 彼女に伝わるはずもないのに脳内で語りかけながらするキスは楽しい。
 頭の隅で、行為が終わって首の惨状をみた雀ちゃんが自己嫌悪したとき、なんと言って慰めるかは決めたし、そろそろ、彼女を可愛がるのをやめないと、報復がこわい。

 負けず嫌いな部分も少し持ち合わせている彼女は、えっちの時にはよく”おかえし”だと言って、攻めの手を強くすることがある。

 ――まぁそれがちょっと楽しみではあるんだけどね。

 期待を胸に、わたしはやっと、彼女の口内から舌を抜いた。

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